第4話 理不尽ここに極まれり

俺。絶賛理由説明中。


「はぁ。にわかには信じ難いけど。まぁいいや。嘘ついてるようには見えなかったし。」


「おお!サンキュー!」

しかし。何故ここに義妹がいるのだろうか?

友人の家に居候していた筈なのに。

もう1年は帰ってきてなかったはず。

あれ?俺嫌われすぎじゃ?


彼女の名前はアリシア・ガーライル。

俺が白髪なのに対し、彼女は金髪。

そして絶世の美女である。

体はまだまだ発展途上でって痛ァ!


「うっさい。黙れ。」

はい。こんな感じです。

もしこれがテンプレ通りツンデレだとしたらデレは何処へやら。


「なあなあ。我。早く風呂に入りたいんだが?

ずっと全裸は寒いんだが?」

お前剣の時ずっと真っ裸だろ。


「あー。どうぞ。アヴォルフリードさん。

私は兄貴とお話が有るので。」


おー。そうか!と言って去っていった。

嵐のようなやつだ。だが、それもまたおかし。

いや。実際走った後めっちゃ風が起こってるんだが。あっ。壁にヒビ入った。


「さてさて?兄貴?王都に行く?聞いてないんだけど?」

鬼がいる。アヴォルフリードより全然怖い。

黒色のオーラがバンバン出ております。

あれ?今日は黒色のオーラのバーゲンセールかな?


「だって。お前。俺の事嫌いだろ?」


「えっ?うん。」

即答かー。ははは。知ってた。


「だってさ?装備好きの変態とかどこが好きになれんの?

アンタのいい所顔くらいだよ?」


「えっ?????????それってマ?」


「色眼鏡ってのもあるかもだけどさ。

でも問題ないとは思うよ?いや。寧ろ問題か。」

なんだろう。元気出てきた。蔑まれてんのに。


「あーあ。私も王都に行きたいなー。住みたいなー。」

なんだその目。そんな目されたって連れてきません!


「ねえ?お兄ちゃん?だーいすき!」


「グはぁ!」

口から血が。いや。鼻からか。

本心から言ってないと分かっていてもこの破壊力!


「ねえ?お兄ちゃん?私ー。連れてってくれたらぁ。」


「な、なんだ?」

俺が真正面のアリシアを見た。

その瞬間アリシアの顔はゆでダコのように赤く染った。


「恥ずかしいならするなよな。」

はぁ。と息を吐きながら忠告した。

もっと聞きたかった?その通りだよ。この野郎。


「友達居るだろ?置いてくのか?」

そんな薄情な人間では無いはずだ。


「え?連れてくけど?」

なんだ!その さも当たり前の事を聞くなよ的な顔は!


「親御さんが反対するに決まってんだろ!?」


「あのさ。今どきの女子はね?

憧れるもんなんだよ?都会に。」

それはそうかもしれないが。


「何処に住むんだよ。」


「え?兄貴の住む家だけど ?」


「おまえ。何言ってんの?」

俺に家なんてないんだが?


「いや。兄貴は剣にしか欲情しないでしょ?」

いや。するんだが。普通に。

なんだと思ってん?俺の事。


「それに兄貴の腕が有れば家建てられるのなんてすぐだと思うよ?」


「そ、そうか?」

少し頬が緩む。照れるな。おい。


はぁ。とアリシアがため息をつく。

「なんであんたこんな変なんだろうね。

他の人に顔あげたら?」


「出来る訳ないだろ…」


「まあ。いいや。友達達に言ってくるねー。」

おい。夜中だぞ?

いや。騒音出してる俺達が何言ってんだって話。


バタンとドアが閉まる音がする。


「あっ。剣どうしよ。」

アヴォルフリードのはもう期待できない。

俺は腰に下げたアイテムポーチから紙を取り出す。

チラッと僧侶さんに渡された試験内容の紙を見た。

あれ?間に合わんくね?

試験明日ってえ?一日で出来ると思ったん?

まあ。出来んだけども。


えー。じゃあ前に作ったのでいいかー。

なんだよー。


俺は倉庫に向かう。


「えっと?これが聖剣ならぬ星剣だったか?」

そう言って有象無象の中から引きずり出したのは星で作った剣。

無駄な装飾はなく一見石剣に見える。

だが手触りはひんやりとして冷たい。


確かこれは星を矢で撃ち落としたんだっけな。

懐い。そう言えばこの頃から義妹は家に返ってこなくなった。人外を見る目をしてたな。


確か?そう!あの山だ!

あの山は村の近くで一番大きい山だ。

グリフォンとかヒュドラとかさ。

ザコ敵しか出てこないんだけどな。

山の主は神鹿 デュラルホーンだったな。

あれは結構強かった。えっ?倒した後?

素材にしたよ!


あの山で星を撃ち落としたんだったな。

光速魔法に硬化。それに倍速魔法をかけたんだっけな。そっちの方がデュラルホーン討伐より楽でした。


その翌日には村の守り神が消えたって村中騒いでたな。あれ?俺じゃね?と思ったので黙ってました。


まあ。数日で復活したんだけどな。デュラルホーン。

なんか白髪の美少年を探してるらしい。

何すんだろうな。そして白髪の美少年。

ご愁傷さま。あいつめっちゃ強いから。

絶対零度で固めてから、断罪の剣で切り刻んでもな。生き返ったんだもん。怖っ。

確か切り刻んでからやき尽くして、それから

破壊術式で跡形もなく消してやったんだよな。


あっ。ちなみに断罪の剣は近くのなんか神聖な祠で拾ったんだけどな。

なんか台座に刺さっててさ、硬かったから

台座ぶっ壊したんだよなー。懐い。

断罪の剣ってゆうのは台座に書かれてた。


そしてこの星剣。効果は光る。めっちゃ熱い。これだけ。あんだけ苦労したのにとあの日何度嘆いたか。

2000度?そんなの俺でも作れるわボケ。


でもさすがに置いておく訳にも行かないので

絶対零度で凍らせている。


絶対零度と言う魔法は

絶対に零度

と大昔の魔道士がふざけて作った魔法だ。

これをかけた物は零度から温度が動かない。

ふざけた割には強くね?と封印されたのだが。

なんか断罪の剣の台座の下に書かれてまして、

魔法式。

剣を作る時には剣用に調整はし絶対十度にした。なんかダサ。

一応絶対零度と言うことにはしているが。

そっちの方がカッコイイしね!


でもこれじゃないな。うん。ただ光って熱い剣なんて認められるはずもない。


じゃあデュラルホーンの素材で作ったヤツか?

神聖剣 デュラルシャイン。

アイツの角で作った壊れない剣だ。

属性神聖もついてる。

名付け親は村長です。初めて褒めてくれたな。

確か。


これなら大丈夫な筈だ。あの村長も認めてくれたのだ。


ようし。明日は試験だ!


はぁ。大丈夫かなぁ?

不安になってきた。

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