第433話 お茶の席でのお話し
さて、つい先日までいたダンジョン大陸(俺、命名)に舞い戻って来たわけなのだが、待ってくれてたのはネコ耳幼女もふりん。
「ようこそ、おこちくだちゃいまちた!」
うん、何度見ても可愛いのぉ…飴ちゃん食べるか?
「こちらのじゅんびは、ととのっておりまちゅ。どうじょ、こちらへ」
もふりんに促されて、先日まで無かった応接セットへと腰を下ろした俺とサラ、リリアさん。
モフリーナは、もふりんと何やら小声で打ち合わせした後、ティーセットを乗せたトレーを手に俺達のいる応接セットへとやってきた。
「では、お時間までお茶でもしながら待つとしましょう」
手際よく俺達の前にお茶を並べながら、モフリーナはニッコリ笑ってそう言った。
もちろん、時間まで何か出来る事がある訳でも無く、俺達はのんびりとお茶をしながら時間を潰させてもらう事にした。
「お茶の席だが、ちょっとサラに聞いておきたい事がある」
俺がそう切り出すと、どっかのハ〇太郎みたいに、頬をふくらませ焼き菓子を貪っていたサラが、
「ふが?」
と、こちらを向いた。ってか、口の中にものを入れたまま喋るんじゃありません!
「転移者1万名分のプロフィールを貰ったんだろ? ヤバいやつはいるのか?」
もしゃもしゃごっくんと、まるで漫画の様な咀嚼し飲み込んだサラは、
「そうですよ! 1万名分の釣書ですよ! 今度こそ、この可愛いサラちゃんの脳が焼き切れるかと思いましたよ!」
ああ、そう…そりゃ大変だったね。
「んで、ヤバそうな奴は?」
「大河さん、あんたマジで冷てーな! まあ、いいです。ヤバい奴ですか? そうですねえ…全体の40%程ぐらいですね」
その数字に驚いたが、いまさら驚いても仕方ない。
「そんなにか…ヤバいチート持ちなのか?」
「え?」
「え?」
「チートですか? それなら1%未満です」
は?
「んじゃさっきの40%っていう数字は?」
「ああ、それは地球人の中の日本人の事ですね」
くっ…やはり日本人はチート持ちが多いのか…って、んな分けないだろ!
「日本人が4千人って事か? で、何でそれがチートも無いのにヤバいやつなんだよ!」
「いやあ…日本人って、基本的にファンタジー脳じゃないですか。管理局で転移の場所と時間を調整している時に、やれチートよこせだの、巨乳エルフはいるかだの、魔法はイメージだの、奴隷ハーレムつくるだの、成り上がり上等だの、追放ざまあきたー!だの、錬金術が最強だのと、騒ぐこと騒ぐこと…局長がこのまま宇宙のど真ん中に放りだしそうになるぐらいヤバかったです」
うん、何かごめん…それは確かに日本人だわ。しかもかなり異世界物のラノベや漫画やアニメに毒された日本人だ。
「んで、その日本人達にチートは?」
「あるわけないでしょ。そもそも転移だの転生だのした所で、チートなんてもらえませんよ。どこのご都合主義ですか」
あれ?
「でも俺はガチャ玉もらったぞ?」
「それは大河さんが局長に選ばれたからです。単なるシステムのバグで転移してくるやつに、いちいち特殊な能力とか渡しませんよ。大体、今回は1万人の大規模なんですよ? 言葉が通じる様にしただけです。そもそもユズカとユズキの2人だって何も持ってなかったでしょ?」
それはそうだけど…
「チートっぽい能力を持ってるのは、地球以外から来た転移者ですね。かなり危険なのもいますよ」
ふむ…異世界、いや異星人…
「え、それってつまり、エイ〇アン!?」
「それだけではありません…プレ〇ターもいます」
それは、確かに危険だ…
「あと、最悪なのが…」
「ごくりっ! 最悪なのが?」
「サ〇ヤ人とナメ〇ク星人もいます!」
「嘘つけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
完全に鳥山先生原作だろうが!
「良かったですね! これで★の入ったボールを集めたら…」
「んなわきゃねーだろ!」
いや、ちょっとそんな冒険してみたいけど…
「ちっ! さすがに騙されませんか…まあ、能力的に危険なのは、一部の転移者だけですね。大半は無害だと思いますよ」
ふむ。まあ、それなら何とかなるかな。
「…ボソ…(精神的に危険なのはかなりいますけど)」
ん? 何か言った、リリアさん?
「いいえ~。何にも言ってませんよ~」
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