第32話

軍関係者にスカウトされて。


訓練施設でシュミュレーターをやっていますよ。


軍で使用される本格的な戦闘機シュミュレーターで。


「セクィトゥル」という小型高性能戦闘機の訓練で使用されているものです。


セクィトゥルは「MAPO」MiG-1.44のようなフィルムでかっこいいです。


環奈。

「山を飛び越えて。」

「わたしには空がある。」

「登山家には景色がある。」


基本的なマニューバーのテストと実戦試験が行われます。


次にWPの通りに飛行して。


爆撃を行うそうです。


離陸して飛行すると。


マキナ戦車の小隊がありました。


実はわたしが大好きな戦車なのです。


かつてのPL-01のような姿をしていて。


けっこう強いのです。


対空砲撃までしてくるので。


おもしろくなって。


ちょっと情念が暴走しました。


環奈。

「身持ちの堅そうな戦車ですね・・・。」

「プロポーズの仕甲斐があります。」

「その堅牢な装甲。」

「わたしの想いで貫いてさしあげます!!」

「あり余るこの熱情・・・。」

「この想い!弾丸に載せてあなたへ届け!!」


リベロミサイルで撃破ですよ。


このミサイルはいかなる目標にも攻撃できるのです。


小型で携行能力も高くて。


万能なミサイルなんですねー。


戦車小隊が全滅したので。


帰還ルートを飛行しますが。


ドゥクス戦闘機のエレメントが現れて。


僚機と共に2対2です。


ドゥクス戦闘機。


中型でかつてのX-2試験機のようなフィルム。


実はわたしが大好きな戦闘機なのです。


相手はカエルムミサイルのようで。


射程が長い反面。


命中精度が低く。


運動性能が高い機体には当たりませんが。


マイクロ・ミサイルを使って迎撃したりして。


楽々回避。


反撃のち。


強引に格闘戦ですね。


環奈。

「そう死に急ぐな、無知なる者よ。」


ドゥクス戦闘機を1機落としましたよ。


簡単です。


でも。


アウデオ戦闘機が入り込んできました。


アウデオ戦闘機も大好きなんです。


I-3戦闘機みたいなフィルムはとっても好み。


環奈。

「今度はアウデオ戦闘機ですか。」

「移り気な司令部ですね!」

「他の子に取られないように。」

「猛アタックしてあなたを仕留めます!!」

「強敵なハートブレイクで避けられても。」

「何度でもアプローチして見せますから!!」

「見惚れた戦闘機に狙いを定めます!!」

「貴方を落とすまで!!」


アウデオ戦闘機は簡単に撃ち落とせました。


ドゥクス戦闘機も落ちていきます。


同じタイミングで僚機も落ちましたね。


環奈。

「機動を読めばそのスピードも無意味なんだよー。」

「哀れだな、力無き者は。」


残弾はアクィラミサイルが1発。


機銃は尽きています。


損傷が無いので。


そのまま空軍基地へ。


着陸してシュミュレーターを終了しましたよ。


コックピットから出ました。


教官。

「素晴らしい。」

「そこまで戦えるとは。」


環奈。

「セクィトゥルはちょっとエンジン推力が足りないです。」

「フォルトゥムのほうがいいです。」


教官。

「では次はフォルトゥムのシュミュレーターに乗ってもらおう。」

「今日は協力感謝します。」


休憩ルーム。


ミーティングルームで話し込むふたりを覗き見しちゃいました。


関係者。

「あの娘には未知の能力が備わっているような。」


教官。

「ニュータイプ?」

「漫画であったが実在するのでは?」


関係者。

「超能力の類?」


教官。

「神知の成せる技かもしれない。」


関係者。

「さすがにあのお方の娘さんだけある。」


環奈。

「おもしろい事を言うなあ。」

「私もそこまで到達したのかな?」

「免許皆伝?」

「まさか。」


休憩ルームで書類を渡されて。


専門家の意見が書かれています。


セクィトゥル戦闘機の感想が欲しいそうです。


環奈。

「ソロモンに習うと。」

「人というものは最期に残るもの。」

「五千万円の貯金と土地と子孫。」

「それだけ。」

「みんな同じ結果になるという意味です。」

「少なくともわたしは違う結果になりそうです。」

「進みますよ。」

「神と共に。」


丁寧に書き記して。


提出。


引き続き協力することにしましたよ。


わたしのマニューバーは何か違うらしく。


戦闘能力。


状況判断能力など。


並のパイロットと比較できないそうで。


いつもやっているフライトシュミュレーターをお父さんが見ていて。


推薦してスカウトされたんです。


期待以上の結果を残せたようです。


わたしが仮に本物であるならば。


いろんなひとに敗北をもたらすことになりそうですよ。


夏休みのひととき。


期待の新星ここにありって感じ?


そんなまさか。

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