――怪談会へ――
こんな寂しい場所に、女性が一人で暮らしてるのか。
純粋に凄いなという尊敬の気持ちと、一人きりで日々を過ごしていることへの哀れみをかき混ぜた気分になりながら、俺は開かれた玄関を潜り家の中へと入った。
「……すげぇな。何か、田舎の爺ちゃんの家とかってこんなイメージだわ」
「お邪魔します。フミくん、お爺ちゃんいたっけ?」
「いや、生まれたときにはどっちももう死んでたから、会ったこともねぇよ」
俺の後に続いて中へ入った二人も、物珍しそうな顔で家の中を眺め回した。
ガラガラと音の鳴る、横へスライドさせるタイプの玄関を入ってすぐ目の前が、もう茶の間になっている。
そのまま真っ直ぐ、正面にはもう一部屋あり、座敷になっているそこは、たぶん寝室に使われているのだろう。
「狭いかもしれませんが、どうぞ。こちらへお座りください」
先に茶の間へ上がった女は、部屋の隅に重ねてあった座布団を三枚ちゃぶ台の前に並べ、俺たちを
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