第3話 盗賊討伐
翠「……んっ…ここはどこだ?」
周りを見渡すと、そこは生い茂る木々に囲まれた森の中であり、ゴブリンやゾンビが徘徊する森であった。危険度はそこまで高くはないが、初心者が死にやすい森でもあった
‥そんなことより早く母さんのもとに戻らなきゃ…でもどうやって戻ろう
翠は早くお母さんのもとに戻らなきゃいけないという焦りから咄嗟に動こうとするが、右も左も分からない土地で、どう行動したらいいか悩んでいた
翠「………んーまずは街に行こうか。そうすれば何かいい情報が掴めるかもしれない。でも街ってどうやって行くんだ?」
???「マスター聞こえますでしょうか?」
翠が街まで行く方法を考えていると、いきなりどこからか機械的な不思議な声が聞こえた
翠「だ、だれ!?」
翠が声のした方を振り向くと、そこには手のひらサイズの妖精のような女の子が宙に浮かんで、こちらを見ていた
???「私は創造神ゼロ様に創られたナビゲーションシステムのピクシーといいます」
話しかけてきたのは創造神ゼロによって作られた音声認識型案内版ピクシーであった
翠「創造神様に作られたの?」
ピクシー「はい」
翠「それにナビゲーションシステムって…」
ピクシー「ナビゲーションシステムとは使用者の環境や身の回りの手助け、サポートをするために生まれた自立人工知能型のスキルです。本来は創造神様しか作成できず使用できないのですが、今は創造神様の命により所有権がマスターへと譲渡されていますので、何なりとご命令ください」
翠「なるほど…わかった。じゃあなんて呼べばいい?」
ピクシー「なんでも構いません」
翠「じゃあピクシーだからピーでどう?」
翠は致命的にネーミングセンスがなかったのである
ピクシー「……ピー………了解しました」
あれ?嫌だったかな…
翠「じゃあ早速だけど聞いていいかな?」
ピー「何なりと」
翠「近い街までここからどのぐらいで着くか教えてくれる?」
ピー「マスター。ここから一番近い街ですと、この先50キロ地点に街が御座います」
翠「50キロ!?」
ピー「はい」
…マ、マジか…50キロは遠くない?…ハァ…しかたない諦めて歩くか
ピー「はい」
ん?…俺今口に出してないよね?
はい。私は他人の思考が伝達され、理解できますので口に出さなくとも意思疎通が可能です
なるほど…そしたら誰にもバレないで会話もできるのか。じゃあ今度から会話はこれでお願いしていい?
畏まりましたマスター
ちなみにピーは普段、翠にしか見えていないが、翠の意思で第三者にもピクシーの姿を見せることができるという万能さも持ち合わせている
……一方その頃神界では……
ゼロ「なんで街から50キロも離れてるの?」
ソフィア「飛ばすところ間違えちゃった!テヘ…」
ソフィアは翠を飛ばしても他者に影響を及ぼさない、街から5キロ地点に送るつもりだったが、ゼロを教育することに集中してしまい送る先を間違えてしまっていた
ゼロ「はぁ…それじゃあわしとやってること一緒じゃないか」
ソフィア「何か言ったかしら?」
ソフィアは文句を言わせない程のオーラをまとってゼロを睨みつける
ゼロ「…ナ、ナニモイッテマセン」
それに怯えたゼロは文句を言ったら、また何をされるかわからないため何も反論することはなかった
ソフィア「そう」
…理不尽。すまない翠よ
……地上世界では……
創造神ゼロによって与えられた音声認識型案内版ピクシーのスキルによって、道を教えて貰いながら街へ向かっていた
ピーあとどのくらい?
あと10キロ程です
あともうちょっとか…頑張ろう
マスターちょっといいですか?
ん?どうしたの?
ピクシーが自分から質問を投げかけてきたことに驚く翠だったが内容が気になるため疑問は置いといてピーに内容を確認する
この2キロ先に襲われている人間がいますが、どうされますか?
え?そ、そんなラノベ展開ある!?
どうされますか?
助けに行きたいけど僕に戦える力なんてないしな…
マスターは今のままでも上位の人間達より断然強いですよ
…え…なんで?
