第802話  つまりは、アレだ…

 さあ、アルテアン家…というか、俺の屋敷で初めての出産…は、まだ早いし、母さんが先か…。

 いや、そうで無くて…えっと、そう! そう使用人を含めて初めての妊娠だ!

 俺と嫁ーずの子供出が最初じゃないのが、ちょっと残念と言えば残念ではあるが、ユズユズの方が先に結婚しているんだから、この結果も当然といえば当然かもしれない。

 それに、俺達夫婦と違って、どこでもサカルからな…あの夫婦。

 ヤル事はしっかりとヤッているはずであるからして、この結果も当たり前であるといえる。


 そもそも、この世界…いや星には、高弾性の物質がまだ発明されていない。

 高弾性の物質ってなんじゃらほい? と考えている諸兄!

 君たちにも必須の物でもあるのだぞ!

 いや、女性の事を大切に思うのであれば、せめて1個は財布の中にでも忍ばせておいて欲しいものだ。

 高弾性とは…すなわち、ゴム弾性…そう、おなじみのゴムである。

 この星にはゴムがないから、車のタイヤも色々なダンジョン産の素材などを加工しているのだ。

 ま、これは企業秘密なので、製造過程などは一切明かせないのだが。


 おっと、話が逸れてしまった。

 そう、この星ではまだゴムが発明されていない。

 そもそもゴムの木が見当たらない。

 大樹海である、我が領地のエルフやドワーフの保護地区では、様々な樹が見つかったのだが、終ぞゴムの木だけは見つからなかった。

 もしも見つけることが出来れば、その樹液を加硫したりして生ゴムを作ることが出来る。

 もちろん、現代地球の様な高品質のゴムが簡単に作れるはずなどないが、それでも簡単なもの程度ならば加工方法を工夫すれば何とか作り上げることが出来るだろう。

 中でも日本が世界に誇っていたゴム製品…それは、こんどー君だ。

 まあ、此処までの話の流れで予想は付いてたであろうが、その薄さと耐久力はメイド・イン・ジャパンが世界的に見ても最高峰らしい。

 そんだけ日本人はエッチが好きって事なのか? もしくは妊娠しやすいのか?

 とにかく、こんどー君…つまりは避妊具だが、それもゴム製品として夫婦の営みに欠かせないものだ。

 しかし、この世界にはゴムが無い=こんどー君が無い=避妊していない…という事。

 皆さんは、『避妊もしていないのに、何でお前たちには子供が出来ないんだ?』と思ってる事だろう。

 それは、地球と違って、何故かこの星では妊娠しにくいからだ。

 つまり、避妊もしてないのにエッチしまくっている俺達が未だに子供が出来ないのは、転生という形で現地人と同じ性質を持ったから、俺達夫婦は子供が出来難い。

 しかも、どうやら転移してきたたユズユズ夫婦も、この世界に適合するために、同じような体質となってしまっていたらしい。

 そりゃ、女性しかいない人魚さん達が必死に妊活しているのも理解できるってもんだ。

 理解はできるが、サバトに諸手を挙げて賛成…とは、ならないけど…。


 あれ? 一体何の話だったっけ?

 あ、そうそう、ゴムが無いんだよ、ゴムが!

 だから避妊具なんて物は、夢のお話だ。

 いや、そもそも避妊具なんて物が存在しない世界なんだから、考案するやつも居ないんだろうけど。

 避妊具がないという事は、衛生的にも問題があるのだ。

 疫病や感染症などの性感染症の予防など、全然考えられていない。

 なので、基本的に田舎ではエッチは特定の人としかしないのが当たり前になっている。

 つまりは、夫婦とかそれに類する関係の男女間のみだな。

 性感染症のに関して知識があるからかどうかは分からないが、そうやって感染の拡大は防がれている。

 人魚さんやエルフやドワーフは、基本的な身体的構造か遺伝子の関係課は知らないが、人族の病気は感染しないらしいし、その逆も然りとか。

 でも、子供だけは作れるという、何という異世界ファンタジーのご都合主義的設定になっている。

 おっと、また話が逸れた…つまり、この世界では特定の相手としかエッチしないのが基本。

 なので、結婚した相手とは死別まで添い遂げるのが普通らしい。

 俺が転生してくる前の日本だったら、目の玉が飛び出るほどの離婚率だったんだけどなあ。

 いや、前世の俺も離婚してるけど…。


 あれ? もう何の話をしてたか分かんなくなってきた。

 つまりは、アレだ…そう、ユズユズの2人に言葉を送ろう。

「よく頑張ったな、2人共。おめでとう!」



※こっそり新作投稿しています。

 姫様はおかたいのがお好き

 https://kakuyomu.jp/works/16817139558018401730

 不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!

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