第73話 男友達に意見を聞きます。

「ねぇ、俺はどうしたらいいと思う?」


「「「は??」」」


 部活終わりの帰り道。 俺はみんなに意見を聞こうと思って話しかけた。


 しかし、返ってきたのは怪訝な顔と3人のは?という言葉。


 あ、主語言ってないや。


「鈴に告白しようと思うんだけど、俺はどうしたらいいと思う?」


「え、陸って松田に告白すんの?」


「それっていつ?」


「っていうか、やっとか」


「2月14日に……ってか、やっとかってどういう意味だよツバサ」


「そのまんまの意味だよ」


 俺がツバサに聞くと、チアキとユウマも長かったねーとか、やっとかーと言う。


 3人とも阿部さん達みたいに、俺たちのこと気にしてたんだな。


「そもそもなんで2月14日なんだ? バレンタインデーって、女の子が男に告白したり、プレゼントを渡すイベントだろ?」


「2月14日は鈴の誕生日なんだよ。 あ、それと、日本のバレンタインデーはそんな感じだけど、海外だと違うところもあるんだって」


「男が女の子に告白したり、プレゼント渡すってことか」


「そうそう」


「へぇ〜ボク、知らなかったなぁ」


 俺たちはバレンタインデーについて話す。


 はっ!? バレンタインデーに気を取られて、話が逸れてきた。 修正しないと!


「ってか、バレンタインデーの話は一旦置いといて、告白のことだよ」


「おぉ、そういやそうだったな」


「陸はなにか考えてるの?」


 チアキが俺に聞いてくる。 俺はプランを3人へ話すのだった。


「幸いな事に、2月14日はバレンタインデーだからイベントがたくさんあるんだよ。 だから、そういうイベントに何個か参加したりして、ご飯を食べた後に告白しようと思ってるんだけど、どうかな?」


 俺のプランを聞いて3人は考え始める。


 少しすると、ツバサが俺に意見を言ってくれた。


「それはそれで良いプランだと思うんだけどさ、陸にとって2月14日ってなんの日なんだ?」


「え……?」


「陸にとって2月14日は"松田の誕生日"? それとも“バレンタインデー"なの?」


「今まではバレンタインデーだったけど、今年は鈴の誕生日……かな?」


「なら、2月14日がバレンタインデーだからって、バレンタインデーのイベントに何個も参加とかはしなくていいんじゃないの? あくまで陸の中では2月14日は松田の誕生日なんだから、そんなにバレンタインデーのことを気にしなくていいと思う」


「なるほど……」


 確かに阿部さん達と話す前は、2月14日はバレンタインデーだから、男の俺が告白してもいいんだろうか? 普通じゃないよな?という考えがあった。


 阿部さん達と話してその辺のことは考えないようにしていたけど、無意識に考えてたみたいだな。


「確かにツバサの言う通りだね……俺、もう少しデートプラン考えてみるよ。 まだ時間もあるしね」


「そうか。 まぁ、俺たちで良いなら協力はするよ」


「ボクがデートの時に意識していることとか、伝えた方がいい感じ?」


「教えてよ。 この中で1番チアキがデートの経験あるんだからさ」


「なら、オレも良いアドバイスをしてやろう」


「あ、別にユウマのはいいかな……」


「え、なんでそんなことを言うんだよ。 寂しいだろ」


「ははは! 冗談だよ冗談。 ユウマも頼りにしてるからさ」


「おう! でさ、オレこういうの考えたんだけどさーーーー」


 ユウマの考えを俺たちは聞く。


 この日はみんなが色々な意見やアドバイスをくれたから、オレの中でアイデアが色々増えた。


 3人が俺の為に真剣に考えてくれている。


 それが俺は堪らなく嬉しくて、3人を後ろからおもいっきり抱きしめたのだった。

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