第36話
かんなちゃん。
着物スカートで外出して自然を満喫。
小川や森林にて。
小鳥のさえずりと。
鹿の姿もある。
リスが寄って来たり。
たまにパンをあげているハトさんがこんにちは。
環奈。
「世の中が明け進むこと。」
「わたしの望み。」
「文化。」
「人間が本来の理想を実現していく活動の過程。」
「人類は何を理想にしている?」
「それが愚かなもの。」
「無益なものだったら私はあざける。」
「尊いものでしたら。」
「素敵なものでしたら。」
「わたしは恋して眺めるでしょう。」
自然公園のあずま屋で。
着物姿の女の子を発見。
クラスメイトの千夜(ちよ)ちゃんが。
読書と執筆をしていたよ。
千夜ちゃんはこの国でもっとも有力な女性で。
新世代の中心人物です。
たまに会っていますよ。
環奈。
「わたしは装わない。」
「完璧を装わない。」
「人らしくすればするほど生が出る。」
千夜。
「確かに完璧を装ったり。」
「良い人に見せかける人がいる。」
「そんなそうじゃない?」
「でもそう言えるのなら。」
「真実にだって近づける。」
環奈。
「人について知りました。」
「人についての悟りあり。」
千夜。
「この世のことはもう既に知っています。」
「悟りあり。」
環奈。
「最近わたしこう思うの。」
「歴史の継承。」
「古来からの教えに学び。」
「人の原点。」
「永劫不変の真実に触れ合ってはどうか?」
「古き良き時代。」
「良い意味で古いとしたら?」
「知っていましたか?」
「古来が映し出す美しさがある。」
「人が辿ってきた歩みがある。」
「先人無くして私達はこの地に居ない。」
千夜。
「歴史を逆側から見てよ。」
「あの有名な民主主義でさえ樹立まで五千年経過したのです。」
「試行錯誤して出来上がった。」
「でも終わりじゃないよ。」
環奈。
「途中ってことだよね。」
「歴史は途中です。」
「偉人は何を教えてくれました?」
「偉大なものを教えてくれました。」
「天才はなにをもたらしました?」
「永劫不変の名作を生み出した。」
「英雄は大事業を成し遂げ。」
「政治家は民と国とに尽くした。」
千夜。
「庶民。」
「あの人達が何をしたいのか分からない。」
「何を求めているの?」
環奈。
「庶民?」
「人々はただ生活だけを求めたに過ぎないのでは?」
「しかし彼らにとってはそれで良かったのです。」
千夜。
「わたしたちは答えを急いでおり。」
「人類に絶望しています。」
「危険です。」
「楽天的に行きましょう。」
環奈。
「そのようです。」
「人類の革新を求め続け。」
「遂には人類に失望し。」
「絶望するようになった。」
「人の愚かさは確かにある。」
「わたしはそれでも良いと思った。」
「でも人類が歩みを止める時に。」
「わたしは窒息する。」
「同じ結果と同じ光景があるのは見るに堪えない。」
千夜。
「そこまで強大な力を身に着けた。」
「しかしそれは神様にお任せすればいいのですよ。」
「わたしたちは人を超えているのかもしれません。」
「もしかしたらもっとも愚かな答えに行き着いたのかもしれません。」
環奈。
「人類には大人になってほしい。」
千夜。
「世の中が明け進むこと。」
「人間が本来の理想を実現していく活動の過程。」
「人類は何を夢見てきたの?」
「何が望みでした?」
環奈。
「近代ではとにかく。」
「自然由来の考え方。」
「自然の道理に従っていく事を選んだ。」
千夜。
「もっとむかしはただ。」
「いい暮らしだけが目的でした。」
「庶民は良い暮らしをしたい。」
「その為に戦う道を選んだ人々がいる。」
「支配者が倒され。」
「権力者が交代し。」
「その連続。」
「本質的な進化が無かった。」
「永劫不変な教科書があるのに関わらず。」
環奈。
「歴史を継承する。」
「人の本来の理想は?」
「それを実現していくにはどうすればいい?」
「でもすべての事はしていいのです。」
「有益とは限らない。」
「人の描く理想がつまらないものだったら。」
「美しいもので無いのなら。」
