第1047話  どうすんだっけ?

 な、何が起こったんだ?

 いや、何が起ころうとしているんだ?

 

 俺に年の離れた弟のエドワード君が産まれた。

 これはいい。

 とても目出度い事だ。

 だが、いつの間にかその手には、虹色に輝く球輝く球体が握られている。

 あれは間違いなく、管理局長が俺に寄こした物だ。

 あのパンゲア大陸の環境を変えるための、ガチャ玉の上位版の【環境改良かえる君】で間違いない。

 何でそんな物をエド君が握っているんだ?

 まさか…エド君も転生者なのか!?

 あ、いや、待てよ…確か俺もガチャ玉を使う事が許可されたのは5歳の時から。

 エド君は産まれたばかりで、創造を自由に使いこなすにはは早すぎる。

 いやいやいやいや、そう言えば俺も赤ん坊の時…違う、産まれる前から前世の記憶を持てったし、普通に会話も聞こえてた。

 話す事は出来なかったが、間違いなく理解は出来ていた。

 って事は、もしやエド君も俺と同じで、全部理解出来てるのか?

 だから虹色のガチャ玉を渡された?

 んじゃ、何で俺の時は、創造を始めるのが5歳からだったんだ?

 駄目だ、何にも分からん!


 ここは、やっぱ元凶たる局長に聞いた方がいいのか?

 でも、あいつはどうやら敵である可能性がクソ高い。

 そもそも直接話など…そう言えば、最近局長からの連絡って来て無いな。

 まあ、ボーディやサラ達の話からしたら、俺達とあいつらとでは時間関間隔が大きくずれてる感じだから、あっちはそんな事は大して気にしてないのかも知れないけど。

 あ、そうか! サラに聞けばいいんだ!

 あいつなら何か知ってるかも知れないし。

 管理局の奴から管理局の情報を聞き出すのも、何か違う気がする。

 まあ、正直に話してくれるのが一番良いんだが、しらばっくれるならそれはそれで良い。

 それはつまり、何か俺に隠さなきゃならない重要な案件だって事を、暗に証明した様なもんだ。

 ならば、ここな一丁サラを呼び出してみるとすっか。


 そう言や、あいつと念話すんのも久しぶりだな…どうすんだっけ?

 えっと…ナディア達に話しかけるのとは確か感じが違ったような…周波数的な感じで…あ、思い出した!

『おーーーい! エロショタメイドやーーーーい!』

『久々の念話がそれかーーーい! だーーれが、エロショタメイドかーー!』

 そりゃお前だよ、お前。

『なんですか、せっかくいい気分でしょっぴんぐを楽しんでいるというのに!』

 それって、必要な物の買い出しだよな? まあ、ショッピングでもいいいけど。

『いや、ちょっと確認したい事があってな…』

『ほう、確認とな? 良かろう、話してみよ』

 何か…めっちゃムカつくな、こいつ。

『いや、エド君がな…』

 いや、我慢してこいつに話を聞かなければ。

『ほう、あの将来有望そうなショタですな?』

『ちょっと待て。お前、赤ん坊に何する気だ?』

『もうちょっとしたら、ナニをですけれど、何か?』

 ………こういう奴だったの忘れてたよ。

『言っておくが、俺が全力でお前からエド君は護るからな。いや、それはちょっと置いといて。そのエド君が、虹色のガチャ玉を握ってるんだが、何か知ってるか?』

 もう、時速160kmでストレートど真ん中で質問をぶつけよう

『はっ?』

 あ、こいつのマジで驚いた時の反応だ。

『虹色? って、それはあの大河さんがネーミングセンス皆無で名付けた環境改良かえる君と同じ物ですか?』

 ネーミングセンスに付いては言ってくれるな…自覚してるから…。

『あ、ああ…あれと同じ物に見えるな』

『何でそんな物を?』

 知らんがな!

『分からんから、お前に聞いてんだろうが!』

『そりゃそうですね。ですが、何で生れたばっかりでそんな物を…あれ? もしかしたら…』

 サラが何かに気付いたのか?

『もしかしたら?』

『いえ、最近はあまり創造して無かったですけど、大河さん…エネルギー変換玉は保管してますよね?』

 そう言えば最近してないな。

『ああ、勿論隠してるよ。そもそも、ガチャ玉は俺とサラとリリアさんしか見えないんだから、見つかるわけ無いだろ?』

 あれもベッドの下に隠してたけど、今まで誰にも見つかってない。

『まあ、隠し場所なんてどうでもいいですけど。大陸創造した時みたいに、虹色の球は見えるんですよね?』

『ああ、最初に母さんが見つけた』

 多分…だけど…。

『となると、もしかしたら大河さんが見えないだけで、あのショタっ子もエネルギー変換玉を持ってるのかも…』

『あっ!』

 そうだ、そうかもしれない! 

 何でその可能性に思い至らなかったんだ!

 もしガチャ玉をエド君が持ってたら、ヤバすぎるぞ!



※ 妖精女王の騎士 ヴィー ≪Knight of the Fairy Queen、Vee ≫ 改訂版

  https://kakuyomu.jp/works/16817330657187983790

  旧作品の設定・文章等を見直して、再投稿始めました


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