第279話 忘れちゃった?
べダム首長との電話会談(?)というか、無理なお願いは快くきいてもらえた様で、本当に良かった。
次いでと言っては何だが、我がグーダイド王国のサンデル国王様にも、一報は入れました。
ええ、忘れてたとは言い難いので、疲労で倒れてた事にしました…が、しっかりとメリルから報告は行ってた様で、
『未来の義父に、それはちょっと無いんじゃないか?』
と、滅茶苦茶に嫌味を言われる事になりました。嘘はだめだね…
事後処理が大変だったとか、この地の民の問題だとか、神様勢揃いだとか、メリルがちゃんと報告してくれてたんで、
『まあ、大変じゃったのはメリルより聞いておる。多少、報告が遅れたからといって怒る様な事はせんから、今後は正直に言って欲しいものじゃ…のぉ、息子よ』
何となく、言葉の裏に色々な圧力を感じはしたが、素直に言葉通りに受け取っておく事にしよう。
下手な小細工は身を滅ぼすな。今後は注意しよう。
『しかし、さすがは我が娘じゃな。お主の足りぬ部分を補って先に手を打つなど、妻の鑑ではないか。そうは思わぬか、トールヴァルド卿よ』
親バカかよ!
あ、いや…確かに常に陰に日向に卒無くサポートしてくれるし、婚約者~ず筆頭として、婚約者同士のあらゆる事柄を取り仕切り、うまく纏めているのも事実だから、単なる親バカとも言えないか。
『ええ、本当に色々とよく気が付き、手助けしてくれて、日々感謝しております』
『そうだろう、そうだろう! がっはっはっは!』
うん、嘘は言ってないよ…嘘は。この程度のリップサービス(かな?)で喜んで貰えるなら、幾らでも言ってあげましょう、陛下。
この後、べダム首長との民の移住の話に関して詳細に報告をして、通信を切った。
何だろう…恐怖の大王との戦いよりも、その後に押し寄せてくる雑事の方が疲れる気がする。
特に、今日は肩が重い…いや、何だか頭も痛い気が…こめかみのあたりが、ズキズキと…風邪かな?
いやストレスかもしれないな。今日は、これで寝よう。
ベッドで横になると、急激に瞼が重くなってきた…
ああ、そう言えば、まだアレをどうするか決めてなかったなあ…
もう、明日でも良いかなあ…
そうだ、この広い盆地なら…俺の新装備のテストも出来そうだなあ…
時間はまだあるから…明日ぐらい…に…ちょ…と………
ふと目が覚めると、そこは暗い様な、ぼんやりと明るい様な、変わった空間だった。
あれ? 俺…ここに見覚えがある様な? デジャビュかな?
というか、確か俺は寝てた気がする。って事は、これは夢だな…んじゃ、もう1回寝て起きたら元に戻るだろう。おやすみ~。
『いやいやいやいや! 君、落ち着きすぎだろ! 夢だけど夢じゃないよ!』
どっかで聞いたような台詞だな…でも夢なんでしょ?
『そうだけど! ちょっと寝ないで! 僕の話を聞いてよ!』
あのさ~、俺は寝たいの! 睡眠の邪魔しないでくれる?
『君は相変わらず冷めてるねえ…』
ちょっとウザったいこの口調…忘れたくても忘れられない、でも記憶の片隅で埃をかぶってた何か…
ただ風だけが、心を吹○抜ける…片隅の記憶さえ この胸○迷わせる…
『いや、それは君の元生きていた世界の歌の歌詞でしょう?』
なぜそれを知っている! 隠れた名曲として、俺がカラオケで良く歌っていた米×2を知っているとは…さては、ショ○カーか!?
『何で僕が世界征服を企む悪の組織なの? ねえ、君の記憶の中で、僕って一体何だと思われてるわけ?』
何だと言われても…俺の夢の中の登場人物その1。
『とにかく目を開けてよ! わざわざ話しをしに来たんだから!』
煩いなあ…起きればいいんだろ、起きれば…って、あんた誰?
『15年経ったら忘れちゃった?』
え?
『僕だよ、輪廻転生管理局の局長です。転生の時以来だね』
は?
目を開けると、あの転生の時に見た光の巨人が立っていた。
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