「人類に対して絶望しか抱かない。」
千夜。
「でもいまは自然に還っている。」
「こう考えたらどう?」
「わたしだけ抜け駆け。」
環奈。
「それはいいと思う。」
「歴史は人を忠実に描く芸術作品。」
「歴史を見れば人という存在が分かる。」
「あれが人の本来の姿です。」
「信じようが信じまいがそれが現実ですよ。」
千夜。
「歴史の中に人の理想や夢。」
「信条や心構え。」
「人のすべてが詰まっている。」
「古本屋でもいい。」
「世界史の本を山ほど買ってきて。」
「歴史の持つ本質に迫ってみては?」
環奈。
「歴史を見ていれば。」
「人類の考えている事なんてお見通しです。」
「これだけ言いたいの。」
「むっとくる。」
千夜。
「まあまあ。」
「人類が自ら選択して。」
「自然の道理を選んだのですから。」
「近代史において人類は美しくなってない?」
「歴史という名の芸術作品。」
「小川と森林と。」
「草地と花々と。」
「この池の上のあずま屋。」
環奈。
「別に。」
「ちょっと阿呆やっていたむかしの時代に。」
「文句付けてやっただけなんだから。」
千夜。
「暗黒時代の事を言っているのね?」
「ああいうのは訓戒よ?」
環奈。
「いつでも人類のしくじりは教訓だよねー。」
千夜。
「こういう類の疑問や模索はよくあること。」
「雛鳥が大鷲に成っていく過程の出来事。」
「こんな感じでいいのよ。」
環奈。
「怪鳥鷹を鷲掴み。」
千夜。
「怪鳥対怪鳥。」
「さあてチェスをやってもらおうかしら。」
環奈。
「いやー!!」
「10勝12敗!!」
「いつも激戦になる。」
「すり減る。」
千夜。
「ではカードゲームは?」
「キャラクターデッキあるわよ?」
環奈。
「それだったら楽しく闘えるよ。」
「チェスはさすがに剣振るえば終わるなんてものじゃないから。」
千夜。
「簡単なのがいいわよね。」
「神代。」
「この国は神話の時代から続いているのよ?」
「原始時代からではない。」
「神話の時代からはじまっているのよ?」
環奈。
「原始人はどうやって発生したのですか?」
「海の生物から進化?」
「海の生物。」
「基を辿れば無から有が生まれている。」
千夜。
「人が理解できないから。」
「適当に理由を付けたのよ♪」
環奈。
「理解できない言い訳?」
「それはそうだよねー。」
「とりあいずこじつけて。」
「現時点でなんでも知っているかのように振る舞いたい。」
「じゃないと不安でたまらないらしい。」
千夜。
「わからないほうが神秘的でいいわあ。」
「人知では理解できない不思議なこと。」
「神秘的。」
「人間の知恵では量り知れないような、不思議なさま。」
環奈。
「霊異。」
「人間の知恵では量り知れないほど不思議なこと。」
「霊妙。」
千夜。
「人の理解力を超えているから。」
「有神論を極めるとこんな感じね。」
環奈。
「とりあいずその伏せた魔法カードのコンボ。」
「えげつないんですけど。」
千夜。
「勝負も時の運。」
「強いから勝つものだ。」
「なんて思ってませんか?」
「勝手に自分が強いと思って。」
「弱いと思った相手に対して攻撃前から勝利宣言。」
「これが内容です。」
「むかしのひとは自分が勝つなんて知らなかった。」
「勝利したからそれを見て結果論で勝敗を量るのよ。」
環奈。
「それは迷妄です。」
「っていうか全滅。」
「これで巻き返すよ。」
千夜。
「ちょっと。」
「最後のコイントス。」
「これで勝負が決まります。」
「あらら負けちゃった。」
環奈。
「辛勝。」
千夜。
「青春時代の貴重な1ページ。」
「わたしはまだ訓練するから。」
環奈。
「わたしも。」
「こういう修行時代を終えて。」
「羽ばたいていく。」
千夜。
「神様はわたしがすべき事をわたし以上に知っておられます。」
環奈。
「人類はどう進むのかな?」
千夜。
「暗黒時代の人々は愚者で満ちていた。」
「近代史は賢明な人々で満ちている。」
環奈。
「楽観的になれるかな。」
「腐敗・退廃・堕落を見てしまったから。」
