第28話 同じ塾で隣の席の女の子とデートしました。 ②

「いや~感動したね映画!」


「まさかあんな結末になるだなんて……予想外だったよ」


「それは私もだよー!」


 俺達は話題の映画を見た後、昼食を食べるためにフードコートに来ていた。


 今はそれぞれ買った食べ物を食べながら、映画の感想を言い合っているところだ。


 ちなみに俺はラーメン定食、松田さんはうどんと天ぷらを食べている。


 ……最近、天ぷら食べてなかったな。 近いうちに母さんにリクエストしてみるかな。


「女の子は可愛くて、男の人はかっこよかったね!」


「本当だよ」


 終盤にヒロインを引き留めた時の主人公の表情、セリフ、迫力、行動。


 すべてがかっこよすぎた。


 男の俺でも心にくるものがあったもの。


「最後の主人公がヒロインを引き留めるシーン、あれヤバくなかった? かっこよすぎる」


「それ分かるー! 私もあんなの言われたらたまんない~!」


「ヒロインも可愛くなかった? 特に最後にそっと主人公の手を握って微笑む瞬間なんて堪らなかったよ!」


「それ分かるー! 私が男の子だったら絶対すぐに好きになっちゃうタイプだよ!」


 俺達は昼食を食べながら熱く映画について語っていく。


 恋愛映画だから男女の意見とか割れたりしないかな?と少し不安だったけど、その不安は杞憂だったみたいだ。


「あの映画漫画もあるんだって! ご飯食べたら本屋さんに行ってみようよ!」


「それいいね!」


 俺達はご飯を食べ終わった後、最初に本屋さんに行くことに決めた。


 本屋さんに入ると、すぐにデカデカとさっき見た映画の漫画が置かれていた。


「え、こんなにすぐに見つかるとは思わなかった」


「流石人気作」


 俺達は1巻と2巻を手に持ち、本屋さんを回る。


 あ、この漫画最新刊出てたんだ。


「春名くんそれって面白いの?」


「面白いよ。 スポーツもので熱い話なんだ。 オススメだよ」


「へぇ~スポーツものか……あんまり見たことないなぁ」


「なら、漫画貸そうか?」


「え、いいの!?」


「いいよいいよ。 俺もこの漫画の面白さ色々な人に知ってもらいたいしね。 次の塾の時に渡すよ」


「ありがとう! なら、私のオススメの漫画も貸してあげるよ!」


「おお! 一体どんな漫画なの?」


「少女漫画なんだけどね、ヒロインも主人公も可愛いの!」


「主人公も可愛いの?」


「うん! 読んでで二人の恋に胸がドキドキするの!」


 ほうほう……男が読んでも少女漫画は面白いと聞いたことがある。


 内容も少し気になるし、借りてみようかな。


「じゃあ借りようかな」


「なら、私も次の塾の時に持ってくるね!……へへっ漫画交換楽しみだなぁ」


「俺も楽しみだよ。 少女漫画は初めて見るからドキドキする」


「え~なにそれ! 少女漫画は別に怖いものじゃないよ~?」


「別に怖いってわけじゃないよ! 見たことがないジャンルだから少しドキドキするな~って思っただけ!」


 俺達はそれぞれ欲しい漫画の会計を済ませて次の店へと向かう。


 次はペットショップだ。


「うちのナナも可愛いけど、この猫も可愛い~!」


「小さくてフワフワで可愛いなぁ……いいなぁ……」


「あ、こっちには犬がいるよ! 大きくてかっこいい!」


「大きくてフワフワでかっこいいなぁ……いいなぁ……」


「あ、こっちには亀がいるよ! 首出してて可愛い~!」


「うちのみどりの方がかっこ可愛い!」


「ここで親バカになるの!?」


 俺達は動物が好きなこともあって、長い時間ペットショップに滞在してしまった。


 時折、微笑ましそうに周りから見られたのは少し恥ずかしかったな。


「次はどこに行く?」


「ちょっと歩いたらゲームセンターがあるから行かない?」


「おっ! いいねぇ。 最後に行ったのはバトミントン部のみんなとだから、久しぶりだ!」


 俺達はペットショップにいる動物達に手を振って、お店を出る。


 さて、次はゲームセンターだ。


 俺も久しぶりに行くし、最近リニューアルしたって聞いたから楽しみだな。

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