第147話 予定変更?
巨大な飛行船のボディー内は、太陽神や月神の格納庫であるが、大半は何も無い空間となっている。
浮力や推進力は、神様の不思議パワーで行われている事になっているんだが、実際はクイーン・エメ〇ルダス号の重力波エンジンを参考にした、重力制御装置的な物が鎮座しているだけで、それも船体の前部にある太陽神・月神のフィギュア格納庫内に隠されている。つまりは、誰も見れない様になっているってわけだ。
そうすると、船体後部は空っぽなので、色々と物を搭載できるカーゴスペースとして有効利用できる。
船体最後部の下面のパーツが大きく下に向かい開き、パーツ内側に付けられたベルトローダーによって、荷物はすいすい楽々積み込める便利仕様だ。
今更だけど、サン〇ーバード2号みたいに、コンテナポッド搭載型の飛行機にすれば良かったと、ちょっとだけ後悔してたりする。
あの飛行機って、コンテナポッドの無いドンガラ状態でも飛べるんだよな。
異世界っぽい生き物に偽装しても良かったかもしれない…
まあ、それは置いといて、カーゴスペースは居住性を考慮していないので、不便は有るが人が乗る事も出来る。トイレは設置したが、窓も無い空間にじっとしているのは退屈だろうが…とにかく、荷物を積まなければ数百人はゆうに乗り込める。
つまり何が言いたいのかと言うと、実家で両親とコルネちゃんとナディアを拾い、食料その他の物資を倉庫に詰め込んで、また王都に向かう空の旅に出たのだが…
当初の予定では、俺、婚約者~ず、天鬼族達、両親、コルネちゃん、ナディア、イネス、ユズキ&ユズカの14人と、ブレンダー&クイーンとファクトリー、あと内緒で妖精さん4名で、王都へ向かう予定だったのだが…倉庫内に密航者がいたのだ。
実家で食料や、ついでに王都の邸宅へ運ぶ物資を積みこんでいた時、倉庫内のトイレに隠れていたのを発見したのだ。
誰もが予想できると思うが、密航者はサラだ。
俺の領地に残っていると、マチルダさんにこき使われるから逃げだした様で、出発前の一瞬のスキをついて乗り込んだらしい。
実家で降ろして路線馬車で俺の領地に送り帰してもいいんだが、サラが母さんに泣きついて王都まで一緒に行く事になった。
こいつ、誰を味方に付ければいいか、良くわかってる…
「一人で馬車で帰すなんて可哀想でしょ? お部屋はまだあるんだから、一緒に連れて行ってあげましょう」
鶴の…ではなく、母さんの一声は、我が家では絶対的権力を持つ。
母さんの後ろで、悪い笑顔のサラは、あとで絶対にぶん殴る!
そんなトラブルとも言えない様な事件もあったが、両親もすんなりホワイト・オルター号を認めてくれて、こうやって空の旅に出発したわけです。
出発前に、出来るだけ多くの貴族にお披露目しながら進みたいという父さんの希望により、飛行コースとスケジュールを大幅に変更した。
具体的には、上級貴族家が住む領都へ寄り道をしながら行く事になった。
なので、2日の行程を6日に変更。
周辺の貴族の名前すら覚える気の無い俺だが、父さんはちゃんとお付き合いしてるみたいだ。
俺、適当に近所の貴族に贈り物を送りつけて、挨拶すらしてないんだよね。
これで貴族出来てるんだから、この世界ってゆるくていいなあ…って思ってたら、母さんに怒られて、この挨拶まわりになった。
人付き合いって、面倒なんだけよなあ…特に貴族って、変なの多そうだし…
ええ、変な貴族もやっぱり居ました。あと娘を押し付けようとする貴族とかも…俺の体重の倍以上ありそうな娘は論外だ!
ってなわけで、慌ただしいのだが、毎日2~3件のペースで挨拶とホワイト・オルター号のお披露目とネス教の布教活動を行いつつ、王都を目指した。
何ていうのかな…そう! 飛行コースは、ちょうど蚊取り線香みたいに、ぐ~るぐると中心に向かって進んだんだ。
そう考えると、うちの領地って、マジで王都から一番離れた外周にあるって事か。
こんだけ隈なく周ったおかげで、意図せず簡単ではあるが王国の地図が出来てしまった。
うん、これはトップ・シークレットだな。外に出したら、かなりまずい事になりそうだ。
某子爵家では、森の中に隠し畑を作っていて脱税をしてるのを発見してしまった。
某男爵家では、新たな鉱山を発見した様で、山をせっせと掘っていたが…国に報告してない様だ。
ついでに、某準男爵家では、勝手にネス教の教会を建てお布施を集めているのを発見したので、ネスと太陽神に登場してもらって、天罰を与えた。
太陽神のサンライト・ハンマーで教会の天井を綺麗さっぱり焼き払ったよ。
上空からネスにも大音声で説教させたから、領民にもそっぱ向かれるだろう、あの準男爵は。陛下にもネスを使った詐欺行為として報告しておこう。国内のクソ貴族が一家潰れる事になるが、清々する。
ってな事もやりつつ、6日目の夕方前に王都上空に到着しました。
王都の近くで、父さんと懇意にしている伯爵さん(名前忘れた)に挨拶をした時、親切な伯爵さんが王城に先触れを出してくれてくれたので、王城横のあの練兵場に着陸できました。
5歳の時に、ここでゴリラ騎士をぶった切って、大魔法(?)ぶっ放したよなあ…良い思い出だ(?)
あの時、メリルは俺を見てたらしいけど、俺とこの練兵場って、何かと縁のある場所なのかな?
練兵場では、王家一同と近衛騎士と騎士団の他、多くの宮廷貴族や官僚貴族が出迎えてくれた。
さあ、また一丁、大法螺かましてやりますか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます