――幕間――
あれは確か、二年くらい前の夏の夜だ。
七月の、梅雨が明けて一週間程が過ぎたときに、変な体験をしたと教えてくれた。
「次、俺が話そうか。姉貴が体験した話があるんだ」
全員を見回しながらそう言うと、真っ先に羽切が食いついた。
「まぁ、お姉さんがいらっしゃるんですね。どんなお話なのか、興味があります」
「
戸波もうんうんと頷き、渋沢は黙って俺が話し始めるのを待つ態勢を作っている。
「二年くらい前、適当に聞いてた話だから、ちょっと脚色する部分もあるけどそこは勘弁ね。二年前の七月に、姉貴は今の旦那と夜にドライブに出かけたらしいんだけど、その最中に体験した話」
そう前置きをして、俺は当時の姉との会話を思いだしながらその不思議な体験を語り始めた。
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