第988話  やりすぎた…

 寝室のベッドの上では、マチルダとイネスが昨夜同様、荒い呼吸のまま裸で横たわっていた。

 そして俺の上には裸のミレーラ。

 嬉しそうに俺の胸の辺りでのの字を指先で書いて遊ぶのは止めて欲しい。

 微妙に感じる所を指先でつつーーーっとされると、びくっ! ってなるから。

 いや、俺の反応を見て、クスクス笑いながら更にそこを集中的にクリクリするのはマジやめて!

 最近、妙にそっち方面に慣れて来てない?

 結婚したての頃は、あんなに初々しかったのに…なんて言ったら、拗ねるかもしれないから言わないけど…。


 胸の上で遊んでしたミレーラは、身体をずらして顔を近づけて来たミレーラがそっと俺の耳元で囁いた。

「トール様…まずは…マチルダさんとイネスさんに…飲ませました…」

 嫁ーず3人を相手にした夜の大運動会の終わりに、俺に作戦の進行具合を告げて来た。

 どうやら、この大運動会の最中に飲ませたらし…い?

 最中に? おいおい…一体、どうやって飲ませたんだ!? 

「もちろん…こうやって…口移しで…す…んちゅ…」

 耳元に付けていた彼女の唇が、俺の唇を優しく塞いだ。

「んちゅ…頑張りました…はぁはぁ…わからない様に…んん…こっそり…2人に…だから…ごほうび…んん…」

 そっか、頑張ったのであれば、熱い口づけぐらいなら安いご褒美だ。

 流石に疲れ切ったからだではあるが、それぐらいなら満足するまで付き合ってあげようじゃあーりませんか!

 唇をなぞる様に動いていたミレーラの可愛らしい舌を、軽く唇で捕らえて、ゆっくりと彼女の舌の裏側へ俺も舌を這わせた。 

「ん…はぁ…」

 甘い声と共に、彼女の口から吐息が口から漏れる。

 ミレーラの両腕が俺の頭を包み込む様に回され、強く抱きしめられたので、俺も開いていた両手を彼女の背中へと回した。

 強く抱きしめると折れてしまいそうな華奢なミレーラの身体。

 結婚当初よりは幾分丸みをおびて、少女から女性へと変化している途中とは言え、大人の女性であるマチルダやイネスよりもはまだまだ華奢なので、苦しく痛くない様に力加減を考えつつ抱きしめる手には注意を払う。

 互いにぎゅっと抱きしめ合い、唇と舌を貪り合う。

 ミレーラがただ強く俺を抱きしめているだけだったが、何となく…そう、何となく俺は背中に回した右手の人差し指を伸ば

して、腰のあたりから肩甲骨辺りまで、ミレーラの背中をそっと撫ぜ上げた。

「あ、ああ…」

 思わず俺の上で仰け反ったミレーラ。

 当然、裸なので上半身の小ぶりだが形の良い胸も露わに。

 反応が面白かったので、ついついいろいろな所を撫ぜまわしていると、

「と…トールさま…」

 潤んだ瞳のミレーラが、そっとマイ・ジュニアを握りしめて、身体をずらして跨ろうとしていた。

「も、もう…私…」

 そう言って、ゆっくりと腰を下ろすミレーラ。

 やりすぎた…彼女の中の女の部分に火を付けてしまった…。

「ん…はぁん…」

 鎮めない事には俺も寝れないかと、閉幕を迎えたはずの夜の大運動会は、延長戦へと突入したのであった。


 翌朝、窓に掛かったカーテンから差し込む光が部屋を明るく照らし出す頃、俺は嫁ーず3人をそっと起こした。

 3人だけでなく俺も裸のままだが、今更それを恥ずかしがるような仲でも無い…と思う。

 寝室のあるこの2階はまだ物音ひとつしない程に静かだが、邸の1階ではドワーフメイド衆が朝食の準備をしている事だろう。

 サラとリリアさんが近づいてくる気配も無い。

 ごく稀に2人の家のどちらかが、俺達が起きた後に巨大ベッドのシーツを洗濯の為に回収しに来る事があるので気配を探ったが、全く感じなかったので大丈夫だろう。

 いや、気配察知とかのスキルがある分けでは無いので、絶対とは言えないけど…。


 俺に起こされた3人は、まだ眠そうではあったが、まずは話をした。

 ミレーラが昨夜彼女達に飲ませた例の薬の事を。

 そして、ここから一気に作戦は進むのであった。

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