第1198話  なんでーーーー!?

 週休二日制とは、実は毎週二日休日がある事を指す制度ではない。

 簡単に言えば、終に1回以上、週に二日の休日が設けられている制度の事。

 例えば、月に1度だけ二日の休日があり、その他は毎週休みが一日でも週休二日制と言う。

 毎週二日の休日が設けられている場合は、完全週休二日制と言うのが正しい。

 んで、俺の領地で推進しているのは、実は完全週休二日制。

 この世界では馴染みのない制度なんで、なるべく言葉を簡略化したくてそう呼んでいるだけで、実は推奨しているのは完全週休二日制なんだ。

 って事で…マチルダは何をいきなり言い出したんだ?

 

「トール様は根を詰めすぎです。なので、適度な休養が必要です」

 おぉ、なるほど確かにそうかもしれない。

「うむ、戦士には休養も必要だ」

 イネスは、ちょっと黙っとこうか。

「えと…なので、私達は…週休五日制…です」

 んんん? ミレーラさん、五日も休む気?

「まだ分りませんか? 私達は、週に五日我慢します。トール様は、二日だけ頑張るという事です」

「へっ?」

 マチルダの説明に、さらに疑問が深まる。

「はぁ…相変わらず、こういう事には鈍い人ね」

「ええ、本当に…」

 何か、メリルとミルシェに、めっちゃ残念な子を見る様な目で見られた。

「ど、どゆこと?」

「「「ですから、我慢できるのは五日が限界と言ってるんです!」」」

「お、おう…」

 何となく言いたい事は理解出来た。

「えっと、つまり3人が言いたいのは…アレが我慢できるのは五日って…事?」

「「「そうそう!」」」

 めっちゃ力強く頷くね、君達。

「んで、俺は週に二日頑張ると?」

「「「その通り!」」」

 すっげぇ良い笑顔…みんな…。

 だけど…、

「納得できるかーーー!」 

「「「なんでーーーー!?」」」

 応接室は絶叫で震えた。


 まあ、なんだ。

 俺だってまだ10代の男だ。

 希薄ではあるけど、性欲だって…一応ある。

 誰だ、ハーレム野郎の性欲が希薄て、冗談だろう? って笑った奴は!?

 いや、マジであんま性欲無い…事も無いけど、バリバリ全開ってわけでも無いんだよ。

 無けりゃ無いで、別に気にもならないし、ムラムラ来る事も無いんだって。

 ほんとだよ?

 まあ、精神的に多分前世と今世合わせたら50歳を軽く超える年齢なんで、その辺は自制がきいちゃうのかもしれない。

 普通の10代男子なら、きっともっとガツガツムラムラするのかもしれないな。

 あ、これは別にどうでも良い話か。

 まあ、確かに嫁を5人も持つ若い男なんだから、周りの奴等から見たら毎夜励んでいる様に見えるんだろう。

 ずっと夜の夫婦生活を断つってのは、もしかすると不健全な事なのかもしれない。

 しかも、嫁ーずは妊娠願望が強い。

 俺が週に二日だけ励むってのも、まあ悪くない提案かも知れない。

 だけどさぁ…俺の意見って、どこにも入って無いよね?

 それが納得できない理由だー!


「はい、その案で構いません」

 結局、俺が折れました。

 だって、全員に寄って集って攻められたんだぞ?

 俺の直径0.5mmのシャーペンの芯よりも細いメンタルが持つと思うか?

 ぽっきり折れたんだよ! もう、バッキバキに折れたんだよ!

「あ、トール様のメンタルが折れても、アレは折れない様にして下さいね」

 マチルダさんや、アレって何ですか? 折れるってどういう意味ですか?

「…が、頑張って!」

 その励ましは、何に対してなのかな、ミレーラさん?

「最初の休日は明日だな。って事で、今夜が楽しみだ」

 イネスさんよ、明日が俺の休日なのかい?

 んで、今夜…いきなり?

 ……………………………マジで?

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