第2話 己の身

「はっ!」


僕は急に目を開けた。他人が見ていたら多分、びっくりするだろう。

とりあえずあたりを見回してみた。


「木しか無い…だと…」


今気付いてしまった。気づきたくなかったかもしれなかった。

なぜかって?ちょっと中二病っぽくなってたからだ!


「とりあえず、精神的に疲労がやばいから休むか…」


あの世界では小5だった。休むくらいのことはする。猪突猛進したら危険だということも知っていた。


「確かフレンズがいる、と聞いたな…どういう生き物なんだろうなー?」


そんなこと言ってたら、何処から足音が聞こえた。


「む、敵襲か!?」


中二病、勃発である。

とりあえず、死んだふりでもしてみた。すると、やはり何者かがやってきた。


「あれ、この辺りで声がしたんだけどなー、それと…この子の顔、良さそうだし、頂いちゃおうかな?」


顔!?いやいやいや、顔面、大事!転送されていきなり顔面失いたくない!とりあえず目を開けることにした。寝てた、という設定で。


「…ん、何が…」


「あ、起きちゃった、いい顔頂こうと思ってたけど…」


「うわぁぁぁ!だ、誰ですか、あなた!」


思わず、大声を出してしまった。ここで仲間を呼ばれたらやばいと思ったが遅かった、出してしまったのだ、大声を。


「いやいや、なんで逃げるんだい?」


「いやいやいや、顔がなんちゃらかんちゃらって聞こえましたよ!?食べるつもりでしょう!?」


さすがは性格の変化、オーバーなリアクションを取りすぎてしまった。


「とりあえず落ち着いて、ほら、ジャパリまんだよ?」


突然まんじゅうを差し出されたぞ!?なんだこれ、美味しそうにしか見えないぞ!


「…油断させるわけでもないですよね?」


「…させると思うかい?」


「まあ、それ食べて落ち着かせてもらいますね?」





「ふう、ごちそうさまでした」


「…」


「あのー、何書いているんですか?」


「!?、ああ、ごめんごめん、気にしないでくれ」


「…気になりますよ?」


「何を疑うも、君のジャパリまんを食べていた顔がよくてね」


なっ、この人、食べ顔を書いていたのか!?許せん…!、…だが、ここで騒ぐわけにもいかない、そう、いつでも冷静なんですよ?

そして、食べている時に気づいたが、ケモ耳と尻尾がついているぞ!?耳がらあるのは聞いたが、尻尾もあるのは聞いてないぞ!?


「聞きたいことがあるんですけど…」


「奇遇だね?私もだよ!だけどここでは話しにくい、場所を変えようか!」


そんなこと言われ、あの人についていくことにした。

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