第675話  ごちょうたい

※ 皆様、大変ご迷惑とご心配をお掛けしました。

  無事に退院となり、まだ完全ではありませんが、本日より投稿を再開します。

  まだまだ本調子ではないので、ペースは遅めになるかもしれません。



 ダンジョンへとやって来た、トールヴァルド…もとい、アルテアン一家の最凶レディース達は、薄暗いダンジョンの一室へと蒸気自動車ごと招き入れられ、ダンジョンマスター代理と対面した。

「みなさま、よくおいでくださいまちた。きょうは、ぞんぶんにたのちんでくだちゃい」

 ケモ耳幼女でダンジョンマスター代理を務めるもふりんの挨拶に、ダンジョンに遊びにやって来た…んん、ゴホン! 装備の攻撃及び防御力などの確認と慣熟の為にやって来た(と、いう名目の)、侯爵夫人が挨拶を返す。

「お忙しい時に悪いですわね。今日はお手を煩わせますけれども、よろしくお願いしますわ」

 いかにも貴族の奥方といった風体の美しい所作で、優雅に会話するその姿を、嫁ーずはうっとりと眺めていた。

「きょうは、だんじょんのどこからどこまでいきまちゅか?」

 どこまでというのは、詰まる所、どの階層からどの階層まで攻略するかと言う事なのだが…

「お義母様、ここは私にお任せくださいませんか?」

 メリルがシュタッ! と右手を上げて申し出た。

「あら、メリルさんが? では、お任せしようかしら」

「有難うございます!」

 何故か、トールの知識(多分、アニメや漫画の)に有った地球の軍隊の様なやり取りだなあ…と、ナディアはその様子を、ぼへ~っと見ていた。


「では、もふりんさんにお願い申し上げます」

「なんでちょうか?」

 もふりんは、モフリーナに重々この嫁達の希望に沿うように言い含められていた。

「出来るのであれば、我々をダンジョン大陸へと連れて行ってもらえませんか?」

「え、あっちにでちゅか? どうちて?」

 言い含められてはいたが、流石にこれは想定外だった。

「実はですね、大量の神の使徒降臨以来、私達は誰も行ったことが無いのです。どの様に変わったのかを直に見てみたいのです。そして、あちらで造っているというダンジョンも、今後の為に見学したいと思いまして…少しは戦ってみたいとも思いますけれども…」

 ダンジョン大陸が完成し、こちらの大陸での戦後処理も落ち着けば、冒険者やその他の多くの人が招かれる(実際にはこちらの大陸のダンジョンに入ると強制的に転移させられるのだが)事となるダンジョン大陸。

 しかもトールの話では、あの大陸をダンジョンマスターが製作したダンジョンマスターの配下が治める事になると言う。

 彼女達が最後に見た時は、まだまだ未開のジャングルの様相を呈していたが、どの様に変化しているのか見たい。

 そして新しい大陸に3人のタイプの違うダンジョンマスターがダンジョンを造り上げたのだとしたら、それぞれのダンジョンで遊ん…試してみたいとういう思いがあった。

「ちょっとまってくだちい。えっと…はい、はい…ええ…りょうかいでち! きょかがとれまちたので、あちらへごしょうたいちまちゅ」

 断られる事も想定してのお願いではあったが、許可が下りたのであれば僥倖。

 もふりんの答えにメリルは、

「お義母様は初めてだったかと思いますが、トールヴァルド様が創り上げ、3人のダンジョンマスターが改造している新大陸へと行けるそうです…如何でしょうか?」

「メリルさん…あなた…」

 ウルリーカが手を握りしめ、少し震えながら俯き加減でメリルに向かってそう言うと、メリルは機嫌を損ねたか? と感じた。

「あ、あの…お義母様…何でしたら、ここで少しだけモンスターと戦っ…」

「ナイスよ! ナイスアイディアだわ!」

 バッ! と顔を上げてもふりんに駆け寄ると、その顔をその豊満とは行かないまでも、豊かな胸にかき抱く。

「うぉぶっ!」

「もふりんちゃん! 是非ともお邪魔させて頂くわ!」

 その様子を呆然と見ていた一同と、いきなり抱きすくめられて茫然としていたもふりんではあったが、いち早く我に返ったもふりんが、その抱きしめられていた(特に豊満ではないが)ウルリーカの胸から顔をあげると、

「はいでち! では、みなさんをだんじょんたいりくにごちょうたいちまちゅ!」

 にっこり笑顔で、そう言った。



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 断罪の刃  闇を照らす陽の如く

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