第19話 レベルアップの成果と進展
部屋に戻った翠は、異世界に来て初めて自分のスキルを調べることにした
翠「じゃあ早速、僕のステータス知りたいんだけど、どうすればいいの?」
ピー「頭の中でステータスオープンと唱えるだけで大丈夫です」
翠「それだけでいいの?」
ピー「はい。ですがその前にレベルアップを行う必要があります」
翠「レベルアップ?」
盗賊を倒したことで、その分の経験値が翠に譲渡され、レベルアップが行われる予定はずだった。本来はその場で行われるレベルアップだったが、翠の取得経験値が多すぎるため、ピーによってレベルアップが制限されていた。途中でスキルが進化していたのは、ピーの判断により特定のスキルのみ発芽させたり、レベル上限の開放を行っていたからである
翠「裏でそんなことしてたのね…ちょっとくらい相談してくれても良かったのでは…」
ピー「何やら忙しそうだったので。では、今から全てのレベルアップを行いたいのですが、準備は宜しいですか?」
翠「うん。じゃあお願いしていい?」
何故レベルアップを制限していたのかという疑問を持った翠だったが、今からレベルアップを行うため、まぁ別にいいかと気にしなくなっていた。それが間違いだったことに気づくのはレベルアップが始まってからすぐのことであった
了解ですマスター。世界の理にアクセス権限を要求…許可されました。今からレベルアップを開始します
ん?あ……れっ………
レベルアップを待っていた翠だったが、いきなり意識が遠退いていく感覚を感じていた。なんとか踏ん張ろうと考えていたが、耐えきれずそのまま意識を手放してしまう
おやすみなさい。マスター
翠が意識を手放した後翠の中では凄まじい変化が行われていた。称号、盗賊の頭を倒したことにより得た経験値からレベルアップを開始します。レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、熱耐性獲得、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、家事スキル獲得、続いてレベル進化によりレベルMAX、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、レベルアップ、鑑定を超鑑定に進化、隠蔽を超隠蔽に進化、レベルアップ、レベルアップ……………べ…………レ……………ル………………ボックスをハイボックスへ進化………………………………レ……………レ……ア………………ベ……レ………………レ………………レ……………レ…………レ……プ………………レ………………ル…………レ………ッ………………暗視獲得…………………………レ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………初期レベルアップ超促進の効果が切れました…………………レベルアップ及びステータスの上昇・スキルレベル・スキルランクの上限を開放、スキルの獲得を終了します
意識を手放した翠の中で行われていた凄まじい変化が、ピーの処理によって終了する。意識を手放していた翠はレベルアップの反動から目覚めたのは翌朝だった
んっ…
お目覚めですか?マスター
うん。おはようピー
ピーに目覚めの挨拶をして、ベットから起き上がろうとすると身体に激痛が走る
翠「痛っ!!!!!!!!!!めっちゃ身体痛いんだけど!!どういうことピー?」
ピー「マスターの体には凄まじい変化が行われたため、その反動が体に来ているのだと思います」
実際、盗賊頭はかなりの経験値を蓄えており、また盗賊44人分の経験値も含まれるため、単純計算で45人分、それが取得経験値100倍、必要経験値を100分の1になっていることで、一夜にして、数年分の経験値がまとめて翠の身体に流れ込んできたため、身体が追いつかなくなっているのは当然の結果であった。そのため、それを予期したピーが事前にレベルアップを阻止していたのである
そんなに変化があったのか…あ!だからピーはレベルアップを抑えていたのか!
はい
流石ピーちゃんだね
ふっ
なんかムカつくけどまぁいいか。それより全身筋肉痛で動けない…そう言えばステータス確認したいんだけど、ステータスオープンって唱えればいいんだっけ?
