第1部 転生
第1話 転生…?
僕は、世界に見捨てられた。
彼だってそうだ。
みんなにいじめられたりし、耐えられなかった。
そんな中、好機が訪れ、船から飛び降りた。
高さと陸までの距離からして、助からないだろう。
だが、僕たちは決心して飛び降りたんだ。そのことに悔いは無い。
だが、今までの思い出が蘇った。しかも、思い出したくない思い出ばかり。
いじめてきた人、見て見ぬ振りした先生、虐待をしてきた家族…など、悪いことばかり。
だが、思い出した直後、柔らかそうで、痛い衝撃が体に走った。
…
「あれ、ここは…」
ゲームや小説によくありそうなセリフで起きた。
周りは…白かった。
だが、後ろを見ると、黒かった。
「僕は飛び降りたはずじゃ…」
そんなことを思っているときだった…
「そーこーのーきーみー?」
「うわっ」
上から人?らしき生き物がゆっくり降りてきた。
「君、誰?」
「僕は…あれ?」
なぜか、名前が思い出せない。
「名前がわからないのか?」
「はい…」
「君のことは知っているぞ?今さっき飛び降りただろ?」
「!? なぜそれを…」
その人?はなぜか僕の飛び降りたことを知っていた。
「そりゃあ、神ですから!」(`・ω・´)キリッ
「神って…いるわけないでしょうよ…」
僕は神などの曖昧なことは信じないようにしている、だって、科学的根拠が出てきていないからねぇ。
「オイナリサマって言えばわかるかなー?」
「オイナリサマって、あの神社にいる尻尾が何本かあるものですか?」
「それはキュウビだねー」
「んー、じゃあ、なんの神様ですか?」
「色々なことに幅広く信仰されている神様だねー」
幅広くかぁ…交通についてもかな?(大正解)
「まあ、そんなことは置いといて、だ、本命にそろそろ触れようか」
ん、何かあったのか?
「君、死ぬ前に何か願ったよね?」
確かに願った、人のいない平和な世界に行けますように、だっけ?
「確かに願いましたけど…」
「そのことなんだが、人のいない世界には連れて行ってあげられないことはない」
何!?それが本当なら今すぐ連れて行って欲しいところだが…
「だが、1つだけ注意点があってな…、あの世界には戻れなくなる可能性が大なんだけど…大丈夫?」
「むしろあんな世界行きたくもありませんよ…見ていたんでしょう?僕の生活」
「確かに見てはいた。酷いものだったね」
「だからこそですよ、早く連れてってください!」
「わ、わかった…だけど、あっちの世界は人間に似た生き物「フレンズ」という生き物がいる、私もフレンズの一部らしいが…」
「もっと簡単な説明くださいよ…」
「人にけものの耳がついた、と考えてもらえばいいと思う」
そんな生物いてもいいのか!?その世界自体が異次元かもしれない!?いやいや、怖すぎでしょ!
「いや、怖いですね…だけど、そんなこと考えたくもありません、できれば早く連れて行って欲しいです!」
「わかった、じゃあ、転送するぞ?」
何かを忘れていた、そう、彼のことだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「ん、どうした?」
「あの人のこと知りませんか?さっきまでいた世界ではうっちーと呼んでいましたが…」
「あー、あの子ねー、もう転送したから大丈夫だよ?そっちに行ったらいつか会えるはずだよ?」
「よかった!もう転送してもいいですよ?」
「わかった。では転送するよ?」
すると、僕の体の周りから輝いたものが溢れ出した。
「あっちの世界では「サンドスター」という物が必須だから、無くなったら生きれないからね?気をつけてね?」
サンドスター?どこかで聞き覚えが…
「あと、みんなに仲良くしてねー?」
そのことを聞いた瞬間、意識が消えた。
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