『美少女と液体人間』

 この時代、日本の特撮マニアの中では、昔の日本の古い特撮から新しい構想を得るのが流行っていた。しかし、版権に引っかかる作品は使えない。この頃、ゴジラっぽい作品、ガメラっぽい作品がどれほど多くあっただろうか。それでもどうにか版権をくぐり抜けた作品が多数アップされた。

 たとえば紅白餅Pの努力作品『大群獣ネズラ』。もとネタは『ガメラ』より早く計画されていた大映映画で、巨大化したネズミの大群が人間を襲う話だ。もちろんこの時代の技術ては高度なコンピューターグラフィックスなど使えない。昔は本物のネズミを使う予定だったらしい。撮影に使うのネズミに疫病が発生したので、製作中止になったとか。

 しかし新しい『ネズラ』に関してはそんな遠慮は必要ないのだ。コンピューターグラフィックスて作られたネズミの大群など、簡単に作り出せる。実際、ネズラが人間を襲うシーンでは、かなりショッキングで、配給の際にしては年齢制限がつけられた。

 何にしても、『ネズラ』の成功は多くのメガプロを活気づかせた。そこでこれまで日が当たらなかった企画に注目が集まった。もちろん『ゴジラ』や『ガメラ』のような版権がうるさい作品は避けなくはいけない。そこで版権が緩い作品に注目が集まった。『地球防衛軍』『宇宙大戦争』のような比較的メジャーな作品から、『マタンゴ』『ガス人間第一号』や『電送人間』のようなマイナーな作品まで。

 その中でハイドロジェットPが注目したのは『美女と液体人間』であり、それをリメイクしたのが『美少女と液体人間』なのだ。

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