第35話

星空が綺麗な深夜。


王様のまち。


首都の警備に参加しましたです。


多数の剣士から優れていると言われて。


城下町の警備に加えられましたよ。


環奈。

「実戦は久しぶり。」


剣士。

「これからの活躍があるからな。」

「実戦経験というのは大事だ。」

「畳の上に100年立っているのとは違う。」


環奈。

「先人たちの教えを受け継ぎました。」

「わたしにはできます。」


剣士。

「それならもう言葉は要らない。」

「一人前というわけだ。」

「自分の事を言えるわけだから。」


環奈。

「先人たちが築き上げた大地に立っている。」

「決して否定してはいけない。」

「それはその者たちが愚かだという事実を決定付ける。」


剣士。

「そんな馬鹿な。」

「偉大な先人たちが築き上げたものを否定し。」

「すべて自分たちですべてやりましたとか。」

「そんな事を言ってみろ。」

「そんな奴らが貪るような世になってはいけない。」


環奈。

「わたしのいつもの杞憂です。」


剣士。

「その時は神々が罰してくださる。」

「いいではないか。」

「甘んじて罰を受けようではないか。」


環奈。

「そうですよ。」

「すっきりします。」


フェルトと合流。


剣士。

「最近は悪い意味で古い連中が幅を利かせているから。」

「不意にやられるなよ。」


フェルト。

「負けるもんですか。」

「馬鹿な連中を晒し首にしてやりますよ。」


剣士。

「おお!士気が高いな。」

「最近の女の子はあれか。」

「新世代なのか?」


環奈。

「もしかして女性を定義付けていませんか?」

「私は本来の女性とはこのようなものであると思うのです。」


フェルト。

「女性の哲学はこの世に必要不可欠。」

「女の子のカッコ良さ。」

「女性の美学。」

「わたしの追求したもの。」


剣士。

「素晴らしい。」

「いつかいいライバルになるだろう。」

「その時は正々堂々勝負だ。」


フェルト。

「その時まで腕を磨いておかないと。」

「ベテランの名が恥じるわよ。」


剣士。

「私はレディファースト。」

「その時勝つのが本物だ。」

「本当に素晴らしいよ。」


ランプを付けて警備していますよ。


何か向かってきますが。


味方の忍者部隊でした。


この辺りで待ち伏せしているそうです。


剣士。

「どうやら旧体系派だろうな。」


環奈。

「勝算があるのかな?」


フェルト。

「歴史を結果論で見ると駄目。」

「先人たちは自分が勝つなんて知らなかった。」

「それと同じ。」


環奈。

「でもあまりに無謀だよ?」

「的を絞っているはず。」

「たとえば議事堂とか。」


剣士。

「有り得る。」

「連絡があった。」

「我々は議事堂の守備に就く。」

「今夜は一戦ありそうだな。」


公園と花壇と銅像と。


池と樹木と展示物。


真ん中の議事堂。


3階建ての城のような作り。


既に警備員がけっこう配置されていますよ。


装甲兵がたくさんいて。


特殊な装甲服を着ています。


これだと機関銃も効果ないでしょう。


環奈。

「あの装甲服かっこいい。」


フェルト。

「重機関銃も耐えられる。」

「美しいわあ。」

「男性にも美学がある。」

「そう思わない?」


環奈。

「ああなんて素晴らしき芸術品。」

「負けてられない。」

「わたしたちも女性を魅せなきゃ。」


フェルト。

「きっちり戦果をあげましょ。」


環奈。

「まずは生き残る事が前提。」


剣士。

「そうだよ。」

「まず生き残る。」

「敵を討ち取るのは二の次だ。」

「生存を度外視した戦術など採用してはいけない。」


フェルト。

「わたしは雷撃戦が好きだから。」

「なるほど。」

「分が無い突撃はやめたほうがいいかしら。」


剣士。

「勇敢と無謀は違うぞ!」


環奈。

「なんか最終的に成功すれば勇者みたいな。」


剣士。

「そうだったりして。」


フェルト。

「実戦から学ぶことは多そうね。」

「実戦無き武術は役に立たない。」


屋上。


特に気配なし。


でも敵さん。


複数の方向から攻めてきたので。


対応できませんでした。


複数の方向から複数の手段で。


狙いは核の発射コードでしょう。


いまここに保管されているからです。


端末を操作すれば。


核ミサイルを動かせます。


敵主力部隊はミサイルサイロを攻撃していて。


こちらには特殊部隊。


屋上で敵と遭遇。


わたしたちを半分無視して進入していきます。


わたしたちの小隊5人と敵小隊3人が交戦。


敵があっという間に切り伏せられて。


対人戦を把握することができました。


みんな敵を追いかけていきます。


敵士官がエアークラフトで屋上に着陸。


なんと。


わたしとフェルちゃんだけ!?


