第45話

学校のゲームルーム。


パソコンに最近のゲームがインストールされており。


レクリエーションや新しい開発など。


多用途に使用されている部屋。


最近はカオスな事が大好きで。


みんなを集めて。


フライトシュミュレーター。


風速200ノットの空港で遊んでます。


心玖。

「あああああ駄目。」


環奈。

「風に拉致されたー。」


杏桜。

「マイ旋風の中で機体が舞い踊る!」

「一風吹かせた私のB-777なのよ。」


詩織。

「戦闘機だと風向きさえ合えば抵抗できます。」


桜花。

「木星は風速1000メートルでしょ?」

「プラズマジェットなら飛行できるかも?」


空中で静止。


滑走50メートル風で煽られ強制離陸。


旅客機も向かい風で垂直離着陸。


心玖。

「飛んでけー。」


駐留機が滑って行く。


杏桜。

「さあ風の向くままに。」


詩織。

「山に激突しますよ。」


環奈。

「ああコントロール不能。」


心玖。

「保存しとくね。」


これを撮影して先生に見せました。


おまけに。


前々から作っていた。


政治家をモチーフにしたカードゲームを作って見せちゃいます。


先生。

「あなたすっごいカオスね。」


環奈。

「発狂していないと作れないものもあるんです。」


カオスは混沌という意味らしいです。


風速1000メートルだと吹っ飛ばされるだけなので。


風速300メートルで遊ぶのが楽しいです。


ここにはサークルがあって。


若葉ちゃんが部長ですよ。


最近発表した「トンデモレース」は時速1000キロで走る。


凄まじいスピード感のアーケードゲーム。


環奈。

「満足な動体視力が無ければクラッシュ。」


麻友。

「反射神経の問題じゃないですよ。」


環奈。

「この速度に対応できるか?」

「自分のスキルが問われるなあ。」


速過ぎて。


何度も爆発。


現実の時速1000と同じスピードですから。


コントロールは難しいです。


コース4までありますが。


初級コースでもうダメでした。


サークルの若葉ちゃんは。


ぶっ飛んだゲームをさらに制作するとのこと。


さすがです。


サッカーコートは女子サッカー部が占領。


バルセロナの「ポゼッション・キープ」とか「パスの連携」が目立ちます。


ボール保持率がかなり長く。


選手の位置取りなど。


連携が徹底されて。


本気なんです。


太鳳ちゃんが話しかけてきて。


サッカーでは本能的なプレーが禁止なんだとか。


太鳳。

「大人のサッカーは紳士。」

「気品・学徳を備えた礼儀正しい男子。」

「そういう人が本物になれるスポーツなのよ。」

「女子サッカーでは。」

「品位のある。」

「しとやかな女性が本物になれる。」

「真理を買いなさい。」

「代金は持っているでしょ?」

「あとは売ってもらいなさい。」


環奈。

「なるほど。」

「そこまで高度なスポーツなのかあ。」


もねちゃんのお茶会に参加。


雑談。


萌峰。

「明哲でありなさい。」

「人それぞれに自分の信条とする概念があるから。」


千夜。

「私は世界のスタンダード。」

「天理(自然の道理)が気に入っています。」


太鳳。

「利運ありってことよ?」

「たおは脱俗かな。」


生徒。

「私は理運だよー。」


太鳳。

「徳行はどうかな?」


生徒。

「それは難しい。」


太鳳。

「かんなちゃんはなにしているの?」


環奈。

「文芸学です。」

「苦戦してますが。」


太鳳。

「それなら我流ではなく。」

「古来からある型や形式・様式を使用したほうがいいわ。」


環奈。

「ああなるほど。」

「故きを温ねて新しきを知る。」

「あと心配なのは妄評です。」


太鳳。

「暴評?」

「馬鹿の意見は無視してOK。」


環奈。

「玄人に見せてみます。」

「餅は餅屋。」


太鳳。

「そうそう。」

「お酒造りは酒屋がいちばん上手い。」

「作物を作るのも農家がいちばん上手い。」

「工事は建設会社が専門で。」

「マイクロチップや飛行機のパイロットはその手の人が上手。」

「素人や浅い蒙昧な人が評価したら?」

「何事も専門家ってことよねー。」


学校に配られる新聞を見かけました。


大会は終盤に突入。


こうした流れに動かされ。


国が主催するフリールールの競技が予定されている?


これは指定された品物を主催者に持って来れば。


「土地」が貰えると。


その品物のひとつが霊鳥の羽根とか。


又は。


巧みに隠された特別製のメダルなど。


物によっては景品も豪華。


萌峰。

「これは国王がこうしたイベントで。」

「国民の楽しみを確保しようと。」

「余剰財産を使った計らい。」

「こうした娯楽のノウハウから。」

「娯楽政策を狙っている。」


環奈。

「騎馬レースも開催されるのかあ。」

「え?こっちは?」


萌峰。

「市民はPL-01戦車への搭乗体験もできる。」

「次世代型の量産が開始されたので。」

「この戦車も既に旧式ですから。」

「輸送機が遊覧飛行の受け付けをするようになり。」

「余裕があれば随時。」

「市民が乗せてもらっています。」

「VTOL技術が発達しても。」

「宇宙までは上がれませんから。」

「貴重な体験として。」

「ちょっとした大気圏離脱までしてくれるのです。」

「国王の政策は続いていますよ。」


環奈。

「我らの聖王。」

「なんて美しい。」


萌峰。

「なおさら忠誠心が高まるでしょ?」

「いろはちゃんが呼んでたわよ。」


今年。


わたし。


急速に諸芸上達を果たす。


試合場にて。


かんなちゃんといろはちゃん。


いろはちゃんがブロードソードを勧めてくれました。


少し試してみます。


環奈。

「行きます。」


彩葉。

「今回は手加減はないよ?」


正確無比な連撃を回避。


距離を取り続けて。


高速回転の棒術。


崩されました。


いろはちゃんの突き。


横に半分避け。


剣で上から叩き付けて。


いろはちゃんの杖を鍔迫り合い気味に押さえつけ。


立ったまま横に回転。


いろはちゃんの杖を掴みつつ。


頭に当てました。


環奈。

「あっ!やった!」


太鳳。

「怪傑いろはちゃん。」

「負けるの初めて見た。」


彩葉。

「美技だよほんと。」

「次行くよ。」


ブロードソードに変更したせいか。


いろはちゃん相手に勝利できるようになったんです。


内容が大幅に改善されたみたい。


それでも。


勝率5:1ですけどねー。


いろはちゃんのおかげで。


わたしはスーパールーキーのひとりとして名が知られました。


三姉妹旋風は未だ健在。


もう夏休みは終盤。


のんびりした雰囲気から。


いつもの活気溢れる学校に。


戻りつつあります。

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