第27話 同じ塾で隣の席の女の子とデートしました。 ①

「ごめーん! 待たせたかな?」


「待ってないよ。 俺も今来たところ」


 俺は松田さんに声を掛ける。


 今いる場所は、集合場所だったショッピングモールの真ん中にある銅像付近だ。


 時間も集合時間5分前ぐらい。 本当に全然待っていなかった。


「服を選ぶのに時間かかっちゃってさー」


「そうなんだ。 松田さんの服装、いつも可愛いけど今日はいつも以上に可愛いね! 似合ってるよ!」


「あ、ありがとう……」


 俺がそう言うと、松田さんは嬉し恥ずかしそうに身体を縮こませる。


 両腕で胸を挟んだことにより、案外大きい松田さんの胸がはっきりと目で分かった。


 ……はっ! いけない! 女の子はそういう視線に敏感だってチアキが言ってた!


 早く視線を外さないと!


「じゃあ、映画館行こうか」


「う、うん!」


 俺たちは映画館に行くために歩いてエスカレーターに乗る。


 それにしても本当に松田さん可愛いな。


 緑のワンピースが似合ってるし、被ってる帽子のおかげで更に可愛さが倍増だ。


 しかも、このワンピースノースリーブ?ってやつだと思うから、松田さんの綺麗な腕が惜しげもなく出されている。


 ほんっっとうに可愛いな!


「春名君って映画館ではこれは絶対食べる!っていうものある? ちなみに私はキャラメル味のボップコーンなんだけど」


「俺はボップコーンはその時の気分によるかな。 絶対に食べるものって言ったら、俺はチュロスかな」


「チュロス?」


「そうそう。 こういう時にしか食べられないからさ。 でも、上映中に食べるとうるさいから、始まる前には食べ終わってないといけないんだ」


 上映中に見ながら食べれないのは玉に瑕だけど、どうしても頼んでしまうんだ。


 あのサクサクした食感と、甘さがたまらなく美味しいんだ。


「前から思ってたけど、春名君って案外甘党だよね」


「そうなんだよ……やっぱり男が甘党って変かな?」


「全然変じゃないよ! 私も甘いもの好きだからさ、仲が良い春名君が甘党で私は嬉しいよ!」


「そうなんだ」


「そうなんだよ!」


 俺たちはたわいもない話をしながら映画館に入り、チケットを買う。


 ちなみに、チケット代は割り勘になった。


 松田さん的には奢ってもらうのはなしらしい。


「じゃあ、次はフードメニュー買おうか!」


 俺は松田さんの提案でフードメニューを買う。


 俺はチュロスとジュース、松田さんはキャラメル味のポップコーンSサイズと炭酸飲料だ。


「さて、準備も整ったし、シアターにもう入っとこうか」


「そうしよっか! うわ~楽しみだな~どんなストーリーなんだろ?」


「松田さんはあらすじとか調べてきたの?」


「ううん! 全然調べてないよ! CMで見ただけ。 春名君はどうなの?」


「俺も松田さんと一緒だよ」


「そうなんだ。 じゃあ、私たち詳しいことは知らないんだね。 いや~楽しみだね」


「俺も映画当分見てないし、恋愛映画はあんまり見たことないから楽しみ」


「見終わったら、感想会しようね!」


「おっ! それいいね!」


 俺達は和気藹々と喋りながらシアターに入る。


 そして、席に着いてトイレとかを済ませて、集中して映画を見たのだった。






 


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