第3話 義兄妹と管理者

 うっ、さっきのはなんだったんた?

 そう思いながらゆっくりと目を開ける。


「ここはどこだ?」


 周りを見回す限りどこまでも白い部屋。


「う〜⋯⋯兄さん」


「月奈!大丈夫か?」


 隣で眠っていた月奈が目を擦りながら体を起こし、周りを見渡す。


「ここはどこなんでしょう?」


「さぁな?とりあえずまともな所じゃなさそうだけど……」


「うあああ!!!もうヤダーー!!」


 混乱しているというのに、突然叫び声が聞こえて後ろを振り向く。


「もぉー、lやってらんねー!なんでそーなんだよ!!うあああーー!!」


 なんか自暴自棄というか、

 酒を飲んで友人に会社の不満をぶつけるOLみたいなことを半透明のディスプレイに向かって叫んでる金髪の少女がいた。


「「あ、あのー……」」


「えっ?」


 声をかけると、少女はこちらを振り向く。そして俺たちの顔を見るなり表情を固まらせる。


「な……」


「「な?」」


「なんでー!!」


 少女がいきなり叫んだ。

 ……それ、完全に俺たちのセリフだと思う。




 __________________


「はぁー、全く何でこんなことに……」


 少女は固まった状態から戻り、現在の俺たちの状況を調べてくれている。


「ああーなるほどなるほど。はいはい、そういうことかー」


 何か納得をしたらしく、こちらを向き説明を始める。


「えーとですね、まず自己紹介をしましょうか。わたしはあなた達の世界の管理者、管理者ナンバー10です。」


 と名乗る管理者ナンバー10。 

 それって名前なんだろうか?


「えっと、俺は星空冷夜です。こっちは……」


 と言いながら月奈の方を見る


「義妹の星空月奈です。あの、管理者ナンバー10というのは名前なんですか?」


 月奈も同じことを思ったらしい。


「そうですが?もし、呼びづらければ他の呼び方をしていただいてもいいですよ?」


 ナンバー10の言葉に、月奈がウ~ンと悩みだした。月奈はゲームの名前とか、かなり凝った名前を付けるタイプだかなら。


「……あ、じゃあ「てんちゃん」ていうのはどうですか?」


「天ちゃんですか?」


 管理者が不思議そうな顔をしている、というかそれって。


「それって、……管理者ナンバー10だから10《天》ちゃんてことか?」


 また安直な名前だ、月奈は悩むのに最後はシンプルかよく分からないとこに着地するんだよな。

 そう言うと月奈は拗ねるように「いいじゃないですか…わかりやすくて」と言ってくる


「わたしもいいと思いますよ、分かりやすいですし、可愛いですし」


「ですよね!!」


 二人は嬉しそうに可愛い、わかりやすいと言い出した。……まぁ本人がいいならいいけど。


「さて、自己紹介も終わりましたし次はお二人の今の状況を説明しましょう」

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