第40話

学校に指導訓練生が来訪。


萌峰(もね)

「これから援護するですよ。」


太鳳(たお)

「支援攻撃からお任せあれー。」


彩葉(いろは)

「良い教官になろうと思います。」


学校の議会ホールで紹介されました。


大学生の三姉妹なんです。


これからたまに。


学問やスキルの向上など。


あらゆる手助けをしてくれるんだとか。


環奈。

「なんか新鮮な人達が入ったよ。」


心玖。

「有能な人材を好んでいる社会。」

「育成を極める事が重要らしいね。」


桜花。

「凡人は不用品になるのかな?」

「凡愚よりも一部のインテリが作ったAIの方が能力で優れている。」


詩織。

「AIに勝利するのがステータスですから。」

「AIは能力の査定基準になりますかね。」


環奈。

「AIに対しては実力で上回るしか方法が無いのかな。」

「負ける相手では無いけれど。」


桜花。

「人工知能。」

「宗教的要素を含む人物には敵わないだろう。」


心玖。

「人工知能は人間の限界を見せているよー。」


詩織。

「まあ人工知能とか人間が作ったものですし。」

「神様が創造した被造物には勝てないのです。」


環奈。

「いろいろと新しいものは出てくる。」

「でも一度確立すれば。」

「案外扱いやすくて。」

「悪いものはともかく。」

「新しいから。」

「知ってしまえば。」

「たいした事は無いのです。」

「使いこなせるから。」


心玖。

「二手先を読んでるね。」


桜花。

「それで。」

「スカウトされないか。」

「私は近寄ってみよう。」


詩織。

「ナイスチャレンジャー。」


心玖。

「私は先生にこの論文を届けるよ。」


詩織。

「全体主義の事を調べてたんですね。」


心玖。

「全体主義の愚かな所。」

「立場が違うから。」

「貶してるけれど。」


環奈。

「性悪説で説明すると。」

「仲良くはできませんよ。」

「主義・主張の違う者同士は対立する。」

「キレイゴトは偽善者の証明書。」

「世界は性悪説を中心に動いている。」


詩織。

「全員の意見の一致は無理ですね。」

「要点だけ一致していれば良さそうです。」


心玖。

「ちょうどそんな感じ。」

「じゃあ。」


詩織。

「私は新しい架空機を設計してます。」

「また。」


環奈。

「またねー。」


彩葉。

「こんちはー。」


環奈。

「はいこんにちはです。」


彩葉。

「あなたがかんなちゃん?」

「なるほどー。」

「大人しそうだけれど。」

「本気になったらどうなるのかな?」


環奈。

「競技U-23代表ですよね。」


彩葉。

「ちょっと練習試合やってみる?」


環奈。

「それは歓迎。」


いろはちゃん。


背が小さく。


ツインロール。


幼い雰囲気ながら。


カラスのようなオーラを持つ。


向こうから接触してきたんです。


裏庭の練習場。


先端に三枚ブレード装着の杖を持っているいろはちゃん。


これは取り替えて模造刀に換装可能。


練習剣が更新されて。


柔らかいけれど。


きちんと重くてしっかりとした。


本物の剣により近い次世代型が運び込まれていて。


今回から使用。


目に当たっても怪我しないほど。


模造刀として抜群の完成度。


環奈。

「では挨拶代わりに。」


彩葉。

「適当に。」


ロングソード(模造刀)で適当に攻撃するものの。


ガードが硬くて。


跳ね返されてしまい。


反撃で。


小さく跳ね飛ばされました。


環奈。

「なにこのパワー!?」


彩葉。

「一般人は力の大半をパワーロスしている。」

「それを効率的に使用できたら?」

「凄まじい破壊力になる。」


環奈。

「わたしも実戦経験はあるけれど。」

「これが本格派の力?」


彩葉。

「力を抜くと最大パワーになる。」

「体のすべての力を加えるから。」

「やってみて。」


討ち合っても。


動きが速くて。


読まれています。


なんか力の差があって。


カウンターを食らい続けましたよ。


彩葉。

「通常のコンバット・パターンは分析済み。」

「でもあなたは何か違う。」

「武器になるものが多いけれど。」

「実力で打ち負かすには少し足りない。」

「かなり強いけれど。」

「技術面で未熟な部分がある。」


環奈。

「強くない?」


彩葉。

「神より与えられし力。」

「人の本質的な弱さから来る力。」

「強く見えるのは人の限界がそこにあるから。」


環奈。

「なぜ崩せないの?」


彩葉。

「人には不思議な能力がある。」

「あなたは完全に読まれているから。」

「古流の剣術は久しぶりに見た。」

「戦法を変えてきている?」


環奈。

「手加減と言えど。」

「ここまで通じないのは初めて。」


彩葉。

「直観の精度が違うみたい。」

「二倍の開きがあるから。」

「そこまで通じないのは当然。」


環奈。

「ちょっと本気出してみて。」


いろはちゃん。


いきなり正面から逸れると。


ナナメ方向から連撃。


素早く動き回って。


あらゆる攻撃を仕掛けてきて。


防戦一方。


なんとか反撃したら。