創造神ゼロ様や魔法神ソフィア様からスキルやステータスの加護を貰っていますので、それらの影響かと
少し考える翠だったが創造神ゼロが作ったピーがそう言うなら問題ないし、危なかったら逃げればいいかと考え助けに行くことに決めた
じゃあその言葉を信じて助けに行こうか
了解しましたマスター
襲われている人間達のもとへ急いで駆けつけた翠。そこには紋章のついた馬車が数台停まっており、周りを囲むようにして、鎧を着た者たちがその馬車を守りながら盗賊のようなものと戦っていた
…さて、急いで来てみたはいいもののどうやって助けますか。武器もないしな…
心配ないと思いますよ。マスターなら素手で十分です
はい?…俺喧嘩とか弱いんだけど!?
……大丈夫ですよ
え…今の間はなに!?…怖いんだけど!!ほんとに戦えるの?それにしてもピクシーさんあなた強気すぎじゃありませんか?
そんなことはないです
はぁ…行きますか…
素手でも盗賊如きに負けることはないというピーの意見は一切曲がらず、諦めた翠は襲われている人間達を助けに向かうことに渋々決めた
その頃襲われている場所では…
兵士隊長 「き、貴様ら何が目的だ!!」
どこかの国の兵士と思われる人物が盗賊に怯えながらも、目的を聞いて情報を探っていた。それに対し盗賊は下卑た笑みを浮かべながら答えた
盗賊頭「そんなの決まってんだろ。有り金と持ち物全部だよ!それからその豪華な馬車の中にいるんだろ?第一王国第二王女様がよ!!それも頂く!!!!!」
盗賊頭は下卑た笑いを浮かべながら答えた。だが兵士はその下卑た表情から連想される事もさせまいと考えていたが、それよりも気になることがあった。
兵士「貴様何故その情報を!?王女の行動は極秘で誰にも知られていないはず!それを何故貴様が!!?」
第一王国の第二王女はお忍びで街を訪れており、現在は王都の城へ馬車で向かっているところであった
盗賊頭「ハッハッハそれは教えられないな!!まぁー今からその王女様は俺の慰みものになって貰うってことだけは教えてやるよ!!!!グヘへ」
兵士「そんなことは絶対にさせない!!」
盗賊頭「なら護ってみろよ!雑魚ども!行くぞ野郎ども!!」
盗賊仲間達「ヒャハー!!!」
そして王国の兵士と盗賊が戦うことになった。王国は周辺国家と違い、それなりの優秀な兵隊が揃っていた。だが今の第二王女はお忍びで街に訪れているため兵士をあまり連れていない状態だった。王国の兵士は15人、盗賊の人数は45人と3倍以上の兵力差があった。いくら王国の兵士といえども、この人数を相手にするのは難しく、人数差で徐々に押され始めてしまい、みるみるうちに王国の兵士が殺されてしまうのであった。そして兵士隊長以外が殺されてしまい、兵士隊長も拘束され、動けない状態となっていた。
盗賊頭「おいおいどうした?ダセェな王国兵士ってのはその程度かよグハハ。おい王女をつれて来い!!!!!!」
盗賊「へい。お頭グヘヘ‼︎」
盗賊頭の命令で盗賊の部下が王女がいる馬車に向かおうとする
翠「待てよ!」
その様子を馬車の中から震えて見ている娘がいた
???「え?」
盗賊頭「チッ…まだ生き残りがいたのか?」
まだ生き残りがいたことに苛立ちを覚える盗賊頭であったが自分達の戦力と翠が1人なことを理解すると、相手にもならないといった様子で部下へ殺せと命令する
盗賊頭「とっととやっちまえ!お前ら!早くしろよ。あの王女様に逃げられちまうからな!」
盗賊達「了解!!」
こいつらほんとクズだな…錦城達と同じ匂いがするしな
盗賊頭の表情には王女様を犯すことしか考えていないことがまるわかりの態度であった。翠はその態度や自分が錦城達にされた似たような状況を自分と重ね腹を立てていた
盗賊「1人でやってきて王女様を救うってか?英雄気取りかよダセェなハハハ‼︎雑魚は黙って死ねや!!」
剣を持った盗賊は翠の背後から切りかかってきた。翠は現代では、まったくといっていいほど運動音痴であった。運動ができる者の中には一瞬時が止まっているように見える体験をするものがおり、ゾーンというフロー状態に入ることがあるという。だがゾーンに入ることができるのは限られた天才であり不要なことを一切考えない状態でのみ体験できる感覚であるとも言われている。普通は運動音痴の翠が体験できるものではない。だが今の翠はそれが嘘のように盗賊達全ての行動がスローモーションに見えていた
…え?遅くね?
