第26話 クエスト達成報告


翠は、水属性上級魔法のウォータースプラッシュでソイルルーパーを討伐したことで、ドロップしたアイテムを回収していた。ドロップアイテムはソイルルーパーの肉(A)×20個、

ソイルルーパーの爪(B)×6個、ソイルルーパーの皮(A)×1個を獲得した


ソイルルーパーがドロップしたアイテムを回収し終えた翠は、グリーンスライムの塊を獲得するクエストの達成報告と共にソイルルーパー討伐報告をするために冒険者協会へと向かっていた


冒険者協会へ到着した翠は、クエスト達成報告をするために、マリナがいるカウンターへと行く


マリナ「翠さん。随分早いお戻りですね!何か問題でもありましたか?」


マリナがこう考えるのも無理はなく、いくら簡単とはいえ、通常はグリーンスライムを探すのにも、ある程度の時間がかかかる。そのため討伐して往復するだけでも2時間程度は掛かってしまうのだが、翠は1時間近くで冒険者協会へと戻ってきたため、何かあったのかと尋ねられたのである


翠「クエスト達成したので、報告しに来ました!」


マリナ「え!?もうですか!?」


半信半疑であったマリナの前に、クエスト内容であったグリーンスライムの塊5個を差し出すと、驚いた表情を浮かべながらもクエストクリアと認定され、グリーンスライムの塊5個のクリア報酬である銅貨5枚を受け取る。本来であれば、ここで今日の活動を終えるか、次に受けるクエストを下見、受注の作業を行うが、翠は例の討伐したことをマリナへと伝える


翠「あと、これも討伐したんですけど」


そう言ってソイルルーパーの肉、ソイルルーパーの爪、ソイルルーパーの皮を差し出す


マリナ「はい!…えっとこれは…まさかソイルルーパーの素材ですか!?」


翠「え…あ、そうです」


マリナの思ったより大きい声に驚く。いつものように賑やかであった冒険者協会が、マリナの驚いた声によって一瞬で静まり返り、冒険者達が続々と翠とマリナの元へと集まってきた


マリナ「ソイルルーパーはAランクモンスターですよ!!!これを討伐したって言うんですか!?」


Aランクモンスターは、Aランク冒険者かBランク冒険者パーティーで討伐に当たるモンスターであり、Fランクのましてや今日初めてクエストを行う新人が倒してくるなど信じられる訳もなかった。だが、目の前にあるのは正真正銘のソイルルーパーの素材であるため、マリナは判断に悩んでいた。冒険者の中には早くランクを上げるために、実力以上の討伐をしたということで、格上のランクのモンスター素材を持ってくることがある。だが、それは商店街や何処かで購入してきて、討伐をしたと嘘の申告などを行っていたのである。ただ今回はそれとは事情が異なっており、ソイルルーパーの素材が市場に出回っていればの話であり、ソイルルーパーの素材は希少であるため、購入してきたということは考えづらかった


???「なんだ騒がしいぞ!!そんなに集まって何事だ!」


カウンターの向こう側から扉を開いた。そこから現れたのは冒険者協会のトップである、モーガンという男であった。モーガンは元Aランク冒険者であり、屈強な体と傷だらけの顔をした人物であった


モーガン「何かあったのか?」


マリナ「実は…」


マリナは事情を知らないモーガンに一から事の顛末を話し出した


         第26話終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る