「今後の人類がどうなるのかなと。」
千夜。
「順正で居てくれますよ。」
「これからも。」
環奈。
「そうだよね。」
「とりあいずお城は完成したって感じだから。」
「人類が次に何を築き上げるかを期待!!」
千夜。
「わたしたちも参加しますから。」
「この世界では役者は揃っています。」
「花を髪に付けてみて。」
環奈。
「キャー!!かわいい!!」
「アメシストの髪飾りとふたつでひとつ。」
千夜。
「また夜に会いましょう。」
「女の子やってますよね。」
環奈。
「女の子。」
「女性とは?という問いの中に見出す。」
千夜。
「学びて思わざればすなわち罔(くら)し。」
「思いて学ばざればすなわち殆(あやう)し。」
環奈。
「学んでも考えなければ。」
「はっきり理解した状態にならない。」
「また、考えるだけで学ぶことがなければ、独断に陥り危険であるということ。」
「また夜にっ!!」
ふたり別れて。
家に帰って。
テレビ。
テレビは良いニュースばかりで。
暗いニュースは分けられていて。
今日の最悪10選という名前で定時に発表されます。
経済が完成されていますので。
文化が発展しており。
宗教も同時に繁栄しましたよ。
キャラクターグッズならいくらでもありますから。
自分達で創る方法とかも学校で教わるほどです。
林に囲まれた住宅地。
村のような体系が維持できるのは。
人口が自然に減ったからですね。
女性の3割が自由意思によって結婚を破棄し。
減っていきました。
いまでは同じ水準を維持していますが。
半分になったからです。
夜。
池の上のあずま屋。
蛍が発光して霧も少しある。
幻想的な世界。
環奈。
「綺麗な世界に女の子がふたりきりで。」
「なんか美しくない?」
千夜。
「あらまあ。」
「これぞ女の子って感じで。」
「決まったわあ。」
環奈。
「小雨が降ってきたよ。」
千夜。
「題名。」
「女の子そこにあり。」
「綺麗過ぎるわ。」
「とってもいい。」
環奈。
「オーロラ?」
星空の中にオーロラ。
流れ星が煌めく。
環奈。
「平和の為に戦う人々の。」
「涙のよう。」
千夜。
「戦争もある世界ですが。」
「義戦が多く。」
「聖戦がほとんどで。」
「無益な争いはしません。」
環奈。
「争いは普通にある。」
「でも少なくともわたしは義戦のみ。」
「戦争は実在する。」
「いかなる争いも実在する。」
「ありのまま。」
「わたしは戦いは否定しない。」
「故に様々な者達を倒せる。」
千夜。
「戦争はあります。」
「ただそれはあります。」
「否定しても意味がありません。」
「矛先がこちらに向いたら。」
「戦うしかありませんもの。」
環奈。
「むかしは政権が弱体化して腐敗したり。」
「交代が必要で。」
「その都度権力が倒され。」
「その中で世の中は培われてきました。」
千夜。
「その蓄積が今にあるのです。」
「わたしは肯定しようと思います。」
「否定ばかりじゃ駄目ですから。」
環奈。
「静謐こそ平和の形。」
千夜。
「わたしたちの目的はいつだって天下太平です。」
「これを再確認しましょう。」
環奈。
「記念撮影♪」
千夜。
「うふふ♪」
「こんな綺麗なひととき。」
「この世は不思議ですね。」
環奈。
「反対だよ。」
「人の理解力が愚かなだけ。」
「人の認識力には限界がある。」
「不可知論。」
「あの星になりたい。」
ランプを灯して。
綺麗な池での。
かわいい夜会でした。
夜の美しさがあるんですよ。
家に帰って。
まだ時間がありました。
時も自然の法則。
可能な限り。
勉強に励みます。
思えば最近遊んでばかりでしたから。
遅れを取り戻しますよ。
いまのご時世。
世の中に天才の女性が溢れて。
女性の世が到来しているいま。
わたしの心境が杞憂だと知りました。
楽観視していますよ。
だって。
これに集約されております。
ローマは一日にして成らず。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。