翠はすぐにその盗賊が振った剣を振り返り見ることなく横に飛び剣を避け、すぐさま盗賊の背後に周る
盗賊「てめぇ何した?!!舐めんてんじゃねぇぞガキが!!」
翠「…え?」
…むしろめっちゃ気合入れてたんだけど?
盗賊達は翠が何をしたか理解していなかったが、長年盗賊の長をしているだけあって盗賊の頭は今の動きが異常なことに気づく。盗賊の頭は1人では勝てないと考え、盗賊全員に命令を出す。盗賊達も頭からの焦った命令や今の何が起きたかわからない現状から全員で向かうことを決める
盗賊頭「お、お前ら一斉にかかれ!」
盗賊頭の指示で44人が一斉に翠に襲いかかるが、翠はどれも幼稚園児がハイハイをしているような速度にしか見えなかった
翠「ね、ねぇ…遊んでんの?」
翠は現実ではありえないほどの肉体と運動センスを得ていた。魔法神ソフィアと創造神ゼロから与えられた加護の影響である
翠「こっちは今から帰る方法探さなきゃいけないの?分かる?遊んでるならもう終わりにするよ?割とまじで…」
本気でふざけているのかと考えていた翠は母親の元に帰らなければいけないという使命感から盗賊達に八つ当たりのように逆ギレしていた
盗賊「て、てめぇ!!!!!!!!!」
盗賊「あいつ顔面ボコボコにして裸にひん剥いて奴隷にしてやる!」
はぁ…これなら僕をいじめてたあいつらのほうがよっぽど強かった気がする…
翠は自分を虐めていたクラスメイトの方が盗賊よりも強かったのでは?と感じていた。だが実際そんなことはありえない。人数差があったとはいえ、訓練された国の兵士たちを倒すことが出来る盗賊達が戦争も知らないクラスメイトに負けるはずがない。それほどまでに翠のステータスは異常なのであった
翠「じゃあ急いでるから早く終わりにするよ」
翠はそう言うと盗賊の頭以外のすべての盗賊が一瞬にして倒された
盗賊頭「……は?」
よ、弱すぎる……ど、どういうこと…この世界の人はこんなに弱いものなの?それともこの人達が弱いだけなのか?
マスターの実力が抜きん出ているだけです。これでも人間達の中ではそれなりの方ですよ。
これで?それにしても戦闘中に余裕ですねピーさん
何故さん付けなのか理解に苦しみますが、マスターの実力なら当然です
ピーと夫婦漫才のような会話をしていると盗賊の頭が何やら言い始めた
盗賊頭「お、お願いします。な、な、何でもしますから命だけは!」
翠の強さに勝てないと思った盗賊頭はすぐに土下座をし翠に命乞いをはじめる
翠「お前自分から襲っておいて負けそうになったら命乞いって…お前たちが何人殺したかわかってるの?それにお前ら今回が初めてじゃないだろ?」
翠は仲間が倒された途端自分だけが生き残ろうとしている盗賊の頭に対して怒りが湧いていた
翠「もういいや。終わりにする」
翠が怒りながらそう言うと一瞬で盗賊の元へ移動し思いきり殴った。本人はただ顔面を殴っただけの感覚であったが、実際は盗賊頭の首から上と下が離れ頭が地面へと転がる。その際に盗賊頭を倒したという声と同時に頭の中へと対象がレベルアップしましたという世界の声明が流れていたが、ピーによりレベルアップは阻止されたのである
盗賊達を一瞬で倒した翠はその後の行動に悩んでいた
さてこの後どうしようか?…
まずは生きている方たちの生存確認をしたほうがよろしいかと
…え?
