第1298話 ロボットって?
っと言う事が、パンゲア大陸であったそうな。
まあ、サラとリリアさんの現状をダンジョンマスター達が話してくれただけの事なんだが…色々と大変な事になってるなあ。
あれ? そう言えばちょっと気になる点が…。
「なあ、ボーディ。ちょっと聞きたい事があるんだけど?」
地下の秘密のあっこ…じゃない、格納庫をダンジョン化し、コボルトやゴブリンを指揮しつつ色々な資材を搬入させているボーディに、俺は声をかけた。
「ん、何じゃ?」
ボーディは俺に顔を向ける事無く、そう答えた。
「ちょっと気になったんだけど…サラとリリアさんが操縦訓練してるのって、ロボットなんだろ?」
「ああ、その事か。うむ、広義ではロボットじゃな」
「広義?」
え、んじゃ狭義では違うの?
「ああ、広義じゃな。そもそもロボットの定義とは何ぞや?」
え~っと…、
「人型に近くて、色々な動作が出来る機械?」
「ふむ…人型とは限らんが、まあそれは良かろう」
言われて初めて気づいたけど、確かに産業ロボットとかは確かに人型じゃないな。
「妾は、ロボットとは、あらゆる分野において人の補助をする存在であり、且つその構成の殆どが機械が用いられた物じゃと認識しておる」
なるほど、人の補助をする存在か…。
産業ロボットは労働の補助で、戦闘ロボはそのまま戦闘の補助…なるほどね。
「そういう意味では、お主のウルスラグナも広義ではロボットと言えるかもしれぬ」
ふむふむ………ん?
「いや、俺のウルスラグナは、間違いなくロボットだろう?」
だよね?
「いや、幾つか機械的な物が使われてはおるが…駆動関連の機構は、完全に生体部品のみで構成されておるぞ?」
「な、なにーーー!?」
そ、そんな馬鹿な…?
「いや、そもそもお主等は、使ったら使いっ放しで、メンテナンスもしておらぬじゃろう?」
「…確かに、何のメンテもしてない…」
「あれのエネルギーは?」
「俺が注いだ…」
「最後は何時じゃ?」
「前の戦争の時…が…最後かな?」
「まだ動くんじゃよのぉ?」
「動く…」
「そんな不思議なウルスラグナが、完璧にロボットだと言えるのかや?」
「…………………………」
ロボットじゃない…のか? んじゃ、あれは何なんだ?
「機械的な部品が使われておったらロボットじゃと強弁するのであれば、元のサラやリリアの肉体もロボットと言えるじゃろう」
確かに…。
「生体の一部に機械を使用しているからロボットじゃというのであれば、お主の元の世界…地球といったかの? そこの医療では機械を身体に埋め込む事もあったそうでは無いか。それもロボットなのかや?」
「確かにそれは違う…な」
「じゃろう? お主が創り出したと思っておるウルスラグナは、その構成の95%ほどが他の次元世界の生命体が元となっておる。そこに機械部品を埋め込んだ戦闘用の補助兵器じゃな。まあ、ウルスラグナとやらは、そもそも元の次元世界で使われておる兵器の様じゃから、別に管理局が生きた生物に手を加えわけではなさそうじゃがな」
なんと、『ウルスラグナは、実はオーラバ〇ーだった!』説が発覚!
確かによくよく考えると、ちょっと…いや、かなりダイエットさせたら、確かにドラ〇ロに似てるかも?
「まあ、生体部品が便利なのは確かじゃよな」
ん?
「じゃから、サラとリリアの為のロボットには、疑似生体部品をこれでもかと詰め込んでおる」
んん?
「というか、基本的にあ奴らのボディを巨大化させたものが、あのロボットのベースじゃからなのぉ」
んんん?
「今の肉体と相性が悪いわけが無いわい。『神経接続時のシンクロ率』とやらは、100%じゃぞ?」
「おま、それは…危険…なんじゃないのか?」
シンクロ率100%の時って、エヴァ〇ゲリオンはどうなってたっけ?
「たわけ! 思うがままに動かせぬ兵器など、そっちの方が危険じゃわ!」
…悔しいが、ボーディの言う事は間違いではないと思う。
「でも、ほとんどを生体部品で構成されてるって事は、ロボットでは無いのでは?」
「ふんっ! 疑似生体部品と言ったじゃろう? 生体部品を構成しておるのは、全てナノマシンじゃ。ナノマシンは機械じゃ。つまり、あの2人に与えた巨大兵器は、見た目は生体部品と変わらぬが、完全に機械で構成されておる! 分ったかや?」
は、ハイパーテクノロジーの産物かよ…すげぇ…。
あれ? そういえば、思うがままに動かせない兵器が…あるんだけど…。
「んじゃ、ミヤとヒナはどうなんだよ! あいつら、全然思うがままになんて操れんぞ? それって兵器としてどうなんだよ!?」
「…あやつらは特別じゃからのぉ…」
「特別って何だよ!?」
「学習型の人工知能を搭載したら…、勝手に進化続けておるんじゃよ…」
「勝手に?」
「ああ、勝手に…」
「進化?」
「ああ、日々進化しておるのぉ…」
「「……………………」」
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