第20話
桜花ちゃん。
中央ホールで友達と一緒にダンス。
決めポーズ。
拍手喝采。
環奈。
「すごーい。」
桜花。
「でしょ?」
環奈。
「どうやったらそんなになれるかな。」
桜花。
「とにかくなんでもやってみたら。」
「多芸多才になれたなー。」
環奈。
「かんなはそこまでできないのだ。」
桜花。
「私はけっこう猪突猛進だから。」
「時に考える前に行動している。」
「それが結局いいほうに転ぶのよね。」
環奈。
「突撃あるのみだねー。」
桜花。
「まあどういうふうにもなるんじゃない?」
「どうにでもなるしどうにでもできる。」
「これが私の原則。」
環奈。
「かんなは上手に立ち回ることを考えるのだ。」
桜花。
「後は野となれ山となれ。」
フェルト。
「楽観的なのはいいことかもしれないわ。」
桜花。
「良い実を成らせたいわ~。」
「それがいちばんの願望。」
理沙。
「悩みはないの?」
桜花。
「あるわよ。」
「カップラーメンの3分がどうしても待てない。」
環奈。
「かんなもそうなのだー。」
フェルト。
「簡単でいいわね。」
「珍しい人。」
桜花。
「あれこれ考えても何もいいことないでしょ?」
「私の場合。」
「悩みがあるとすれば。」
「人の愚かさが邪魔になることね。」
「でも正々堂々としているわー。」
「私に何も非が無いから。」
「相手が責任を負って。」
「私はその上を通ればいい。」
フェルト。
「まあ一理あるわね。」
「考えたからと言って。」
「悩んだからと言って。」
「それが良い実に繋がるとは限らない。」
桜花。
「自分にやましい所が何も無ければ。」
「あとは他の人の罪よ。」
「こういうわけで。」
「捨て身タックルしかしないわー。」
「悩みが出たとしても。」
「正面から突進しかしない。」
理沙。
「悩みを捨てたの?」
桜花。
「心配なんてない。」
「そんなに弱くない。」
環奈。
「かんなも思ったよー。」
「人を苦悩に駆り立てるのは。」
「人の弱さだって。」
「人は融通が利かないから。」
「人のせいでうまくいかない事は多い。」
「でも正々堂々としていたほうがいいよね。」
「相手に責任を問いただしてどかして通るとか。」
桜花。
「そうそう。」
「私が唯一嫌っているのは。」
「人が障害になる時よ。」
「その時は力づくよ。」
「相手に非があれば単なる邪魔者。」
「私もう行くわね。」
「次はヴァイオリンを友達と一緒に弾くの。」
「さらば~。」
いつも忙しい桜花ちゃん。
生き方も猪突猛進。
これまで融通が利かない人たちと渡り合ってきて。
すべて打ち負かしてきたようです。
人は災難の権化である。
桜花ちゃんはまるで戦車のようですね。
青春街道を真っ直ぐ進軍です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。