ゴブリンの洞窟
第2話 冒険者ギルド
家から徒歩10分ほどの距離に、俺の職場冒険者ギルドがある。
この街アストロにある冒険ギルドは、王都から離れているが安定して仕事がある方だろう。
大きな両開きの木製のドアは、開かれ30人程の冒険者達が中の掲示板に張り出されている仕事を探している。
リールは基本一人で仕事をしているため、無茶な仕事もしないので仕事も限られている。
街の外には魔物と呼ばれる怪物達が住んでおり、生きるため害のある魔物は討伐しないといけないのだ。
仕事は、魔物の討伐から傷薬の材料集め、武器の素材収集、家の手伝いなど、様々な仕事が張り出されている。
危険度が高ければ高いほど、報酬額は上がるがそれだけ危険なのだ。
「10日ぶりの仕事だし楽なのからいくか。」
冒険者にはランクがあり、Sランクが最高とされ、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランク、最下位のFランクと下がっていく。
リールはDランクの為まだやっと一人前に認められる程度のランクだ。
「おや?珍しい人がいたよ」
親しげに話掛ける女性ユリカは、家の近所に住む18歳のEランクの金髪女性。笑顔が似合う、穏やかな女性だ。
「ああ、久しぶり?でもないか。ここでは久しぶりだろうけど。」
「そろそろ働く時期なの?」
「そろそろ魔物も増えてきたって、うちの店にくる人が言っていたからね。」
冒険者の仕事をしていない時は、たまに店の手伝いをして街の外からきた商人達に聞いていたのだ。
「森の中にゴブリンが増えて、街道まで出てくることがあるらしい。商人達が危険だと店が困るからね。」
「そうね。森の奥に巣が出来ていてもおかしくはないと思うけど、他の冒険者達も討伐してるでしょ?」
「そうだけど、ランクの高い人はゴブリン狙わないでしょ?上位種のゴブリンがいたら稼げると思うから、働こうと思ってね。」
「確かに稼げるけど勝てるの?一人だとキツイでしょ?」
ゴブリン1体で討伐報酬50銅貨。上位種のゴブリンになると1体銀貨1枚ほどになる。
「そうだね、巣の規模が分ったら考るけど、まだ様子見を数日しようかな。」
「そう。何かあったら手伝ってあげるからね!」と笑顔で話す。
「ああ、その時は頼むよ。」
なんだゴブリン退治が好きなのか?
それともユリカも目を付けていたのか?などと考えながらユリカと別れた。
一先ずゴブリン討伐でも行くか。
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