夏
野ノ瀬雀
青時雨
制服が湿っぽい。大きな雨粒がボタボタと降っている。授業の声が段々遠くなっていき、僕の耳には雨音だけが響いている。空気が重くなっていくのを、感じている。紫陽花の花びらは雨粒に何度も打たれて、今にも折れてしまいそうだ。雨が降って気温も下がったはずなのに、この重苦しい湿り気のせいで汗が背中をひんやりと伝っていく。じわじわと全身の毛穴から汗が出るのが分かる。苦しくて息がしずらいのは、突然降り出した雨のせいだろうか。それとも、僕の心の内に何か不備があるとでも言うのだろうか?
夏 野ノ瀬雀 @No__zero
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