第3話 未知開門未来閉門
青い光に包まれて無重力の空間に浮かんでいるような気分になる。一度辺りを見渡すと、俺と同じように人々が浮かんでいた。暖かさに眠ってしまう者も居た。無重力とは言ったものの、底へと沈んでいってる事に自覚した
(とっても綺麗な夢なのか…?アイツらも寝てるみたいだけど大丈夫か?)
俺は近くに居た親友のゲーム好き(PSがあるとは言っていない)のメガネに声をかけようとしたが、声が出なかった。何度か試みたが疲れ果てて眠ってしまった。底は大きな時計で構成されていた記憶である。謎の白昼夢のような感覚は未だに否めない。
「あっーはっはっは☆結局はdespairに溺れるdestinyなんだけどね☆」
茶髪のハッピー帽子の子供が気味の悪い顔になっている。
「おい小僧!勝手にカプセルを触るなよ!」
白髪の男が白い光の玉を構えている。「下手な事をするとレーザーで貫くぞ」と光の玉1つ1つが睨んでいる。
「はぁ…君まだ自分が上位だと勘違いしてるのか?」
「その言葉そっくり返させて貰うぞ?」
仲が悪い。そう片付く2人だ。
「僕はね。今から管理者クンから君の能力をカプセルにかけてくれと頼まれたんだよ。それを君は否定するのかい?」
「ほう?貴様の能力は何だというのだ?」
「んじゃ君の能力を教えてくれるかな?」
「質問に答えてから質問するのが基本であるぞ小僧?」
お互いに溜め息をついている。freakの能力はもう作用済みであった。
「僕の能力は終焉の嗟嘆(apocalypticsounds)と言って、何でも終末的な物体へと改造する能力なんだ。まぁ弱点は色々あるから安心して。」
何故かいきなりカミングアウトした。何故か悲しそうな雰囲気を漂わせながら。
それに乗ったのか、少しニヤッとして、
「我の能力は災禍の虐殺者(calamity cruelty)だ。召喚系の能力と思うが良い。」
と何処からか現れた禍々しい赤黒いオーラを纏う剣のような物を持って宣言した。
「ふーん。その剣…いや刀身が円柱みたいだなぁ…昔見たアニメに出てきた様な見た目の剣と言えば良いのかなぁ?まぁ今はアレと呼ぼう。」
彼は「変わった形状だなぁ」と不思議な顔をしていた。
「君の能力はまだ他にもありそうだね。僕と考えが若干似てるから分かるよ。」
不敵な笑みによって巻き起こされる雰囲気はまともな世界という仮定を打ち破った。
「貴様も同じ事だな。俺は今良い事を思い付いた。」
間を少し開けて大きく笑う。かなり興奮している。
「我々の誰がこの世界を滅ぼせるか勝負しないか?」
さらに歪んだ表情になった。が、そう簡単に受け入れてくれなかった。
「面白いとは思うけど、報酬とかは?」
アダムが訊く。
「望めば何でも叶う様にする。」
そうラノベ臭い事を口にすると
「「「「んじゃ降りまーす。」」」」
管理者も女神も誰も賛同してくれなかった。試しに部下達に訊いても、同じく「それは私達に必要ないのでは…?」と蹴った。
「まぁ一応滅亡させる気になったのは有り難いけど、競争はやめてほしいなぁ。」
「女神としても好かない手だなぁ。」
「俺は人類がルールを破らない限り攻撃はしない。」
「はぁ、君は厨二病だね。」
「我々秘密結社Wにどうぞ来て下さい。」
「ボス、それは流石に容認できる訳ないですよ。」
あらゆる人からの否定。悲しい。しばらく厨病男は俯いた。
「リンチだ…」
彼はそう嘆いていた。
「我々秘密結社Wにどうぞ来て下さい。」
「うるせぇbot!」
新たな新勢力が居た。小型のピラミッドのようなものを手に乗せている男だ。
「まぁ勧誘はさておき。皆さん、好きなタイミングで破壊するなら破壊するというのはどうでしょう。」
いきなり新勢力が提案する。
「新勢力の分際で…と言いたいとこだがそれが1番正しいな。」
「よし刺客を送ろうか。」
「天使を呼ぶか。」
こちらは賛同の声が多く集まった。
「何でだよぉ…」
「現実的でないからですよ。」
部下にも言われる。
絶望的な奴ら、集結。
───────はっ!
俺は目覚めた。ガラクタだらけのいつもの部屋に。
しかし、身体に違和感がある。いつも物を持ったり歩いたりする器官の感覚がないのだ。ちょっと動かそうとしても身体が少々小刻みに震えるだけだった。
少し身体を起こして手を見ようとする。が、来ない。手が来ない。
「なんかおかしいな?ん?んー? ぁ」
漸く気付いた。手だったところ、脚だった所が、虚無だということに。
「 ぇ は ?」
途端に言語機能が著しく失われる。首を横に振って気を取り直そうとするが、四肢から下はない、
「ぉゔ…」
凄い吐き気で外に出ようとする。が、身動きが取れない。
触れない不安間から気絶しそうになる。
ん。気絶した。
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