第27話 謎の横穴?

 午前10時20分。


 11人、3パーティーは、森の奥の洞窟へ向かう。


 お昼前に洞窟近くで食べる!と目標をリールが伝え洞窟へと向かっていた。


 斥候の女性2人が先行している。


「どうしたい?」とパーティーリーダー2人に聞く。


「ホブゴブリンを倒したい」


「少しは稼ぎたい。」


「そうか。ホブゴブリン1匹なら倒せるか?」


「大丈夫」と2人は答える。


 薬草はリール達が採取しているので、ほとんど残っていない。


「稼ぐならホブゴブリンだな。洞窟近くに行けば大量にまだいるだろう。それまでは怪我しない様に行こう。」


「ウルフが近くにきます。」と周囲を探る魔法を使っていた斥候の女性が声をあげ後方に下がってきた。


 4匹のウルフが牙を向く。


「パーティーで1匹倒してくれ。俺たちは2匹いく。」


「「はい」」と2パーティーは離れ1匹相手にしている。


「リール君。あなたは余り魔法を使わないでね。目立つから。」とユキに注意される。


「いくよー!」とユリカは2本の矢を放つ。ウルフは絶命した。


「終わったよ!」とユリカは笑顔だ。


「凄いな。この辺は、任せるよ。」


「うん!」



「もうすぐだな。」と2パーティーを見る。


「終わりました!」とリーダー2人に報告される。


 他のパーティーメンバーは、ウルフをマジックバックにいれている。マジックバックは、高級品の為ユキが作って貸している。



 リール達は歩いて進む。


 ゴブリンやウルフにあうが、問題なく倒している。



「変な山を発見しました。」と斥候の女性が慌ている。



 目の前に横穴が氷で塞がれた山あった。


「ああ、ここか。」とリールは言う。


「これは俺の魔法で、凍らせたゴブリンの巣だ!この先にもあるから気にしないでくれ!」


 Eランクの冒険者達は不安そうに見ている。


「出来るかな。」とリールは横穴の氷に右手を当てて魔力を込める。


「バキバキバキバキバキバキ」と山が音を鳴らす。


 リールはそのまま、後ろに下がると右手に氷の壁が出来ている。

 

「バキバキバキバキバキバキバキバキ」


「おい!見ろ!」とダンは声をあげる。


 氷付けのゴブリンの壁が目の前に出てきた。


「リール君。何したの?」とユキが聞く。


「いや、道が凍っているのを集めて出しただけだよ?」


「いやいや、そんな事普通出来ないから」と呆れている。魔法使いの女性は口を開けてみている。


「アイスクラッシュ」とリールは唱えると氷の壁は砕け。氷が無くなった。


「うお!」「きゃ!」と驚いている。



「やっぱりゴブリンも砕けるか」とリールは残念そうに見ている。


「右耳が残っていたら取っていいぞ。討伐報酬は3等分にするぞ!」とリールは伝えると、みんな集めだす。


「凄い!」

「50匹はいるぞ」

「うわ、ホブゴブリンまでいる。」

「今日は大量だ!」



 ゴブリンの死体を集めて、リールは燃やしている。


「終わりました!」と元気よくダンに報告される。


「次の横穴にいくか。」と斥候の女性の隣にリールは行き、案内をしていく。


 合計6個の凍っていた横穴をまわり、ゴブリン合計300匹以上収穫している。



 午後1時。


 洞窟手前の横穴。


「そろそろお昼を食べよう!」とリールは伝える、周囲を土魔法を使い壁を作る。


「これで安心だな。好きに休憩してくれ。上からの攻撃には、注意しろよ!」


「「はい」」とリーダー2人が返事する。



「それじゃ、食べるか」


「うん!」「はい。」とユリカとユキは鉄製の弁当とスープを受け取り食べていく。

 

 オーガの肉と野菜のサンドイッチ。オーガ肉と野菜のスープ。あと回復ポーション。


「美味しい!」とユリカは声を上げる。


「本当ね。肉が違うわね。」


「ああ、今日はオーガの肉を使っているからな。」


「んん!」ユキがスープでむせている。


「大丈夫か?」


「いや、何普通に高級肉出してるの!記念日くらいしか、オーガの肉なんて食べれ無いわよ!」


「美味しい!」とユリカは食べている。


「まぁ、良いじゃないか。美味しいんだから。」



「すみません。」と魔法使いのリーダースーズと魔法使いのリタが声を掛けてくる。


「あんな凄い魔法が使えるなんて凄いです!」

「どうやったらできますか?」とリールに聞いている。


 うん。可愛い。純粋な目は綺麗だな。自然と顔も笑顔に「って痛!」


 リールは、横からユリカに横腹を殴られる。


「私がリール君の師匠なのよ。王都の学校で学んできたの。ほら冒険者ギルドで銀貨5枚で魔法教えてる。」とユキは説明する。


「痛いだろ!ユリカ!」


「私も痛い!」とユリカが肩に寄りかかってくる。


「いや怪我してないだろ?」


「心が痛い!」


「何だそれは。」とリールは笑う。



「すみません。俺たちも弓ってできますか?」とユリカに戦士男性2人が聞いてくる。


「へ?どうだろう?」


「少し向こうで、教えてもらえませんか?」


「え?いや別に。」


「お前達なら大丈夫だ。闘い方が戦士の行動だ、弓何て必要ない!」とリールは声を上げる。


「ほれお前達!弁当渡すから、そんな不味そうにしょっぱい干し肉なんて食うな!」とオーガ肉のサンドイッチの弁当を2つのパーティーへ渡す。多めに作ってきたのだ。


 男性2人はパーティーへ戻る。


 2つのパーティーは、サンドイッチを食べて美味しい!と騒ぎだす。



「どうしたの?」とユリカは笑顔で話出す。


「いや別に。」


「痛かった?」


「少しな。」


「ふふん♪」とユリカは肩に寄りかかっている。



 リールとユリカをユキは、苦い顔で見ている。


「大変ですね。」とスーズは言う。


「慰めないでね!惨めになる!」とユキは力いっぱい込めて言う。眼に涙をためながら。



 そんな休憩時間が過ぎていく。






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