第14話
とある日。
心玖ちゃんが「ゲーテ全集」を読んでいます。
環奈。
「難しい本だなー。」
心玖。
「読書百遍義自ずから通ず。」
環奈。
「読書はたまに才能強化に繋がるよね。」
心玖。
「だって。」
「作者が会得した英知が詰まっているから。」
環奈。
「ああ!なるほど!」
「それは有益なわけだねー。」
心玖。
「作者が血の滲む努力で獲得した技を一瞬で獲得できる。」
環奈。
「そうなると読書って自分強化の鍵だよね。」
心玖。
「そうだよ。」
「だから読書してるの。」
「本には当たり外れが大きいから注意して。」
環奈。
「こうなるとかんなは古本屋さんに行ってくるのだー。」
環奈退出。
麻友。
「おや。」
「とても難しい本を読んでいますね。」
渚沙。
「よく理解できるわね。」
麻友。
「ちなみに。」
「インテリは簡単な事を難しく言うんです。」
渚沙。
「無駄に難しくしてどうすんのよ。」
麻友。
「インテリに苦情を言ってくださいね。」
心玖。
「背が小さいってよくないこと?」
麻友。
「さあ。」
「ひとつ言えるのは否定ばかりしていると進歩なし。」
「ということでしょう。」
渚沙。
「個性なのよ。」
心玖。
「だよね。」
麻友。
「なぎちゃんかけっこしませんか?。」
渚沙。
「最近体がなまっているのよのね。」
両者退場。
心玖。
「なんだかみく。」
「ひとりだけ違うのかな。」
フェルト。
「あら~?」
「みんな同じだったらその人は大変な不幸よ。」
心玖。
「みくはちょっと普通の女の子とは大きく違うから。」
フェルト。
「むしろ普通ほど不自然なものはないんじゃない?」
「人の有り方としては全員己の道を貫け~みたいな。」
心玖。
「普通っていいことなのかなぁ。」
フェルト。
「普通の規格にはめ込むつもりなのかしら~?」
「型にはまった人間ってかなりつまらないものよ~。」
心玖。
「だよねー。」
フェルト。
「型にはまった優等生でも目指す?」
心玖。
「そんなのやだ。」
フェルト。
「人は何かの量産型じゃないんだから。」
「もしみんなと同じであれば正解なんだとか言っている奴が居たら。」
「人という存在を侮辱しているようなものよー。」
「つまりは。」
「あなたの個性を大事にしなさい。」
心玖。
「なるほど。」
フェルト。
さりげなく登場して退場。
心玖は本の虫。
家に帰って。
自分の本を書いています。
作家はデビューするまで。
どれだけ没原稿を書いたかが勝負なのですから。
それを前提で大量に作成しています。
心玖。
「将来作家になろうかな。」
「そう。」
「わたしはわたし。」
「みんなと同じという考え方は愚昧。」
「だってみんなに個性がある。」
「現にそうなんだもん。」
「個性を否定する考えはもうやめよう。」
心玖ちゃん。
前文明について研究して深入りしています。
前文明の思想はアーカイブに膨大に残っていて。
学習の過程で間違いを指摘されるのですが。
独学で行き過ぎて。
確かな学がないうちに。
入り込み過ぎ。
ちょっと思想を嗜み過ぎたようです。
この日ついに思想を乗り越えました。
学校では。
自然の法則に基づく教育が行われます。
夏休みにも。
ある程度の授業があるので。
積極的に参加してみることにしました。
心玖ちゃんの成長過程の出来事♪
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