縦斬りを避けると同時に。


上から抑えられて。


横にした杖でスタンになり。


鍔迫り合い。


いつの間にか側面。


さらに後ろと。


正面を徹底的に避けてきて。


蹂躙されて駄目だったなあ。


あらかじめ直観で攻撃を予知してきて。


何してもまともな反撃になりませんでした。


突進してみたら。


投げられて。


一瞬の回り込み。


ヘッドロックで終了。


彩葉。

「きちんとなっている。」

「さすが小十郎さんの娘さん。」

「今回は私が強過ぎた。」


環奈。

「こんなに一方的にやられるのは。」

「初めて。」


彩葉。

「グランドマスターはもっと強かった。」


環奈。

「え?あの伝説の人物?」


彩葉。

「いい?」

「適当にやっててここまで力をつけた訳では無いです。」

「過去の履歴は燃やしたけれど。」

「誰にも訪ねてはいけない。」


環奈。

「ちょっと・・・。」

「好きになっちゃった。」


彩葉。

「はい?」


環奈。

「腕前に惚れちゃったかな。」

「天才タイプでは無い。」

「実力派みたいで。」

「いろはちゃんかわいいし。」


彩葉。

「それはどうも。」


環奈。

「自分の成長の為に始めた剣技。」

「いろはちゃんに出会えて良かった。」


彩葉。

「いろんな事に役立つからね。」


環奈。

「神権政治だと武器が尊ばれる。」

「何故なのか。」

「少し解ったなあ。」


彩葉。

「なぜ現代で武器の所持が認められているか?」

「人が力を失わない為。」

「力は実行力。」

「人類が衰える事の無いように。」

「武器を持つの。」


環奈。

「性悪説の平和主義。」

「平和の為に戦う。」

「すべての動機論はそれです。」


環奈ちゃん。


いろはちゃんの腕前に惚れました。


教室。


太鳳。

「魔法という超常現象は未だ何の為にあるとか。」

「解明されていません。」

「でもふたりには考察と一緒に。」

「もう少し効率的に使用する方法を習ってもらいたい。」


渚沙。

「連日の消耗で威力が出ないわ。」


理沙。

「あと三歩くらいで倒れるかもね?」


太鳳。

「ポーションをあげるから。」

「もう少し省エネ使用をするのよ?」


中庭。


もねちゃん。


日傘と一緒に。


お茶会を開催。


生徒が集まる。


萌峰。

「自分の理想の女性になろうよ。」

「大人の女性もいいけれど。」

「最近はかわいい女性が流行なのよ?」


生徒。

「いろんな女性のバリエーションがあるんですね。」


壁の向こうから。


杏桜。

「これはサバイバルゲームに使うのよ。」

「私のキュンキュンハートを奪わないで。」


友人。

「自分の道具に凄い名前付けているのね・・・。」

「ちょっと借りるよ。」


杏桜。

「その子は決して貴方と一緒にならないから!」


イタズラ好きの生徒。


杏桜ちゃんのペイント弾をくすねて。


萌峰ちゃんに攻撃。


日傘を展開していた為。


跳弾してしまう。


萌峰。

「軽量特殊合金とシールド発生装置の内蔵。」

「ライトマシンガンでも破られないわよ。」


日傘に魔石が装備されていて。


魔石は消耗品ながら。


高い防御力があり。


複数の装置で銃弾を無力化する為。


連続発射したペイント弾は全く効果なし。


それ所か。


重量と強度による。


打撃攻撃が強烈なようで。


優雅に席を立って。


接近戦を仕掛けようと。


笑みを浮かべるもねちゃん。


萌峰。

「この距離なら一瞬です。」


友人。

「ギャー!そんな馬鹿な!」


たまらず逃走するも。


通りすがりの太鳳ちゃんが見ていて。


捕まって拉致される。


太鳳。

「向こうでいいことしない?」


友人。

「ひぇぇえ強姦される。」


太鳳。

「はじめて?」


友人。

「年頃の女の子を?」

「あなたも好きね。」


萌峰。

「うふふ。」

「かわいがってあげて。」

「子猫ちゃんを。」


いろはちゃんがおにごっこで。


近くを通り過ぎる。


生徒と遊びつつ。


自分の受けた教えを伝える三姉妹。


学校が活性化。


学校では学問を教えられ。


歴史上の偉大な教師からたくさん学ぶのです。


勉強とは異なり。


時間が余りますので。


遊ぶ時間も多くなりますよ。


練習試合を終えた環奈ちゃんは帰宅。


いろはちゃん。


夕方に市役所の人事部に意見書。


環奈ちゃんを推薦。


この日。


学校に来ていた環奈ちゃん。


女性史学者のスカウトが来訪。


女史。

「あなたがかんなちゃん?」

「どう?」

「女性について調べてるんでしょ?」

「うちに来ない?」


環奈。

「わたしは女性のありとあらゆる可能性。」

「実際に有り得た姿を知っています。」

「また考えさせてください。」


女史。

「その時まで待っているよ。」


最近は人材獲得競争のせいか。


どこも早いうちの確保しようと試みてます。


わたしの所も来るんですね。


三姉妹が来訪した。


新鮮な学校風景となりました。

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