第二話:最期は一緒に
そのぬいぐるみ、普段はリビングの棚にしまっていましたから、わたしの布団にあるはずがないんですよ。
なのに、どうしてここにあるのかなって、旦那が入れたとは考えられないし首を傾げていたら、突然携帯が鳴って……。
病院から、息子さんの容態が急変して、たった今亡くなりましたって知らせが入ったんです。
慌てて旦那を起こして病院へ行って、ただ眠ってるみたいに目を閉じている息子を見た瞬間、朝のぬいぐるみが頭に浮かんだんです。
あれはひょっとして、息子がやったんじゃないか。
一人で寂しくて、それで帰って来てたのかなって。
そうとしか思えなくて、家になんて帰らないで側にいてあげれば良かったってそのときになって思って……。
一人にしてごめんねって何度も謝りながら息子の手を握ったら、まだ少しだけ暖かかったんです。
それが、布団の中で手に触れていたぬいぐるみの温度と言うか温かさと妙にそっくりで、ああ……やっぱりあのとき、息子が一緒に寝てたのかもって。
その瞬間、不思議とそんな風に思ったんです。
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