第二話:最期は一緒に

 これは八年前、わたしが二十五のときに体験した話なんですけどね。


 わたし、二十歳になってすぐ高校時代から付き合ってた彼と結婚したんですよ。


 それで、二十二のときに最初の子を出産したんですけれど、その子が三歳になったとき、交通事故に巻き込まれてしまいまして。


 ちゃんと見ていなかったわたしが悪かったんですけど、すぐに救急車で病院へ運んでもらってそのまますぐにICUへ入って緊急の治療が始まって。


 そのまま三日が過ぎても意識は戻らず、本当にもうギリギリの状態が続いていたんです。


 それで、四日目の早朝、さすがに連日病院へ泊まり込むこともできなかったので、その日は家に帰って仮眠を取っていたのですが、不意に何かが手に当たっているような感触がして目を覚ましたんです。


 旦那は隣の布団で寝ているし、別に身体に触るような物なんてあるわけがないはずなのに何だろうと思いながらそれを掴んで布団の中から出したら、それ、息子が気に入っていつも持ち歩いてたマスコットキャラのぬいぐるみだったんです。

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