第13話 パーティー初冒険

 冒険者ギルドの受付で、3人はユキをパーティー登録を済ませた。


 「明日はここに午前10時に集合で」と3人は約束する。


 もう夕方になり、3人は各々家に帰る。


「ただいま」とリールは家に入る。


「お帰りなさい!」と妹のルカは話し掛けてくる。


「ああ、もうご飯なのか?」


「そうだよ。もうすぐ出来るよ!」


 リールは、2階の自室で部屋着に着替え1階のリビングへ向かう。


 昼間買った肉と、野菜とパンだ。家族と何気ない会話をし、食事をする。パーティーを組んだこと、パーティー名をザンバードにしたことを言うと、両親に頑張ってと言われた。


 食事も終わり、今日は早めに就寝する。


「魔力使うと疲れるな」と思いながら寝た。





 朝になり、朝食を食べ、冒険者ギルドに向かう。


 時刻は10時。大体の冒険者は仕事を見つけてあまりいない。


「おはよう!」とユリカは話し掛けてくる。


「ああ、おはよう。」弓を持って来たか。


「おはよう、リール君。初パーティーでの仕事だから気合いを入れてきたよ!」とユキは気合いを入れている。


「いや、最初だからはっきり言っておく。このパーティーの目標は楽して稼ぐのを目標に活動していく。20%くらいの力で80点以上取る感じでいこうと思う。」とリールは宣言する。


「それって実力があれば、良いけど普通の人は難しいでしょ?リール君死にかけた事無いでしょ?」


「ああ、ホブゴブリン10匹くらいなら一人で倒しているけど?」とリールは話す。


「それも余裕で倒してそうね。まぁ、今日は様子見でいくのよね。」


「ああ、パーティーが初めてだから連携を見たいな。役割をまず確認しよう。」


「俺が前衛でとにかく戦う。」とリール。


「私が後衛で弓を武器で狙う。魔法は余り多くは出来ないからピンチになったら使う。」とユリカ。


「そして私も後衛で、リール君の手が足りない敵や、ユリカちゃんを守りながら戦う。これであってる?」とユキ。


「ああ、そんな感じで行くが、1つ。後ろからの奇襲だけが問題なんだがどうすれば良い?」


 並びはリール、ユリカ、ユキと縦に並ぶと、ユキの後ろから攻撃が来ると難しい。


「私は体力が無いから、肉弾戦は無理よ。ゴブリンくらいなら良いけど、ホブゴブリンはキツイわね。それより、あなた達、魔道具持ってないの?」


「持ってるか?」とユリカに聞くも首を横に振る。


「魔道具を知らないで冒険者してたの?それなら私が持っている魔道具で使えそうな物を、説明しながら森にいきましょ」とユキは二人に話す。


 

