第348話  死後の心配?

 もう、エロ話はお腹いっぱいだ…

『まだ前菜が終わった所ですよ? これからがメインディッシュですけど』

 勘弁してくれ、あんたに付き合ってたら、エロ話だけで1日が終わるっちゅーの!

『いえ、少なくとも3日3晩はいけますが?』

 ヤメロっちゅーの! 俺にも仕事ってもんがあるんだよ!


 まあ、リリアさんとの下らない話だが、全部が本当だと仮定すると、興味深いポイントが幾つかあった。


 管理局が本当に地球で見られているUFOで飛来しているのであれば、いつかは俺も地球に行ける可能性があるって事だ。

 他の星に転生したはいいが、宇宙を航行する技術も道具も無い。

 別に地球に戻りたいわけでも無いし、俺が死んでからすでにかなりの年数が経ってるらしいから、知り合いだってすでに居ない。

 だけど、やっぱり見れるなら一度でいいから見てみたい…地球…日本を。

 別れた妻と子供のその後がどうなったのか、少し気になる。

 もう当然だが亡くなって入るだろうが、それでも幸せだったのか、子孫は居るのか…もう、俺にはどうにもできないけどな。


 あと、俺自身の魂のエネルギーを分ける事が出来るって点。

 原初のエネルギー体は自ら分裂したらしいから、俺だって可能なはずだ。

 そうなったら…これから結婚する5人ぐらいは、何とかなるかな? リリアさんと比較してもかなりの量があるっぽいし。

 リリアさんで3億人分として…同じだけ5人に分けてあげて15億人分。 俺の残りが…えっと…55億人分か。

 それなら、ナディアと天鬼族3人娘も、何とかいけそうだな。

 これでサラと2人っきりで何億年も過ごすっていう、死後の謎の罰ゲームを回避出来るぞ! 


 リリアさんに、しっかりと俺達の全盛期のボディーを用意してもらえれば、またこの星にも来る事が出来そうだし、こっそりとこの星と子孫を見守る事も出来そうだ。

 あ、見守るのは神になるから当然っちゃー当然か。

 な~んか、死後の世界でも賑やかになりそうだなあ。


『結婚前から死後の心配ですか、大河さん…』

 おお、サラ君では無いか。ちなみに、君の魂のエネルギー総量は、この星の人に換算して何人分ぐらいなんだい?

『ちょっと鼻に着く話し方ですね…大体2億ちょっとぐらいだと思いますけど、それが何か?』

 ふっ、可愛いもんだな。

『なっ! 鼻で笑いましたね!?』

 ボンキュッボンのボディーと電子頭脳に拒絶されるサラ(笑)

『うっきーーー!』

 リリアさん、サラのログはどうなってましたか?

『確認したところ、1日の95%はサボってるか寝てるかエロい妄想してるか、覗きをしているかですね』

『な、そんなはずは無いです!』

 やっぱりそうか。そりゃ、ナイスなボディーに拒絶されるはずだ。

『私が推測するに、真っ新な電子頭脳にボディー情報を入力するときに、管理局の超高性能コンピュータと接続するのですが…』

 そういえば、そんな事も言ってたな。

『だから何だって言うんですか!』

『もしかしたら、疑似人格を転写しようとした時に、電子頭脳は超高性能コンピュータにそのもととなる人格の情報やログを参照しに行ってるのではないかと』

 え? 勝手に?

『ええ。電子頭脳が、自分に転写される疑似人格の主が、一体どんな相手なのか勝手に調べている気がします』

 その結果、サラのログを見た電子頭脳は、こんな奴は嫌だ! って拒絶したって事か? 笑える!

『がーーーーーーん!』

『その可能性が高いですね。これは、やはり電子頭脳の反乱なのかも』

 なるへそ! んで、ツルペタボディーだけは、何故か受け入れると。

『ええ。きっと、エロドジなサラとツルペタの相性が良いんでしょうね』

『……管理局のデータを破壊してやる…』

 そんなにツルペタが嫌なのか。

『サラ、そんな事が許されるとでも? 局長に通報しておきました』

『ぎゃーーーーーーーーーー!!』

 どうしたどうした?

『あ、局長のおしおきですね。お気になさらず』

『にぎゃーー! しーーぬーー! あーーたーーまーーがーーわーーれーーるーー!』 

 ああ、局長さんの…ね。

 そりゃ自業自得だな。

『局長の馬鹿ーー!! んんんっぎゃーーーーーーー!!』

 

 このあと数時間にわたって、サラはイモムシのようにのたうち回ったとか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る