第1294話 俺は知ってんだよ!
やる気がメラメラと燃え上がる俺であったが、ふと正気に戻った。
それは、この地下格納庫に何を置くのか気になったからだ。
確かにボーディ達は何かを置くとか言ってたけど、結局薬局ここに何を置く気なんだ?
「今後を見据えれば当然の事ですが、ここには私たちが総力を挙げて造り上げた決戦兵器達を置きます」
俺の疑問に答えてくれたのは、巨乳ネコ耳美人秘書…じゃなかった、モフリーナだ。
「なるほど、決戦兵器…達? 達って事は、複数あるのか?」
「ええ、そうですが?」
さらなる俺の疑問に、何か? といった表情でモフリーナは答えたのだ、
「ちょっとお待ちくだせぇ! 決戦兵器って複数あるんでございましょうか?」
言葉が乱れ巻いたこと、まことに申し訳ない…。
「はい。現在、試作型として2機がロールアウトしております。評価試験の結果次第では、生産型を順次建造予定であります」
生産型か…。
そういえば、結構前に皆に生産型と量産型の違いを力説した覚えが…。
結局は、大量生産型を略したらどっちにもなるんだよねぇ。
「どうかされましたか?」
馬鹿な事を考えてたら、モフリーナに心配されてしまった。
「いや、何でもない。んで、結局まだ決戦兵器ってのの詳細を教えてもらってないんだけれど?」
どうにもこうにも、ダンジョンマスター達の話では巨大な兵器って事しか想像つかないんだけど。
いや、この格納庫を使用したいってことから推測するに、きっとロボなんだとは思う。
だけど、汎用人型な決戦兵器っぽいやつなのか、それともマジンなZっぽいロボットなのか、それとも3機合体のゲ〇ターのロボみたいなのか、はてさてどれだ?
「…何やらお主からもの凄い勘違いしてる様な感じのオーラが溢れて来ておるのじゃが…」
何を言うか、合法ロリのじゃボーディよ!
いや、待てよ…? ダンジョンマスターは3人で、分け身のもふりんとカジマギーを合わせると合計5人。
つまりは5機が合体するという事か!
「分ったぞ! お前らは5人で出撃して、番組後半の危機なると5機で合体して戦うボル〇スVだな!?」
ビシッ! と言ってやった! どうだ、この恐るべき推理力は!
『ちょっと何言ってるのか分からないです』
ダンジョンマスター達&もふりん+カジマギーの声が揃った。
「何でだよ! 完璧な推理だろうが! お前ら5人がそれぞれ5機に乗って出撃すんだろ? んで、それが変形合体して1機の巨大ロボになるんだろうが! 俺は知ってんだよ!」
まさか図星を指されたんで話を誤魔化そうとかしてんじゃ無いだろうな? 俺は誤魔化されないぞ!?
「いや、じゃからそれが意味わからんと言っておるんだが? 何故に合体する必要があるのじゃ? ならば最初から1機を製造した方が簡単じゃろ? そもそも変形? 合体? そんな無駄な機構を付ければ、かならずそこが脆弱になるだけでなく、合体やら変形やらの瞬間を狙われたら終わりじゃ。何故に弱点となる様な部分をわざわざ造る必要があるのじゃ?」
「ぐっ…それは玩具メーカーが子供の心をガッチリつかんで売るため…いや、それは男のロマンの為だ!」
俺がそう宣言すると、
「お主、馬鹿じゃ馬鹿じゃと、常々思っておったが…」
おぉ! やはり分かってくれたかボーディよ!
「もの凄く馬鹿だったんじゃな?」
「何でだよーーーー!」
「えっと、視線でこっちを…これで火器管制がONで、こっちで視界を索敵モードに…」
「サラ、もうマニュアルは覚えましたか?」
ここはパンゲア大陸の地下深く、冒険者など間違ってもたどり着けない最下層。
天井は高さ約50mにもなろうかというこの場所で、巨大なメイド服を着たロボットを前に、サラとリリアは真剣にマニュアルを読みこんでいた。
2人の姿は一見すると何も変わった所は無い様に見えるのだが、リリアの髪の色が何故か淡いブルーになってる。
いや、よく見ると、サラの髪の色も若干青みがかった紺色へと変化してる。
「この身体の脳ミソって、無駄に高性能なんで記憶自体はばっちりなんですけど…体が思考速度について行かないというか…」
「ああ、それはよく分かります。思考速度が速すぎて、肉体の速度が追い付かない違和感ありますよねぇ」
サラの言葉にリリアが同意する。
「ですです。モフレンダは慣れたら思考速度に身体速度が追い付くから、リハビリ頑張れって言ってましたけど…」
「その域に辿り着く頃には、私達は超人の仲間入りしてますねぇ」
サラとリリアは、そろって大きなため息をつくのであった。
「まあ、今は身体を慣らしがてら、この巨大メイドロボの操縦を覚えましょう。確かにこのロボを手足の様に扱えれば、局長に「一泡吹かせる事も可能ですからね」
そう言ってリリアが見上げる先には、どっからどう見てもリリアを巨大化した美少女ロボットが無言で直立していた。
「それはそうなんだれど…。もしかして、私達のこの身体って、このロボットを動かすためだけに高性能化されたり…とか?」
そう言うサラの振り返った先には、同じくメイド服を着た、サラに似たメイド服を着たロボット。
「サラ、それ以上言ってはいけません。私も、少しだけそう思ったりもしましたが、そこは触れてはいけない部分です」
どうやらリリアもサラのいう様な事を考えていた様である。
そして2人は、もう一度顔を見合わせた後、大きく大きくため息を吐くのだった。
「「はぁ~~~~~~~~………………」」
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