盗賊を全滅させた翠はこの後の対応をどうしようか考えていたところ、どこからか人のような声が聞こえた。一瞬翠の頭には残党がいるのかと考えたが、その体験は一度経験したことがあったため、なんとなく予想がついた
な、なんでピーの声が人っぽくなってるの?
先程マスターが盗賊を倒したので、そのときにレベルアップしたからだと思います
レベルアップ?
はい
そんなシステムあったの?まるでゲームじゃん…それにレベルアップっていっても体になんの変化もないけど…
後ほど事情はお話します。それより先に生存確認をしたほうがよろしいかと
…そうだね。そうしよう
翠は倒れている兵士や兵士隊長そして馬車の中にいるであろう人物が無事かどうか、生存確認をしようと馬車の方へ向かう。すると生き残っていた兵士隊長が翠へ向かって何かを叫ぶ
兵士隊長「お、お前何者だ!!その馬車には近づくな!」
翠「僕は聖神翠と言います。貴方方が襲われているのがわかったので助けに来ました」
兵士隊長「そ、そうか。すまない。礼を言う」
敵ではないことがわかった兵士隊長は安心してホッと肩の荷が折りたような表情をする。実際に目の前で行われた45人を相手に一瞬で全滅させられる男と対峙しても勝ち目がないことは理解していた。だが、馬車の中にいる大事な人を護らなければという強い気持ちからの咄嗟の行動であった。
翠「大丈夫ですよ。別に対して強くもなかったですし」
兵士隊長「き、君のその力は一体…」
翠「自分にもわからないんですよね…アハハ」
神様たちに会ってスキルを貰ったからです。とは言えないな…
兵士隊長「一体それはどう…」
一体それはどういう意味なんだ?そう兵士隊長は翠に聞こうとするが、翠はそれよりいいのかと話を変えるために兵士隊長に尋ねる
翠「それより馬車に乗っている人のことは確認しなくていいんですか?」
兵士隊長「そ、そうだ!」
兵士隊長がこの場で優先するべきことは馬車の中にいるであろう第二王女の護衛である。だが、翠の異常な戦闘を見てしまったため、そのことが頭から離れてしまっていた。兵士隊長が倒れそうな体で馬車へと向かう
兵士隊長「王女様!第二王女様ご無事でしょうか?」
兵士隊長が馬車の中にいるであろう王女の生存確認をすると馬車の中から姿を現したのは、現代にはいなかった金髪ロングの可憐な美少女であった
第二王女「えぇ大丈夫よ。ありがとう」
兵隊隊長「第二王女様がご無事でなによりです!!」
第二王女「お怪我は大丈夫ですか?」と言って心配そうな表情を浮かべる第二王女を見て、兵隊隊長は「問題ないです」と言って頭を下げる。翠は部下を心配できるいい人だなと考えていると第二王女が翠へと話しかける。
第二王女「始めまして。私は第一王国国王の娘の第二王女、シルフィードと申します」
翠「は、始めまして。ぼ、僕じゃなくて、え〜と、私は聖神翠といいます」
翠はこのような形式的な挨拶とは無縁の生活を送っていたため、そのような形式的な挨拶をされてしまい焦ってしまう。ただでさえ翠は地球でも女の子とあまり会話することはなく、ましてや現代でもほとんど見たことがない美少女に目を奪われていた。それらの色々な影響からとても動揺してしまっていた
シルフィード「この度はお助けいただきありがとうございます」
シルフィードがそう言うと深々と頭を下げた。その行動に驚く兵士隊長と翠。第二王女が見ず知らずの人に頭を下げるというのはとても大変なことである。だが兵士隊長も恩を感じているため一緒になって頭を下げた
翠「た、たまたま通りがかっただけですからそんなにお気になさらずに…」
シルフィード「それでも私達を助けていただきありがとうございました。助けて頂かなければ今頃どうなっていたか……」
翠は盗賊に襲われて恐怖や不安といった状態になっているシルフィードがそのことを表に出さずに見せた笑顔に驚き、感心していた。そのためいきなり話しかけられたことで変な返答をすることになってしまう
シルフィード「翠様?」
翠「あ、はい。い、いえこちらこそ?…」
シルフィード「こちらこそ?…」
翠「いえ、あ、はい…」
こちらこそってなんだよ…女の子と触れ合わなかった弊害がこんなところにまで…いくら可愛いからって
シルフィード「ふふ‼︎ 面白い方ですね!」
シルフィードと兵士隊長は45人の盗賊を一瞬にして倒すことができる翠がどんな人と成りなのかとても興味を抱いていた。だが話をしてみると、とてもそんな様子には見えないことに驚いていた
翠「……ハハハ」
その後兵隊隊長と翠、シルフィードの三人で兵士達の遺体を土に埋め、祈りを行う。盗賊頭以外は全員気を失うように倒していた翠は、倒れている盗賊達をどうするか兵士隊長達と考えていた。するとピーがとある提案をしてきた
ならボックスに入れてみてはどうでしょうか?
