第20話 虹の鍵の正体

全言語習得により鍵の文字が見えるのではと考えた翠。その疑問に対し、ピーは全言語のスキルを用いれば可能であると断言した。それを聞いた翠は、虹の鍵を取り出し、地球でやった時と同じようにウィンドウを表示した


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【名称】 虹の召喚鍵


【ランク】 測定不能


【効果】

•この鍵に触れたものを消滅させる

•ダンジョンの鍵

•???????????????


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全言語のスキルによって、虹の鍵の正体を確認した翠。そこに書かれていることでわかったことは、この鍵に触れた物を消滅させる能力が備わっているということ。そしてどこかのダンジョンで使用できる可能性があるということだけであった


翠「…つまり、この鍵を拾った事で僕は死んだことになるのか…」

 

ピー「そうかと思われます」


翠はこの鍵のせいで亡くなった事に複雑な感情を覚えていたが、それよりも気になったことが二つあった。一つは現在もこの鍵を所有しているのにも変わらず消滅していない事、そして二つ目は全言語のスキルを用いたのにも変わらず、最後の効果が読めないこと、この二つに疑問を感じていた


翠「そもそも何で僕は死んでいないんだろうか?」


ピー「消滅していない理由ですが、この鍵はそれぞれの波長、つまり複数の魔力を吸収しているのではないかと考えます。そのため一度マスターの魔力を限界まで吸収したため、同種の魔力は吸収されていないのではないかと」

 

魔力は生物全てに流れており、個体によって魔力は異なる。そのため同じ魔力が流れていることはあり得なく、地球の概念で言えばDNAに近いものであった

 

翠「…なるほど。つまり一回魔力吸ったから、僕の魔力はもういらないってこと…?」


ピー「簡単に言えばそうですね」


本来限界まで魔力が吸収されると魔力枯渇で死亡してしまうため、同種の魔力を吸収するということは、基本的にはありえない事象であった。たまたま翠は神々によって、魂はそのままで、器だけ作り替えた転生が行なわれたため、例外で生き残る事が出来ていたのである


翠「なるほどね…じゃあ全言語のスキルでも見えないあの???は何だと思う?」


ピー「あの事象に関しては、私も調査中なのですが、今のところ原因は不明です。ただ考えられる可能性としては、この鍵のランクが全言語のスキルより高いランクであるという可能性ですね」


スキル、アイテムなどは全てにおいてランク付けがされている


翠「えっと…じゃあ全言語のスキルがAランクだから、それ以上の鍵の可能性があるって事?」


ピー「そうなりますね」


この虹の鍵が相当レアな鍵だと再認識した翠は、ここでピーからある情報を聞く。レベルアップ時、翠が意識を失っている間に、この世界の情報を調べていたピーが鍵の原理、つまり鍵の使い方が、この世界では当たり前のように認知され、使われていたということがわかった


この世界で鍵はダンジョンに入場するために使われており、鍵は一度使用すると消えてしまい、再度使用することは出来ない。また鍵の入手方法はダンジョンでのドロップか、街の市場や商店での購入をすることで手に入れることが出来る。鍵を購入するのは主に一攫千金を狙う冒険者が購入することが主であった


翠「じゃあ鍵の使い方はウィンドウにも書いてあった通り、ダンジョンで使える物なんだね。じゃあ同じような鍵を街のお店とかで売ってたり、持ってたりする人はいないの?」


ピー「鍵自体は簡単に入手可能なようです。ただ低ランクの鍵ばかりなようです」


この世界で知られている鍵は、ランクAまでの物となっていてそれ以上はないとされている。そしてランクAは流通が少なく、希少価値が高く設定されていた。大体がEランク、Fランク、Dランクの鍵であり、たまにCランクの鍵が出回ってるぐらいの確率である。Bランクの鍵は非常に高値であり、貴族や有名な冒険者パーティー、冒険者ギルドが市場に出回る前に購入していってしまう。Aランクともなれば国がいち早く購入に駆け付けるほどである


翠「え〜と…じゃあこの鍵って、もし誰かに知られでもしたら…」


ピー「正確なランクは不明ですが、Aランク以上であるのは間違いないため、その鍵を奪おうとする者は現れるでしょう」


翠の中には、何故鍵は高値で取引されるほどの価値があるのかという疑問が生じていた。ピーの情報によると、鍵を使用して入場したダンジョンのランクに応じて、宝箱やモンスターからドロップされるアイテムの質が異なる。またダンジョンは10階層ごとに報酬が設定されおり、ダンジョン全体をクリアすることによって、何倍、何十倍、何百倍もの財産を手に入れることが出来ると言われているからである。また莫大な財産を手に入れるだけでも挑戦する者は多くいるが、本命はこちらの理由が多かった。その大きな理由としては精霊と契約出来るところにあった


         第20話終わり


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