第9話妖精
死神その1の襲撃から2ヶ月が経った。
あれから何故かテルフロード殿下が頻繁にうちにやってくるようになった。と言っても、1週間に1回くらいだけどね。前は全く来なかったのに。どういう心変わり?
は!もしかして、私なんかフラグ立てた!?ゲームが始まる前にこの世からおさらばは、やだよ!
という私は只今フラード公爵家自慢のバラ園でお茶を1人で飲んでおります。もう一度言いますよ?1人でです!
市民A は!公爵家のお嬢様が侍女も付けずに1人
でお茶?笑わせるな。
市民B えー。可哀想ー。ついにルーバルク様に
愛想尽かされちゃった?フフフ。
えーい!市民Aも市民Bもうるさい!モブのくせにー!
特に市民B!お前絶対お兄様狙いだろう!絶対にお兄様は渡さないからな!ていうか、市民A、Bって誰だよ。
まぁ、そこは置いといて、なんで私が1人かって?
まず!お父様は仕事。お母様はお茶会。お兄様はお父様の仕事について行っちゃった。ティルはお使い。
だから、1人。決してハブられてる訳では無いよ?多分...
「はぁ。暇だなぁ。」
思わずため息を吐く。
『暇なの?』
ふと、何処からか声がした。
え?誰かいる?
辺りを見渡すが誰もいない。
『上だよー。上ー。』
上?声の通りに上を向くと
「な、何これ!?」
私の頭の上に光輝く謎の塊が浮いていた。
え!?何!?ホラー!私、ホラー無理なんだけど。
混乱する私をよそに謎の塊が喋り出した。
『こんにちは!僕は光の妖精!君と契約したくてきたんだ。ねぇ、僕と契約しない?』
え?は?け、契約!?妖精!?...ダメだ。要領オーバー。
『ねぇー。良いでしょ?ダメー?』
「ていうか、妖精さん。なんで悪...私なの?」
危ない。危ない。悪役令嬢って言いそうになっちゃった。流石に言ったら、何言ってんだこいつってなるよね。
『理由?えーとね。まず、君の魔力が凄いから!あと、君は妖精と神の愛し子だから!』
「え!?」
え?待って待って。妖精と神の愛し子ってヒロインがなるものでしょ?なんで、私なの?神って、ゼルベル様の事?ゼルベル様に愛されてるって事?光栄な事なんだろうけど、なんかビミョー。ていうか、ゲームでのメラエルの魔力は味噌っかすだったよ?転生特典みたいなやつ?
『理由はその2つ!ねー。ダメ?』
「妖精さん。私があなたと契約するメリットを教えてくれない?」
『えーと、君が僕と契約すれば、いざと言った時に助けられるし、魔力量も増える!』
おー!結構良いメリットじゃん!これは、契約した方が得かな?...よし!決めた!この子と契約しちゃおう!と、その前に。
「妖精さん。あなたのメリットは?」
『え?僕のメリット?んーと。もっと長生き出来るし、僕の魔力量も増える!』
なるほど。よし!
「良いよ。でも、私契約の仕方分かんないよ?」
『大丈夫!僕に名前をくれるだけでいいから。』
名前〜?んー。何がいいかなぁ?んーじゃあ。
「コンなんて、どう?」
だって、金色と言って最初に思い浮かんだのがコインだから、コン。ネーミングセンスが...
『コン!いい名前をありがとう!』
すると、コンを取り巻いていた光がより一層強く光り出した。
うー。眩しい〜。
光が徐々に収まり出すと、小さな羽を持った妖精が確認できた。いや、コンは最初から妖精だけどね、周りを取り巻いていた光が強すぎて姿が見えなかったのよ。
「わぁー。これから、よろしくねコン!」
『うん!よろしく!えっとー。』
「あ!自己紹介がまだだったね。私はメラエル。フラード公爵家の長女だよ。メラって呼んでね。」
『分かった!メラ!』
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