はい。それで確認できるはずです
わかった
翠「ステータスオープン」
異世界で初めて見る自分のステータスに期待を膨らませながらステータスオープンと唱える
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【ステータス】
名前 聖神翠 レベル125
攻撃力 300000
防御力 150000
俊敏 200000
魔力 2000000
運 500000
知力 150000
【称号】
超越人・母親思い・不運な者・創造神の加護を受けし者・魔法神の加護を受けし者・リゼート王国第二王女の婚約者・リゼート王国名誉子爵
【スキル】
ナビゲーション(SS)レベルMAX
ハイボックス(A)レベル10
超鑑定(A)レベル10
超隠蔽(A)レベル10
経験値増加100倍(S)
必要経験値100分の1(S)
四属性魔法(A)レベル10
全言語習得(A)レベルMAX
思念通話(C)レベルMAX
防御力増加(C)レベル10
攻撃力増加(C)レベル10
思考加速(B)レベル10
魔力超増強(B)レベル10
送還(S)レベルMAX
母親思い(A)レベルMAX
家事スキル(F)レベル10
不運な者(E)レベルMAX
再生(A)レベル5
物理攻撃耐性(B)レベル10
魔法攻撃耐性(B)レベル10
聖属性耐性(B)レベル10
魔属性耐性(B)レベル10
肉体強化(C)レベル10
精神強化(C)レベル10
熱耐性(C)レベル10
毒耐性(C)レベル10
暗視(D)レベル10
遠視(D)レベル10
超加速(A)レベル10
身体能力超向上(B)レベル10
超鉄壁(B)レベル10
剣技(C)レベル10
弓技(C)レベル10
大剣技(C)レベル10
魔法技(C)レベル10
斧技(C)レベル10
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……………え?これってどうなの?取得経験値100倍とか必要経験値100分の1とかやばいよね?他にもやばいスキル大量にあるじゃん…ピーさん。この世界の平均ってどれぐらいなの?
この世界の住人の平均ステータスを見ますか?
お願い
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【ステータス】
この世界の住人A レベル2
攻撃力 15
防御力 20
俊敏 10
魔力 5
運 10
知力 15
【称号】
村人
スキル
畑作業(F)レベル2
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………………低すぎない?
マスターが異常なだけです
実際、この世界ではスキルを持っているのは珍しい部類に含まれる。基本的にこの世界の住人はスキルを所持していなく、仮に持っていたとしても、あまり使えないスキルだったり、そもそもスキルが1つもないという人がざらにいる世界であった。優秀なスキルを所持しているだけで、王国や貴族から声がかかることも多く、将来は安泰というのが常識であった。例を挙げると、ボックスのスキルを持っていれば商人になり、安全に物を運ぶことが出来るため、商人にとってはボックスのスキル持ちは重宝される。他にも魔法が使えるのであれば魔法学校に行き、国のお抱えの魔法騎士団に入ったりする。その結果、現在のこの世界でスキルを使える人材は全体の4割に収まっているというのが、この世界の現状である
そうなんだ…そういえばイヴァンとかミーナ、レイ、カリンはスキルを持ってたよね?
はい。あれは生まれた種族別によって現れるスキルです
そんなのがあるんだ。種族別によって現れるスキルと普通のスキルって何が違うの?
通常のスキルよりも強化されたスキルが多く、威力にも違いが出ます。殆どは種族にしか現れない限定スキルで、そのスキル目当てに仲間にする冒険者たちもいるようです
そうなんだ。じゃあもしかしてイヴァンたちって結構強い?
はい。この世界だと鍛えれば、それなりの上位クラスに入れる器をもっていますね
マジか…生まれながらにして凄いのかよ…まぁ明日イヴァンたちにスキルのことでも聞くか。今日はもう眠いから寝ようかな
おやすみピー
何を言っているんですか?マスター
…え?…なにって
もう朝ですよ
………え?
