第26話 あの冒険者Eパーティー

 時刻午前8時40分。


「おはようございます」とリールは薬屋に入る。


「おはようございます」とクリスが挨拶してくる。


「薬草良いか?」とリールは受付に薬草を並べる。


「ずいぶんと大量ですね。」


「洞窟まで行って来たからな。」


「おやおや、もう洞窟まで行ってきたのかい」と店主ミランが奥から出てきた。


「おはようございます。ミランさん。洞窟にオーガがいましたよ。」


「おはよう。オーガね。オーガ!よく逃げれたね?大丈夫だったかい?」


「いえ、倒してきましたよ。ゴブリンロード達も倒してきました。良かったらこれどうぞ。」とマジックバックから小分けにしたオーガの肉5キロを渡す。


「凄い!オーガの肉ですか?」とクリスは驚いている。


「そうだね。魔力が感じられるね。」


「それでこの薬草はいくらになりますか?」


「そうですね。」とクリスは計算している。


「ミランさん。回復ポーションを怪我してないときの飲むと、効果はあるのか?」


「金持ちが健康の為に飲む事はあるよ。疲れが取れる位だからね。」


「なるほど疲れは取れるんだな?」

 

「そうだが普通の回復ポーションでも、銅貨200枚だから。普通の人は飲まないだろうね。」


「計算終わりました!」


 普通薬草142本=ポーション28本

 上位薬草347本=上位ポーション69本

 特上薬草578本=特上ポーション115本


「どうします?」


「特上ポーション100本と上位ポーション60本欲しいな。」


「では手数料引いて銀貨10枚でどうですか?」


「ああ、それで良い。」


「はい、どうぞ。」とクリスから受けとる。


「あんたお人好しだね」とミランが笑っている。


「ん?知らんな。ありがとう。それじゃ、また洞窟を調べに行ってくるよ。」リールは薬屋を出ようとする。


「はいはい、行ってらっしゃい。また来なよ。」


「ありがとうございました!」とミランとクリスは見送る。



「おばあちゃん、今日の収入凄いことになったよ。」


 手数料で約銀貨10枚。オーガの肉は冒険者の買い取りが1キロ銀貨20枚だが店で買うと銀貨30枚は超える。


 オーガの肉5キロを買うなら、銀貨150枚必要だ。


「リールが働くと稼ぎ時だから、覚えときな。」


「うん!」


「リールが帰ってくるまで、のんびりしようかね。他の客なんて良いから。クリス!オーガの肉でも焼いて食べよう。」


「やったー!」


 薬屋の入口の鍵を閉めて、2人は家でのんびり過ごす。



 時刻午前9時45分。


 冒険者ギルド前。


「おはよう」


「「おはよう」」とリール達は挨拶をする。


 3人は冒険者ギルドに入る。



 冒険者ギルド内には8人の冒険者とギルドマスターがいた。


「おう!ザンバードの3人」とギルドマスターが呼ぶ。


「この8人。2つのパーティーが今日お前達と調査してもらう。」


「よろしくお願いします。」と8人は頭を下げる。


「嘗めてくる人はいませんね?」


「おう!Cランクパーティーがいたが、調子にのってるたから外してやったからな。」



「ありがとうございます。そんな人と関わりたくありません。」とユキは言い、リールとユリカは頷く。


「Cランクってだけで調子にのって死ぬ奴は多い。10匹のホブゴブリンでも苦戦する様なレベルのくせに。態度だけ大きくなってしまう。」とギルドマスターは早口に話す。


「そんな人は良いから、パーティーを紹介してくれ。」とリールは話をさえぎる。


「そうだな!じゃあ自己紹介してくれ!」


【新芽の光】Eランクパーティー。全員Eランクの冒険者。ミランに心配されていた冒険者。斥候の男性ドーム。魔法使いの女性リタ。僧侶の女性リンダ。戦士のリーダーの男性ダン。


【マジックナイト】Eランクパーティー。全員Eランクの冒険者。斥候の女性ミッツ。戦士の男性ジロ。戦士の男性アロ。魔法使いのリーダーの女性1人スーズ。



 パーティー名って難しいな。全員の名前なんて覚えられないぞ、とリールは思いながら自己紹介を聞いている。


「まだゴブリンやウルフ位しか倒せないから、経験を積ませてやってくれ。」とギルドマスターに頼まれる。


「わかった。作戦を話あってから出発するぞ。」



 時刻午前10時20分。


 11人は門を出て、洞窟へと向かう。



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