第33話 同じ塾で隣の席の女の子からプールに誘われました。

 セミの鳴き声が聞こえ、窓からは明るい光が差し込んでいる。


 窓を開けたら入ってくるのはムワッとした熱が籠った風。


 今日もカラッとした晴天だ。


「こんな日にクーラーがキンキンに効いた部屋でアイスを食べて、動画鑑賞は最高だな」


 俺はソファに腰掛けながらリラックスして、パソコンで動画を見ている。


 あ、アイスもう食べちゃったな。


「アイスアイス~♪ 次はなににしようかな~♪」


 俺はソファから立ち上がって、冷蔵庫がある一階に向かおうとした。


「ん?」


 しかし、俺の視界の中にはホーム画面に連絡が来ていることを知らせているスマホが目に入った。


 ん~~誰だろう?


「ん~~んんっ!?」


 俺は何気なくスマホを取るが、連絡をしてきた相手の名前を見てビックリする。


 松田さんから少し前にメッセージがきてるな。


 一体どうしたんろう?


「なになにっ……え、まじか!?」


 俺のスマホに届いてるメッセージには、『今週の水曜日に二人で一緒にプールに行かない?』と書かれていた。


 え、プール?


 しかも二人で?


 まじで?


 俺は悩むことなくすぐに『行く!』と返信する。


 水曜日は部活の日。


 去年は部活をサボってプールに行き、白い目で見られた。


 今回も誰かにばれたら白い目で見られるだろう。


 でも、でも!!


 女の子から二人でプールに行こうって誘われたんだよ!?


 好きな人から誘われたんだよ!?


 好きな人の水着姿が見られるんだぞ!?


 そんなチャンス滅多にないよ!!


 俺は誰かにばれて行くなって言われても、絶対行くぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!


 俺は強く、強く決意する。


 そして、決意した後は松田さんと集合場所とかを決めて、連絡を終えたのだった。


「よし! 無駄な努力だと思うけど、とりあえずやっておこう」


 俺はアイスを食べるのはやめて、マットを取り出して床に敷く。


 そしてスマホで筋トレ動画を開いて、筋トレをするのだった。


 やらないよりはやる方がましだ。


 目指せ魅力ボディ!! 目指せシックスパック!!!

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