第四話:鳴き声
籠に仔猫たちを入れ、それをお父さんに捨ててくるよう言いつけられたお婆ちゃんは、逆らうこともできないまま村の外れにある河原へ持っていきました。
それでも、やはり生き物を捨てるというのはどうしても嫌で、お婆ちゃんは暫くの間仔猫たちを撫でながら「飼えなくてごめんね」と謝っていたそうです。
そうしてぐずぐずしている間に日が暮れ始め、さすがにもう家に戻らないと親たちに叱られると、お婆ちゃんは名残惜しい気持ちを引きずりつつも仔猫たちへ別れを告げて家路へとつきました。
日が沈みだすと暗くなるのもあっという間で、家に帰り着くより先に辺りは夕闇に包まれだし、お婆ちゃんは心細くなりながらも家に向かって歩いていると、突然背後から微かに猫の声が聞こえてきた気がして、ハッとしながら振り向きました。
と言うのも、捨ててきた猫が付いてきたのではと思ったらしいのですが、薄暗い道をよぉく目を凝らして見てみても、どこにも猫も姿は見当たらない。
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