第2話 freak

まぁ敵わない事は明らかに分かったので、取り敢えず従う事で雰囲気が全会一致を促した。

「逆らう気のない冷静な君達には…特別に種(シード)という特別な恩寵を与えましょう♪」

「いや…根本を話し忘れるという名の大罪を犯した状態で話すのも悪きか。」

「はい!君達には異s...」

長々しい説明を轟音が遮断した。ガラスが砕ける音を誇張しすぎた音のようだ。

機械に何かが嚼んでる音も耳で轟音を鳴らす。世界が終わった時の音と似ている。

「やぁやぁ!異常性癖からこんにちは!freak様だよ☆君達は僕を気にいる義務を与えられたねラッキー!」

頭がおかしいの権化と喩えるのが最適解だろう。文法の敗北という言葉が咲き乱れている。そんな雰囲気が悪臭のように鼻につく。

「茶髪のお花畑な帽子を被っているそこの貴様。我の視界を遮っておるぞ?」

白髪の赤目の細身の男が「どけ」と麻薬ショタに言い放つ。

「何?君、偉そうだね?僕は嫌な思いしてないからどうでも良いけど…ヒトに対する態度ではないよね?」

人の発音が違っている。まるで軽視するかのように。軽蔑的に白髪の男に接する。

「我を知らぬか…ならここで直々に教えよう。我に逆らうと首が飛ぶ。以上だ。」

脅迫的な赤眼を向けているが依然ショタは舐めプをやめる事はない。

「あのね?中学卒業してるよね?君は夢に浸り過ぎじゃないかな?」

「夢を見るな」そう言い放つショタは何処か憎しみを顔に浮かべていた。

「はっはっははは!面白い!ならば貴様含む雑種どもをここで全員消し炭にすれば問題ないか?」

お互い平行線を保っていた。が、先程から意思を遮断されていた女神が漸く口を開いた。

「神の面前での無礼。万死に値しますよ?」

相当切れている様子だった。澄んだ藍色の眼が二者を睨み付けている。

「おい小僧。」

「どうされましたか?」

「あれこそ本当の厨二病から抜け出せていない愚者でないか?」

「そーだね。」

意外な瞬間で2人は一致した。

「私がここで何してたか分かる?アウトサイダー達?」

「美味しそうなサイダーじゃねぇか。一杯貰いたい。」

「また新勢力?これ以上は壊れるんで止めて頂きたい。」

女神が話を進めようとするとリンゴを持って

接近してくる男がいた。

「新勢力って名前じゃないよアダムだよ。」

「貴方が…でもまぁ一旦スルーして。」

これ以上火が点けば恐ろしくテンポが遅くなる事に気付いたのか、進行を優先する事にしたそうだ。と、俺が考える内に先程の二者の部下が次々に集結してきた。

「異世界転移するから説明するね。人類は世界の厄と考えた私達神は地球を破壊したの。その中でも私達の選んだ世界の言語と似ている言葉を使っている日本人を抜擢して上げたのよ感謝しなさい!私は何語でも喋るけど向こうの世界は喋れないんだよ可哀想!だからね、過去に言語学習能力が低下した君達なら丁度いいとも思ったけどこの話は小声って事で宜しく。まぁ君達もラノベとかで見てるからロマンに感じてるんでしょそこからこの世界の災禍に困惑して絶望する姿が見たいとは言っていない。言いたい事を纏めると私はあの世界についてよく知らないから後は管理者さんよろしくー!」

凄まじい早口で耳を貫通する言葉達は人々を異世界へ駆り立てた。とは言わない。

と想像したのも束の間。ブロンドの髪をした奴が現れた。

「はいほーい。なんか手に入れた誕生とかいう能力で世界を作った日本人でーす。この世界はここのボードとかモニターで完全に監視していまーす。先程言った通り僕は日本人なのでこの世界の言語は文法のおかしい日本語でーす。僕は天才ではないのでね。この模型が入ったカプセル(プライズゲームを思わせる)がこの世界の全貌だよ。ゲームセンターのアレのイメージでいいよ。んで、本題に入るよ。彼等を呼んだのは僕だよ。この世界の管理に疲れたから滅ぼしてもらうんだよ。んで君達にすんごいビジョンを感じたから最期の最期に楽しませてほしいと思ったか、君達をこの世界に転生させるだ感じ。元の世界に帰りたいなら僕ら全員を殺す事。それはここまで保険かけてるから絶対不可能。だからまぁこの世界の終了は免れないよ。僕?僕はこの世界が終われば女神様の住む天界で伸び伸び暮らすよ。んで、君達を丸腰でこの能力だらけの世界に落とすのは芸がないからある条件を満たすと育つ能力の種をあげる事にしたんだ。そこまで言ったら把握してくれると信じてこの世界に落とすねさようなら束の間の小旅行をお楽しみ下さいませ〜」

あまりに不気味に笑っていた。管理者の男は。




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