第15話 山の上でお昼ご飯
3人は持って来たお昼ご飯を出している。
リールは、バッグの中に入れていた。リールの手の拳4つほどの正方形の鉄の入れ物2つと、高さ30㎝ほどの鉄の水筒を2つ出して、ユリカに1つづつ渡し、同じものを開ける。昨日肉屋で買った肉を挟んだパンと、今朝作って来た野菜スープを食べようとする。
「ごくり」とユキの喉がなる。
「どうしたんだ?」とリールは不思議そうに見ている。
「いやいや、冒険者と言ったらギルドで売ってる、しょっぱい干し肉と硬い乾パンじゃないの?」と自分が持って来た昼食を広げている。
「いや、あんまり美味しく無いでしょ?せっかくなら好きなの食べたいでしょ?」と冒険者成り立ての頃をリールは思い出す。
「これ美味しいよ!」と無邪気にユリカは言っている。ユリカは街の外で仕事をしていないため冒険者ギルドの食事を買ったことがない。
「ふん!良いわよ。」とユキは、しょっぱい顔で顎に力を入れて干し肉を噛んでいる。
「これあげる!良いでしょ?」とユリカは言いながら肉の挟んだパンを2つ渡す。ユリカのだから好きにしなさいと思い、リールは頷く。
「良いの?」とユキは笑顔で受け取りパンを食べ始める。
「美味しい!」と笑顔で食べる2人を見て、朝から作って良かったと思うリールであった。
「あとリール君に合わせたら、この量は多いわよ?」とユキに言われた。確かに。気付かなかった。
お昼を食べ終え、洞窟の方に向かって歩く。薬草を採取しながら、歩いているとゴブリンやウルフを見つけるので討伐しながら進む。
街道から1時間ほどの森の中。リール達の前にホブゴブリンを発見する。
「やっぱりいるのか。ホブゴブリンは150銅貨だよね?」とリールは言う。
「うん、そうだよ。」Eランクのユリカ一人では厳しい相手だろう。目の前には3匹のホブゴブリンが30メートル先に見えている。
「どうするの?」とユキが聞いてくるが、リールは、ユリカの氷の矢がどれだけ通用するか、知りたかった。
「あれを倒して最後にしよう。」と言いユリカにお願いする。
ユリカは氷の矢と普通の先が鉄の木の矢を放つ。
どちらもホブゴブリンの額の真ん中に当たる。普通の矢を受けたホブゴブリンは額の骨を貫通出来ずに血を流して立っている。氷の矢はユリカ自身が作っているため矢自体の貫通力も高いため、額の骨も貫通している。
「氷の矢の方が強くなって来たね!もっと魔力があれば、良かったけどまだ成長するから!」とユリカは話す。
2匹のホブゴブリンと回りにいる普通のゴブリン5匹が3人を発見し叫びながら走ってくる。
「俺がやってもいいか?」とリールが言うと2人は頷く。
目の前8メートル程にゴブリン達が近づいてきた。
「これが出来たら楽なんだけどな、アイス」と呟き魔力を放つ。
目の前に氷の魔法を放つ。魔法はリールの膝程の高さで目の前に横10メートルの幅で凍りながらで進んで行く。そのままゴブリンに当たると、ゴブリン達はリールの膝くらいから下が凍りついた。
「おお、成功した」とリールは喜ぶが、ユキは驚いている。
凍って身動きが取れないゴブリンは、叫びながら持っていた、武器を投げてくる。リールはよく届くなぁ、と感心しながら、短剣や、ロングソード、木の棒、石などをキャッチする。
氷の上を歩き近づく。
そして何も出来ずに叫んでいる、ゴブリン達の前二メートルほど前で、人差し指を出し風の魔力を3メートルほど出して、切れるイメージでゴブリンを真ん中から下に指を下げる。
指を下げるとゴブリンが真ん中から裂けていく。
それを残りのゴブリン達にも使う。
「終わったよ」と2人に近づくと、ユリカには褒められ、ユキには呆れられた。
討伐部位を回収しようとすると、氷の壁の先からゴブリン達が大量に出て来ていた。
「うわ、面倒だけど魔力も有るから行ってくる。後ろからきたらよろしく」言い目の前のゴブリン達へ向かう。
火の魔法は森が燃えるから、風の魔法でいっか。と両手の人差し指を出し風の魔力を込める。
すると、各人差し指から1本の切れる棒の完成だ。
それを長さ10メートルほど伸ばし、左右に振る。そうすると周りの木が横に切れていく。
倒したゴブリンの叫びを聞いて新たなゴブリン達へは、リールを発見すると走って近づいてきた。
それを2本の指から出た、風の魔法が当たるとゴブリン達は次々と身体が上下に別れていく。
「これは楽だ。しかも大量に倒せる。」と思いユリカとユキの後ろを見るも、後ろからゴブリンがくる気配も無い。他の魔物も居なそうだな。
2分ほどすると、前からゴブリンが見えなくなったので、2人の元に戻る。2人に怪我もなさそうだ。
終わったので、全てのゴブリンの討伐部位の右耳を回収していく。見ていると上下に別れたゴブリンは絶命していたが、ホブゴブリンはまだ生きていた。リールは上部を縦に更に切ると絶命したみたいだ。
「楽だけど改善点もあるなぁ」と思いゴブリンの討伐VSを集めて、残骸を全て燃やしていく。
「リール君、多分この先にもゴブリンの巣があるけどどうする?」とユキは聞いてくる。
「いや、今日はこの辺で終わりにしよう。少し疲れたから後は道を覚えて薬草でも取りながら帰ろう」と2人に伝える。
マジックバッグの中にはホブゴブリンとゴブリンの耳が大量に入っている。ウルフや薬草等も入っているため、良い稼ぎになった。
「この氷って溶かせ無いのか?」とユキに聞くが「私には無理よ。もっと手加減を覚えなさい」と言われる。
そして3人は街へ戻っていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます