第1000話  悪魔よ、去れ!

 ※ 記念すべき1000話目なのに、お下劣な内容ですんません…



 自室でユズカがコスプレしていて、ユズキがそれに興奮している…なんて他人事は、非常にどうでもいい情報で、知り合いの夜の夫婦生活なんて知りたくもない。


 だけど、前世で知人の奥さんが超ドSだってのを聞いた事があったなあ。

 あ、いや…もしかして知人がドMなだけかもしれないけど…。

 確か、あれは警備の仕事中の事だった。

 朝現場に出発する時、その知人は腰を庇う様に歩いていた。

 ぎっくり腰にでもなったのか? と心配したのだが、彼は『ちゃうねん、ちゃうねん』と、某漫才師の様におどけてみせた。

 だが、いざダンプに乗って出発しようかという時、俺に向かってこう言ったんだ。

「警備さんにやってもらったら駄目なんだけど…ちょっと今日だけダンプ運転してもらえん?」

 まあ、4tダンプなら運転は出来るけど、

「どうしたんです、腰でもやっちゃったんですか?」

 そう訊ねたんだが、「車の中で言うわ」と、苦笑いしつつ返して来た。

 ま、時間もおしてたので、その日は会社には内緒で俺が運転をした。

 警備員が、派遣先の会社の車の運転はしちゃいけないんだけど、緊急措置って事で内緒で…ね。

 さて、ダンプを運転して現場に向けて出発した直後の事だった。

「いやぁ、マジで腰じゃないんだよ…」

 そう彼は切り出し、事情を話しだした。

「実はな…昨夜、嫁さんから『今夜は普通がいい? 大サービスがいい?』って聞かれてなぁ…」

 何だよ、朝から惚気話かよ…と、ちょっと苛ついたんだが、その後の話で俺は頭を抱えそうになった。

「もちろん俺は大サービスをお願いしたね。したら、部屋の電気を暗くしたと思ったら、何やら嫁さんゴソゴソすんだよ。何事? って思ったけど、嫁さんってドSなんだよね。もしかしたら今日は鞭の日かなって」

 こいつら夜の夫婦生活で鞭使ってんのかよ! 今日はって、他の日は何使ってんだよ!

「そしたら、鞭じゃ無かったんだよ…。大サービスお願いしたから、蝋燭とか普通のは嫌だったんだよねぇ」

 こいつはこいつで、ドMじゃねーか!

「そしたら、俺を四つん這いにさせた嫁さんが、俺のケツに何か冷たい物を掛けたんだよ。ドロ~とした何かを」

 ん?

「んで、『それじゃ、大サービスね』って嫁さんが言ったと思ったら、俺のピーにぶっといバ〇ブを突っ込んだよ!」

 !!

「ケツのピーにぶっといバイ〇を突っ込んで、嫁さん『ほれ、大サービスして欲しかったんだろ! 良い声で啼け!』って、突っ込んだ〇イブをグリグリすんだよ、それはもう盛大に!」

 何してんだ、この夫婦!?

「俺はもう、ヒーヒー言ったね。したら嫁さんは更に興奮して、出したり入れたり………」

 もう聞きたくねえよ!

「したらさあ…何か良い所に当たるんよ」

 やめろー!

「だんだん気持ち良くなってきて、大興奮したまま嫁とベッドに…」

 それまで、お前等どこでそれやってたんだよ!

「めっちゃ興奮してハッスルしたんだよ! ケツにバ〇ブ突っ込んだままで! たまに嫁さんがグリグリしてくれて…」

 聞きたくねーーーーー!

「んで、ここ最近で最高に気持ち良くなって、そのまま寝ちゃってよ。朝起きたら、ケツに〇イブを突っ込んだままでさ」

 こ、こいつ馬鹿なのか!?

「起き上がったら、めっちゃケツ痛くなってんの」

 そ、そうだろうね…。

「もうさ、ダンプの振動とか無理なわけよ」

 ま、まあ…ダンプ運転してたら、結構ケツとか腰に来るもんな。

「普段ならそれがイイんだけど…」

 イイんかい!

「……今夜は普通のサービス頼むか」

 好きにしろ!


 …あの話は衝撃的だった。

 いや、聞きたくなかったかもしれない。

 仕事中は、かなり真面目でキリッとした人だったのに、まさかその人の趣味が…嫁さんの趣味が…想像したら怖ぇーよ!

 俺はノーマルなプレイをきぼんぬ!

 え、ハーレム野郎は、すでにノーマルじゃない?

 そう言われたら、返す言葉も無いけれど…でも、そんなSMプレイは希望してないぞ?

 少なくとも、俺は極太のナニを突っ込まれて悦ぶ趣味は無い!

 え、やってみたら目覚めるかもしれない? 新しい世界への扉が開ける? 

 一緒に悟りへの扉を開こうではないか?

 やだよ! そんな悟りは、絶対にやだよ!

 誰だ、俺の脳内に恐ろしい事を語り掛けてくる奴は!

 あ、俺の中の天使と悪魔の心ですか…そうですか…。

 俺にそんな趣味は無い! 悪魔よ、去れ! 

 頼むから、去ってくださーーーーーーいっ!

 

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