第16話

渚沙ちゃん訓練中。


自分の魔法力をノートに記して。


弱点や強みを記入。


渚沙。

「FCS射撃をお願い。」


心玖。

「簡単に誘導してあげる。」


遥か彼方の2キロメートルの的に命中。


渚沙。

「あんたの人間レーダー凄いわ。」

「あんな遠くにある的に当てるんですもの。」


心玖。

「わたしの特技だからね。」


麻友。

「特技が無い人はどうします?」


心玖。

「羨むだけで何もしない人は何も貰えないよ。」


渚沙。

「自分そのものを追及する過程で必然的に得られるのよ。」


麻友。

「ですよね。」


渚沙。

「私は敢えて普通から外れてみた。」

「だから非凡になれた。」


心玖。

「みんなと同じならみんなは羊の群れ。」


渚沙。

「どっかで飼いならされている牧場というわけね。」

「中々いい例えじゃない。」


心玖。

「みんなという群れに入るのはなんで?」


渚沙。

「数の力で自分を肯定したいから。」


心玖。

「すっきりした。」


渚沙。

「かんなはどこ?」


麻友。

「さっき水飲みに行きました。」


環奈。

「お待たせ。」

「訓練どう?」


渚沙。

「ちょっと模擬戦がやりたいわ。」


環奈。

「やろうやろう。」

「チームはひとつにならないと力を発揮しない。」

「魔法を吸収する魔石を装着して。」

「2対2で。」


夏休みには自由時間が豊富です。


通常の授業もやっていますが。


ほとんどの人は部活に熱心ですね。


環奈。

「理紗ちゃんに追いつくため?」


渚沙。

「むやみにライバル意識を持つとよくないわ。」


麻友。

「でも渚沙ちゃんなら理紗ちゃんに充分勝てるのでは?」


渚沙。

「理紗は自分の限界が見えているんだと思うわ。」

「それで本気を出すのをためらっている。」


麻友。

「限界を突破できるといいですね。」


渚沙。

「突破できないと知っているのよ。」

「自分の才能の限界。」


環奈。

「あんまり高いレベルの人達に囲まれているから。」

「絶対的に敵わないと思ったのかな。」


渚沙。

「そうみたいね。」


心玖。

「かわいそー。」


渚沙。

「私は訓練を続行するわ。」


環奈。

「かんなはアイス食べに行くのだー。」


麻友。

「私もです。」


心玖。

「私もそうだよ。」


渚沙。

「アイスはまた今度にするわね。」


環奈。

「またの機会に行こうね。」


渚沙は訓練続行。


エネルギーが不足してきたので。


終了します。


帰宅。


渚沙の母親。

「魔法によって試される。」

「魔法によって知ることができる。」

「魔法によって到達する。」


渚沙。

「古来から魔法は戦争のスキルだけではなく。」

「自然を直に体験したり。」

「神秘を目の当たりにするためとか。」

「いろんな事が言われてきた。」


渚沙の母親。

「この時代になってもすべては解明されていない。」

「そのことがずっとわたしたちを好奇心に駆り立てる。」


渚沙。

「魔法を使える人は特殊な傾向がある。」

「適した人にしか得られない。」


渚沙の母親。

「様々なおとぎ話。」

「魔法は力となった。」

「意味するのは魔法で何をしでかすか。」


渚沙。

「魔法によっていつも問われる。」

「心得ているわ。」

「今日はもう休むわね。」

「少し使い過ぎたから。」


メールも見ずにベッドで休憩。


渚沙。

「魔法で何をするべきか。」

「考えよという意味よね。」

「私の存在は。」

「この世界に何をもたらすの?」


渚沙ちゃんの夜が更けていきます。


いつも朝。


麻友ちゃんが迎えに来ました。


後ろから奇襲!


麻友。

「わっ!」


渚沙。

「成功よ。」


麻友。

「中々のやり手ですねー。」

「気配が無かったです。」


渚沙。

「凄いでしょ。」


麻友。

「よっ!天下の名女優。」

「スーパーウーマン。」

「賢女!奇才!芸達者!」


渚沙。

「そんなこと言っても何も出ないわよ。」


麻友。

「少しにやけましたね。」


渚沙。

「そんなことないわよ。」


麻友。

「うふふ~♪」


環奈。

「おはー。」


心玖。

「おはようおはよう奥さんグットモーニング。」


麻友。

「みくちゃん何言ってんの♪」


渚沙。

「早いわね。」


渚沙の日常は陽日に包まれて。


クール・ビューティー?


思春期には雑草も生えてしまう。


お年頃かな。

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