ボックス?
はい。ボックスとは食料や武器などのアイテムをしまうことができます
スキル ボックス
ーーーーーーーーーーーーーーーー
このスキルは食料、アイテムや武器といった無機物のみを異空間上に仕舞うことが出来、いつでも取り出すことが可能である。容量はレベル・魔力量によって異なる
ーーーーーーーーーーーーーーーー
え、でもそういうのって人とか生きたものは入れられないんじゃないの?
本来であればそうなのですが、マスターは特別なので問題ないです
え…どういうこと…
ただしデメリットもあります。生きたものをそのまま中に入れると、その生物が暴れだしたり、動いたりすることによって中の物にも影響が出てしまいます。
…なるほど。生きたまま捕獲するのは難しいと
はい
それでも十分チートだよ。今回はこの盗賊たちを縄で縛っておけば問題ないし。じゃあこのボックスっていうスキルを説明して連れてくってことでいいかな?
それで良いと思われます
翠「じゃあ僕のボックスというスキルでこの盗賊たちを中に入れて街まで連れて行きますので、そこで衛兵に渡すという形で大丈夫ですか?」
兵士隊長「…はい?」
シルフィード「え?」
翠の言葉に驚いた表情を浮かべている兵士隊長とシルフィード
翠「ん?」
兵士隊長「翠殿。スキルの中にはボックスというスキルがあるのは知っていますが、その空間はあまりにも狭く、人によって誤差はありますがそれでも45人のましてや生きたまま入れること出来るなど聞いたことがありません」
シルフィード「私もそう伺っています」
ほら疑われたよピー
…………………………
無視かよ!!
翠「たまたま自分は入れられるみたいなので…なんなら今から試しましょうか?」
翠は44人の体をボックスに仕舞い込んだ
兵士隊長「!」
シルフィード「…すごい!!」
兵士隊長「それ程の力を一体どこで…」
盗賊を全滅させることができる力と44人という大人数の人間を仕舞い込むことができるボックスのスキルを持った翠はどのようにしてその力を得たのか兵士隊長の頭の中では不思議が深まるばかりであった…
翠「た、たまたまですよ。さぁ街まで行きましょうか」
…あ、あぶね〜バレそう…
兵士隊長「命の恩人なのでそういうことにしておきましょう」
兵士隊長が抱いている疑問は正しく、翠が持っているスキルはボックスというスキルではなかった。スキルの名はハイボックスであり、ボックスの上位互換となるレアスキルであった。
スキル ハイボックス
ーーーーーーーーーーーーーーーー
このスキルは食料やアイテム、武器、生物などの有機物、無機物関係なく、異空間上に仕舞うことが出来、いつでも取り出すことが可能である。容量はレベル・魔力量によって異なる。そして仕舞われたものには保存機能が付与され、しまったときと変わらない鮮度で維持される。ただし、生物などが生きたままハイボックス内で動き回ると、他のものに影響が出てしまう
ーーーーーーーーーーーーーーー
第3話終わり
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