敵兵2人と交戦。


女性ならではの身のこなしに。


敵兵はついてこれません。


女性は盾を装備しない傾向にあります。


回避を追及するためです。


敵は苦戦して。


ふたりのあまりの敏捷性に驚き。


怯みます。


こちらも攻めきれないです。


相手のガードが硬過ぎます。


屋上に残っていた部隊が援護に来て。


特殊なワイヤーを発射。


一度は斬られますが。


味方が果敢に組み伏せて。


敵の士官と将校は拘束されました。


わたしははぐれたので。


議事堂の中に慌てて追走。


フェルちゃんは仲間と合流。


わたしもデータリンクを頼りに合流しに行きます。


環奈。

「みんなどうして動きが乱雑なんだろう?」

「そっか!」

「相手がかき乱している。」

「攪乱!」


敵兵2人に発見されて攻撃を受けました。


横にひらりとかわして背中を頂きます。


もうひとり。


なんか横の動きに弱いですね。


ひらりとかわして。


距離をとって。


ミスするまで待ってみました。


敵は焦って。


突撃するも。


足払いで転んで。


足を頂きました。


環奈。

「そんなに強くないのかな・・・。」


剣士。

「おお!たいしたものだ。」

「探していたぞ。」

「敵がわざと滅茶苦茶に動いて攪乱している。」

「目的がわからない。」

「たぶん適当に攻撃して自分の存在を誇示しようとしたのだろう。」

「もう旧体系派は野放しにはならないぞ。」

「思い知らせてやる!」


環奈。

「ちょっと!足が速いです!」


敵兵総勢50人。


敵軍は使い捨て。


捨て駒的な兵士だけでしたが。


複数の目的を持っており。


5つあるうちの1つでも達成できればいいな的な。


中々の味の作戦だったそうです。


ミサイル・サイロにて敵軍撤退。


たまにあるのです。


戦争というものは。


戦争は世界のはじめからあるものです。


自然の摂理です。


人は戦争に多くの理屈を求めますが。


はじめから定まった宿命に抗うことはできません。


受け入れた者には力を授かるからです。


神が戦争によって人を試す事は知っています。


つい最近悟ったものです。


確かに。


私達は戦争を続けています。


必要があるからです。


でも。


平和の道を見つけることが大切です。


みんな知っています。


事後処理中。


フェルト。

「やるじゃない。」

「ふたりも殺るなんて。」


環奈。

「わたし思った以上にやれるんだね。」

「過小評価?過大評価?」


剣士。

「いい経験だったな。」

「そして生き残っている。」

「素晴らしいではないか。」

「新聞に載るかもしれない。」


環奈。

「自分を示せたのなら。」

「これ以上の名誉はありません。」


フェルト。

「まだ勝負はこれからよ?」


環奈。

「次はフェルちゃんが大活躍とか?」


フェルト。

「わたしの自慢話をたっぷり聞く事になるわ。」

「覚悟しなさい。」


環奈。

「オーケー!」

「このくらいで勝った気にならないよ!」

「まだ一回だけ勝っただけ。」

「最終的な勝利は未知の世界。」


剣士。

「謙虚でブラボー。」

「ほら新聞記者だ。」

「期待の新星?」


フェルト。

「今回はあなたの勝ちよ。」

「うふふ。」


環奈。

「え?コメント?そんな。」

「でも可能な限りお答えします。」


帰りの車の中で。


夜空が広がる。


わたしの1ページ。


流れ星があったから。


つぶやいてみる。


まだわたしははじまってはいない。


でも女性を極めようと思う。


私のやり方。


私自身の女性として。


やっぱり本来の女性とはこういうものでは?といつも思うの。


わたしは切符を買い求めてこうしている。


わかる?


切符が必要で。


いつか得られると。


そして出発するの。


わかる?


ちょっと人としての生々しさはあるけれど。


人は不完全ですから。


それらを包括しつつ。


女の子として。


わたしの存在はここにあり。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る