長い1日が終わり、早くも新しい1日が始まったのである。翠は全身痺れながら時間をかけて、使用人達が買ってきてくれた新しい服に着替え、食堂へと向かった。するとそこには家事担当の執事やメイドたちが待機していた
カレン「おはようございます翠様」
翠「おはようカレン早いね」
そこには着替えを済ませ、朝ご飯の配膳や調理を行っているカレンの姿があった
カレン「只今朝食の準備をしている途中ですので、少々お待ち頂いても宜しいですか?」
翠「ごめん。邪魔したね」
カレン「いえ、まったくそんなことはないのですけど…翠様をお連れするのはお食事が出来てから、とカレアにお願いしたのですが…」
翠「ん?カレアに?」
カレン「はい」
翠「今日はカレアとは会ってないよ?」
カレン「え?」
翠「今日は自分で起きて、そのまま着替えて食堂に来たけど?」
カレン「…すみません翠様。昨日誰が翠様の身支度をするかという話になりまして、そこでカレアが行きたいと言うので任せたのですが…」
初めての大役を誰がするかということで、皆自分がやりたいと立候補した。そのため代表的な選出方法としてじゃんけんを用いた結果、カレアが勝利したため、翠の身支度係はカレアになったのだが…
カレン「はぁ…」
翠「なんかごめんね」
カレン「なんで翠様が謝るんですか!後でカレアにはカレナに怒って貰って、ご飯無しにしてもらいます!」
…カレンさんも怖い。この世界の女性は気が強い人が多くないかい
カレン「ですので、申し訳ないのですが、もうしばらくお食事の準備に時間が掛かりそうなので、お部屋に戻ってお待ち頂いてもよろしいでしょうか?」
翠「うん。そうする。朝食楽しみにしてる」
カレン「はい!」
翠「あ、あと朝食の準備僕のだけじゃないからね」
カレン「?」
翠「皆の分も作っておいてね」
カレン「はい。それは翠様が食べ終わったあと各自で…」
翠「そうじゃなくて、せっかく机が広いんだから皆で食べようよ!」
カレン「ですが、そうすると時間が…それに使用人が主と食事をするなど…」
翠「別に時間は遅れてもいいから。あとちゃんと僕と同じものだからね?」
カレン「…わかりました。」
翠「ちゃんとみんなを呼ぶんだよ?あ、でも来たくない人は無理に来させなくていいからね」
カレン「畏まりました」
翠「じゃあ楽しみにしてるね」
翠は使用人達に皆で食事をするからその分遅れても構わないと言い残し、自分の部屋に戻っていった。その道中、翠は部屋に戻りながら、奴隷の感覚が抜けないのかな、などと考えていた
そのころカレアは…
カレア「すぴ〜むにゃむにゃ…すぴ〜むにゃむにゃイチリがいっぱい〜むにゃむにゃ」
カレナ「起きなさいカレア!!!!!!!!!!!!!!!!」
カレアはカレナに大声を出されたことによって飛び起きる
カレア「うわぁ!!!!!!!!!!!!!びっくりした〜!もうなに!?」
いきなり大声で怒鳴られたカレアは不機嫌に起こした理由をカレナに問う
カレナ「何じゃないわよ!このバカ!今何時だと思ってるの!!!」
カレア「え?」
カレナ「今は7時よ!」
カレア「え?7時?」
カレナ「昨日翠様を起こしに行きたいってあんたが言ったんでしょ?!寝坊してんじゃないわよ!!!」
カレア「わかってるよ!もう!」
時計を見て焦ったカレアは焦りながらも急いで着替えて身支度を始めた
カレナ「人が折角起こしに来てあげたのに!」
カレア「ならもうちょっと優しく起こしに来てくれても…」
カレナ「は?」
カレア「だから恋人の1人もできないんだよ♡」
カレナ「…」
カレアが無言になったカレナを見ると怒り顔をしていたため焦ったカレアは冗談だといい、逃げる準備を始める
カレア「ご、ごめんね。今のは冗談だって…あはははは」
カレナ「冗談でも言っていいことと悪いことがあるのよ」
逃げようとするカレアを抑えてカレナがカレアを…そのとき屋敷内では鈍い音が鳴り響いた
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部屋に戻った翠はベットに座り考え事を始める。そこで1度落ち着いたので、お母さんにお金を送ろうと考え、白金貨2枚を両替のスキルで日本円にし、日本にいるお母さんへと転送のスキルでお金を送った
ごめん母さん。色んなことがあって少し遅れたけど、一応問題にならないぐらいのお金を送るね。今送ったお金でそれなりに過ごせるはずだから、その間にお金を稼いでお母さんに送らなくちゃね
といってお金を送った翠はそれを見たお母さんが喜んでくれているであろう顔を思い浮かべ、翠はベットに寝転んだ。そこで翠はあることに気づく
そういえば話は変わるけど、スキルの中に全言語習得ってスキルあったよね?
はい
じゃあ鍵の文字って見えないのかな?
マスターが持っていた鍵であれば全言語スキルによって問題は解決すると思います
マジ!?
というと鍵を取り出した。すると翠の前には以前現れたウィンドウが表示されていた。だが今度は前回とは違い、文字化けしておらず、しっかりと読めるようになっていた
第19話終わり
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