少女の言うことには

――――


「そのノートに記されていたのが包帯男と美人の連れ添いの話だったんです」

「なるほど、それじゃあ、いまあなたが語っている事件とは別に、あのノートに書かれた事件があるということなんですね」

 少女は私の言葉に微笑んだ。その表情からは、その意味するところが読めなかった。だから私はそのまま言葉を継いだ。

「つまり、あなたの語る一昨年の事件は、過去に起きた事件の見立て殺人だったと……」


 ぐぅ。


 私は無言で皿を差し出した。少女はもう顔を赤らめることも無く、カボチャをつまんだ。

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