第990話 見た目は大人?
「ふ~~~ん。ま、どうでもいいんじゃね? それより、いつあの場所を調査に行くのかが気になるっすけどね、サラちゃん的には」
「サラの言う事も一理ありますが…。まあ、そうですね。彼があの地に赴く事で、我々が知らない何かと共鳴したり、何かが発動したりしたら、それこそ問題ですね…」
トールヴァルドの思考が妙に静かな事に懸念を抱いているリリアと違い、サラはヴァルナル率いる軍部の調査の方がが気になる様だ。
「ダンジョンマスター達が幾ら調査に行った所で、奴らからしたら敵ですからねえ。ロクな物は発見できないっしょ」
「所詮、解放魂魄統轄庁が造り出した現地人監視用の人形ですからね、ダンジョンマスター達は」
実はサラもリリアも、ダンジョンマスター達が入念に調査をした事は当然だが知っていた。
しかし、ダンジョンマスター達程度の調査では何も分からないだろうと高を括ってもいたのだ。
何故なら、サラとリリアは、多次元世界の存在として、圧倒的にダンジョンマスターよりも高位の存在であると認識していたからだ。
実際、元々の素体としてのモフリーナやモフレンダは、サラやリリアよりも低位であったのは間違いない。
両者共に、解放魂魄統轄庁や輪廻転生管理局が造り出した素体であり、人形といっても過言では無い存在。
それが、モフリーナやモフレンダ、サラやリリア達、現地活動用のボディを持つ者なのである。
サラやリリアが行動範囲を制限されていないのと比べ、モフリーナやモフレンダは行動範囲が制限されている。
いや、ダンジョンのルールによって行動範囲が縛られているともいえる。
行動範囲が制限されている者と、制限を持たない者。
普通に考えてみれば、当然だが後者の方が立場的には上であると考えるだろう。
「まあ、あのモフリーナのぱいおつだけは、超反則だと思うっすけどねぇ」
「それは関係ないのでは? サラの魂は、巨乳の素体に適合しませんでしたし。きっとサラの魂はお子ちゃまなのですよ」
「だーれーが、お子ちゃまかーーーー!」
リリアの言葉に、顔を真っ赤にしてプンスカ怒るサラであったが、次の瞬間その顔は真っ青になった。
「でしたら、大人の遊びをしましょうかねぇ…そう…愉しく…」
瞬間移動したのかと思う程のスピードでサラのベッドに飛び移ったリリアが、ガシッとサラの両肩を掴んでベッドに押し倒して舌なめずりをしていたのだから。
「んぎょ!?」
「さあ、大人の時間ですよ…うふふふふっふふふっふっふっふっふっふ…」
驚き固まったサラの鎖骨からリリアはゆっくりじっくりねっとりと舌を這わせて舐め上げてゆき、耳をそっと甘噛みした。
「ひゃっ! ちょ、リリア…やめ…どこに手を入れて…や、ちょ、やめれーーー!」
トールヴァルド邸の地下室に、サラの絶叫が響き渡った。
サラもリリアも、完全に忘れていた。
ボーディは、<始まりのダンジョン・マスター>であり、全てのダンジョンマスターの元となる50人のオリジナル・ダンジョンマスターの1人である事を。
サラやリリアなど歯牙にもかけないほどに、圧倒的に高次の存在である事を。
確かに見た目は残念な金髪コウモリ羽の絶壁幼女では有るが、解放魂魄統轄庁がこの宇宙に出来た頃から存在する存在である事を。
モフリーナやモフレンダであれば、サラやリリアの考えている通り、調査能力も低いかもしれない。
だが、ボーディだけは違う。
普段はとても残念なのじゃロリにしか見えないが、実はその頭脳は名探偵以上なのである。
そう…。あちこちの事件現場に必ず顔を出し、現場を荒らす変なガキで、たった一つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人などこぞのミステリー作家の様な名前のガキ以上の頭脳を持っているのである。
見た目は大人とは言い難いが、そこそこ大きなリリアと…どうみても入学したてのJCなサラの頭脳は、実はボーディよりもかなり格下の頭脳しか持っていなかった。
但し、エロ方面だけは、確実にR18ではあるが…。
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