 3人は話しながら門を出て森に入っていく。


「うわあ、初めて森に来た」と嬉しそうにユリカは、話している。

 心配そうにユキは見ている。

 一人真剣に周囲に気を付けて、気配を消しているリールを見て、ユキは笑った。


「リール君いつもそうやって森に入っているの?」


「ああ、森は危険だからな。」


「多分あなたは大丈夫よ。私たちがいるから少しは頑張って貰った方が良いけど、それはやり過ぎよ。疲れない?」


「冒険者成り立ての頃は、疲れたがもう慣れた。」


「だからあんなステータスになったのね。いっそこの森を走り回って来たら?速さ上がるかもよ?」


「いや、手堅く行くのに無駄なリスクはいらない」とリールは変わらず周囲を注意して歩いていく。


 森に入りリールが昨日見つけたゴブリンのいた横穴へ向かう。


 向かう途中昨日倒した右腕のないゴブリンの死体あった。近くに死肉を求めて3匹のウルフがいた。


「あれで90銅貨か。ユリカの弓で狙ってみてくれ。襲ってきたら俺がやるから。」とユリカにお願いする。


「任せて!1匹は仕留めるから!」と1メートルほどの弓を構える。


「リール君他の2匹がきたら盾に風の魔法をトゲの様にしてみて。直前で発動する感じで。」とユキがアドバイスをくれる。


「それじゃ、行くよー」とユリカが1本の矢を放つ。

 見事1匹のウルフの頭に刺さり絶命する。気が付いた他のウルフがこちらに『ワオーン』と叫びながら向かってくる。


 リールが一人、前に出て盾を構え迎え撃つ。ヨダレを滴ながら噛みつこうと、リールへ向かうが、盾でガードする瞬間風の魔法を使う。


 前腕ほどしか盾が無いため、一匹は盾で防いだが、同時にもう一匹は横から噛みつこうと向かっている。


「どうしよう。腹から出すか」とリールの横腹に噛みつこうとしたウルフへ、腹からトゲ状態の風の魔法を放つ。


「出来たな、盾じゃ無くても良さそうだな。」とリール2人に話掛ける。ユリカの弓も褒めてやる。


「すごいでしょ!」と嬉しそうにユリカは言う。


「そうだね。ユリカちゃんも凄いね。負けてられないね」とユキは話す。


「それじゃ、ウルフは鼻を切って行こうか。」とリールが言うとユキが止めた。


「ちょっと、マジックバックも無いの?」と言う。


「マジックバッグ?無いな。いつものこのバッグに入れて持ち帰っている。毛皮の素材は、帰りに持てたら持って帰る位だな。」


「いやいや、勿体ないでしょ。そのバッグって素材なに?」


「確か、ストーンスネーク」


「ちょっと貸して、Bランクの素材だからそれなりに大きな容量で作れるよ。」とユキは言う。


 中を見ると鉄の箱と、もう3種類のバッグが見つかる。受け取ったのが80㎝×50㎝。中に30㎝×30㎝のバッグが3つ入っていた。全てストーンスネークの皮で作ったバッグだ。


「ずいぶん入っているもんだ。高かったでしょ?」


「いや自分で倒した。必要な所以外は街にきた商人に売って、残った皮でお釣が銀貨50枚になったから、美味しい仕事だったよ。」と嬉しそうにリールは話すがユキは呆れている。


「肉はどうしたの?」


「さぁ?捨ててくれたんじゃないの?」と言うリール。


「今は知らない方が良いわね」とユキが心の中思うとウルフが4匹近いてきた。


「リール君いつもは、どうやって倒していたか見せてくれる?私はこの3つをマジックバッグにするから。」


「分かった」とリールはウルフの正面に出て近づく。


 ロングソードを抜いて、噛みつこうとする一匹のウルフをロングソードの横で頭を縦に殴りつける。更に3匹のウルフの内一匹を殴りつけて他のウルフの攻撃を盾で防ぐ。防げない攻撃は、身体に力を入れて弾く。魔法は使わない。


 防いでは、殴りを繰り返し4匹を倒した。


「身体大丈夫?一撃で倒せるんだね!凄いね!」とユリカは言う。


「もう終わったの?速いね。まだ1つしか出来ていないよ。」ユキはリールが無意識に身体強化の魔法を使ったているのに気付いた。


「それでこれはどうやって使うの?」とユリカは興味津々に聞いている。


「討伐部位だけで無く、生物意外は容量一杯にならない限り入れる事が出来から、早くウルフを入れてみて」と倒したウルフの死体7匹をマジックバッグに入れる。


「この場所から離れよう。」とリール達は森を進む。



 周囲に気配も無いため、マジックバッグの説明を聞く。生物意外は3メートル×3メートル×3メートルほどの部屋をイメージした容量が入る。


「一回試したい事があるけど良い?」とユキはリールに言う。リールは頷く。

「じゃあ帰ってからよろしくね。」とユキは言う。残りのバッグは帰ってから作るらしい。



 3人は薬草を採取しながら、横穴に向かう。



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