第25話 オーガの肉販売 商店ザンバード営業時間午前8〜午後7

 午後8時過ぎてリールは家に帰ってきた。


「ただいま」


「お帰りお兄ちゃん!」と妹のルカが走って出迎えてくれる。


「ああ、今日は疲れた。」


「いつもより遅いもんね!ゆっくり休みなさい」


 リールは、両親と少し話して風呂には入り、上位回復ポーションを飲んで就寝する。





 時刻午前6時。


「疲れは無い。大丈夫だな。」とリールは起きる。


 部屋の中で身体を伸ばし1階に降りる。


「おはよう」


「おはよう、リール。ずいぶん早いな。 」と父グランがいた。


「オーガの肉が手に入ったから料理しようと思って」とマジックバックから解体所で切り分けた肉を取り出す。


「食べれるのか?」とグランは見ている。


「さぁ?ギルドマスターが言うには旨いらしいよ。」とリールは肉を焼き始める。


「リールは、料理が出来て凄いな。父さんは母さんに任せっきりだからな。」


「なら少しは料理でも手伝ったらどうだ?この肉焼いててくれ」


「ああ」とグランは肉を焼き始める。


 隣でリールは、野菜を切り、オーガの肉を小さく入れ、味を整えスープを作り始める。パンを焼きながら。


「そんなに食べるのか?」


「いや、朝のみんなの分と、昼は人が増えそうだから、多目に持っていくさ。」


「肉焼けたぞ。」


「もう少し焼いてくれ」


「わかった」と寂しそうにグランは返事する。


「店でオーガの肉って売れるかな?」


「ザンバードで?いくらで売るんだ?」


「いっぱい有って腐りそうだから。1キロ銀貨1枚で。」


 オーガ1匹で食べれる部位が300キロある。


「売れるのか?」


「多分売れる。300キロ位置いていくから売ってくれ。20%はザンバードで取って良いから。」


「わかった。肉もう良か?」


「ああ、大丈夫だ。次これだ。」とリールは後の3枚の肉を渡す。


「よし、やるか!」とグランは気合いを入れ肉を焼き始める。



 時刻午前7時。


 父と息子が一緒に料理を完成させた。




 リビングのテーブルで家族4人朝食をとる。


「今日は俺が肉をつくったんだ!」とグランは嬉しそうに話している。


 肉はグランが焼いて、リールがソースを作ってかけた肉だ。スープとパン、サラダもある。


「うん、美味しい」と母ルースとルカは食べている。



「確かに旨いな。魔力が回復している。気がする。」とリールは思いながら食べてた。



 時刻午前8時。


 商店ザンバード開店。営業時間午前8時〜午後7時。



「行ってきます。」とリールは出かける。冒険者ギルドへ向かっている。




 冒険者ギルド


「おはようございます。」


「おはようございます。どうしました。」と受付嬢に聞かれる。


「ギルドマスターいますか?」と言うと後ろから声をかけられた。


「おう!おはよう!朝早くからどうした?」


「おはようございます。家のザンバードでオーガの肉を売るんですが大丈夫ですか?」


「オーガの肉を売ってるのか!いくらで!」


「1キロ銀貨1枚で。」


「アホか!銀貨10枚に上げろ!街にきた商人に全部買われるぞ!」とギルドマスターは声を高くする。


「お前わかってないだろ。オーガの肉なら王都ならキロ銀貨20枚で売れるんだ。しかも1ヶ月くらいは、魔力が宿ってるから腐りにくいぞ。」


「そうですか。直ぐに戻ります。」


「おう!もし余裕あったらオーガの肉売ってくれ。」とギルドマスターに言わながらリールは家に帰る。



 商店ザンバード前


「すいません、この肉ってどのくらいありますか?」


「はい、残り300キロ位ですね。」とルカは答える


「300キロ!全部買うので少し安くなりませんか?」


「全部ですか?そうですね。おとーさーん」とグランを呼ぶ。



「はいそうですね。全部買って頂けるなら・・」


「ごめんごめん、金額間違えたみたいだ。銀貨10枚だよお父さん!」とリールは店の前からグランへ話しかける。


「え?でも朝・・」


「だよね!私もおかしいと思ったんだ!オーガの肉が銀貨1枚何て!すみません。こちらキロ銀貨10枚になります」とルカは笑顔で伝える。


「そうですか。ところでどこから肉を仕入れてきたのですか?」


「はい、私が昨日討伐してきました。冒険者ギルドに確認してください。」


「そうですか。まだ新鮮そうなので、50キロお願いします。」と500銀貨を渡す。大銀貨5枚。


「ありがとうございます。」とルカは受け取っている。


 グランはオロオロしている。


「ありがとうございます。初の売上なので。おまけに5キロ増やして上げて。」とリールはルカへ伝える。


「はい、オーガの肉55キロです!」と商人にルカは小分けにして笑顔で渡す。商人は受けとると帰って行った。


「ありがとうございました!」



「それでどう言う事?」とルカは聞いてくる。ギルドマスターに聞いた事を伝えると。


「なるほど。知らなかったわ。」とルカとグランは話す。


「だから、銀貨10枚でよろしく。多分商人しか買わないだろうから。」


「わかったわ。20%も家に入るんだから!頑張る!」とルカは気合いを入れる。


「これだけで銀貨600枚の収入か。気合いが入るな。」とグランは思う。


「それじゃ、俺はいくから。」とリールは薬屋へと向かっていく。


 ルカは手を振って見送ってくれた。





「それでお父さん?」


「なんだ?ルカ?」


「私のおかげで高く売れたと思わない?」


「そうだな。ありがとう。」


「お小遣い。2%でいいよ!」


「2%!うーんまぁ良いか。リールのおかげだから。」


「やった!もっと高く売っちゃおう!」


「おいおい。」とグランは呆れるが、商人としては正しいのだ。


「オーガの肉1キロ銀貨13枚です!5キロなら銀貨60枚ですよ!」とルカは笑顔で商人達に売りこんだ。


 今日1日でオーガの肉合計326キロが銀貨3753枚へと変わった。リール収入銀貨3000枚。ルカ銀貨140枚。家に613枚。ザンバードの過去最高売上額を達成した。



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